2026年8月9日の新潟7R・レパードSは、6番人気の4番チェリヴェントが1着となりました。
予想時の競馬AI指数では、5番マクリールをp_win=0.1469で1位評価。以下、テンカムテキ、ヒシアムルーズ、ファイアマン、ショウナンバンライという順位でした。
しかし結果は、
- 1着 チェリヴェント
- 2着 パイロマンサー
- 3着 メルカントゥール
となり、AI上位5頭から馬券圏内に入った馬はゼロ。
AI5位のショウナンバンライが6着、AI2位テンカムテキが8着、AI1位マクリールが9着と、今回は指数として厳しい結果になりました。
前日のエルムSではAI1位ルクソールカフェが勝利しましたが、今回は一転して上位評価馬が揃って崩れています。
なぜAIが上位勢を捉えられなかったのか。レース展開と予想時の評価を照らし合わせながら振り返ります。
レパードSの結果
上位入線馬は以下の通りです。
| 着順 | 馬番 | 馬名 | 人気 | 単勝オッズ |
|---|---|---|---|---|
| 1着 | 4 | チェリヴェント | 6人気 | 20.8倍 |
| 2着 | 11 | パイロマンサー | 4人気 | 5.9倍 |
| 3着 | 12 | メルカントゥール | 1人気 | 2.7倍 |
| 4着 | 6 | ドンエレクトス | 3人気 | 4.6倍 |
| 5着 | 1 | オオツカ | 10人気 | 60.4倍 |
| 6着 | 9 | ショウナンバンライ | 2人気 | 4.1倍 |
勝ったチェリヴェントは単勝20.8倍。
2着パイロマンサーとの馬連は5,680円、3連複は4-11-12で3,980円、3連単は4→11→12で43,120円となりました。
1番人気メルカントゥールは3着を確保しましたが、人気上位の一角だったショウナンバンライは6着。
そしてAI上位勢も総じて苦戦しました。
AI指数と実際の着順を比較
予想時のAI上位5頭を結果と並べると、次のようになります。
| AI順位 | 馬 | p_win | 結果 | 人気 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | マクリール | 14.69% | 9着 | 5人気 |
| 2位 | テンカムテキ | 9.22% | 8着 | 11人気 |
| 3位 | ヒシアムルーズ | 8.06% | 10着 | 9人気 |
| 4位 | ファイアマン | 7.22% | 11着 | 8人気 |
| 5位 | ショウナンバンライ | 6.60% | 6着 | 2人気 |
今回はかなり明確な外れ方でした。
AI上位5頭の最高着順がショウナンバンライの6着。
さらにAI1~4位はすべて8着以下です。
特に、
AI1位マクリール → 9着
という結果は大きな反省材料になります。
単純に「穴馬を拾えなかった」というレースではありません。
1番人気メルカントゥールもAI上位5頭に入っておらず、人気・着順の双方に対してAIの評価軸がずれていた可能性があります。
レースはハイペース判定
レースタイムは1分51秒2。
ラップは、
| 距離 | 通過タイム | 区間 |
|---|---|---|
| 200m | 12.5 | 12.5 |
| 400m | 23.4 | 10.9 |
| 600m | 35.9 | 12.5 |
| 800m | 48.9 | 13.0 |
| 1000m | 1:01.0 | 12.1 |
| 1200m | 1:13.2 | 12.2 |
| 1400m | 1:25.9 | 12.7 |
| 1600m | 1:38.4 | 12.5 |
| 1800m | 1:51.2 | 12.8 |
公式のペース判定は**H(ハイペース)**でした。
400mまで23.4秒。
そこから13.0秒までいったん緩みましたが、中盤から再び12秒前半が続き、最後は12.7-12.5-12.8。
ダート1800mらしく最後まで一定の負荷がかかる展開でした。
ただし、今回注意したいのは、
「ハイペース=差し馬有利」ではなかった
という点です。
上位馬は比較的前のポジションにいた
コーナー通過順位を見ると、今回の特徴が分かります。
勝った4番チェリヴェントは、序盤から先頭集団を見る位置。
2着11番パイロマンサー、3着12番メルカントゥールについても前方集団でレースを進めていました。
4コーナーでは、
6・11 → 12 → 3・4・10
という並び。
つまり、最終的な1~3着馬はすべて4コーナー時点で前方にいました。
ペース判定だけを見ればハイペースですが、後方一気が決まったレースではありません。
むしろ今回は、
「速い流れの中でも好位を取れて、なおかつ最後まで脚を残せる馬」
が上位に来たレースだったと考えられます。
ここが今回のAI指数を振り返るうえで重要になりそうです。
AI1位マクリールは9着|これまでの実績を評価したが伸び切れず
AI1位だったマクリールは9着。
p_winは14.69%で、今回唯一15%近い評価でした。
これまで、
- 小金井特別 1着
- 青竜S 2着
- 黒竹賞 1着
- 2歳未勝利 1着
と、ダートでは非常に安定していました。
特に前走の小金井特別では古馬相手の2勝クラスを勝利。
3歳馬ながら既に古馬混合戦を突破していた点は、今回のメンバーに入っても評価できる材料でした。
AIが1位としたこと自体には一定の根拠があります。
ただ、今回は序盤から後方寄り。
3~4コーナーでも後ろの位置となり、直線でも上位争いには加われませんでした。
前走までのダート1600~1800mでの安定感が、今回のレースでは結果につながりませんでした。
過去の能力評価は高かったものの、今回のレースで要求されたポジションを取れなかった
という点は検証しておきたいところです。
テンカムテキはAI2位から8着
AI2位テンカムテキは8着。
p_win=9.22%でした。
こちらもマクリールとは過去に直接対戦しています。
1月の黒竹賞では、
1着 マクリール
2着 テンカムテキ
という結果。
さらに前走の小金井特別でも、
1着 マクリール
5着 テンカムテキ
でした。
そのためAIが両馬を1、2位に並べたのは、ある意味では分かりやすい評価です。
ただし、今回もマクリールとともに馬券圏外。
つまり、
過去の直接対決を含めた能力序列そのものは捉えていても、そのグループ全体が今回のレパードSでは通用しなかった
という可能性があります。
このあたりは「馬同士の相対評価」と「そのレース全体における絶対的な能力評価」を分けて考える必要がありそうです。
ヒシアムルーズは10着|ダート転向直後の評価が難しかった
AI3位ヒシアムルーズは10着。
この馬はもともと芝路線を走っていましたが、前走の東京ダ1600mで初ダートながら1着。
しかも0.4秒差をつけて勝利していました。
その内容から、
ダート適性が高い可能性
をAIが評価したと考えられます。
ただし、今回は重賞への一気の相手強化。
前走でダート適性を示したことと、ダート重賞で通用することは別問題です。
ダート転向直後の馬については、
「前走の着差」
だけでなく、
- 相手関係
- レースレベル
- 勝ち時計
- 昇級幅
などをどこまで評価できているか確認する必要があります。
一度の好走を過大評価していなかったかは検証対象です。
ファイアマンは11着|前走圧勝でも重賞では壁
AI4位ファイアマンも11着でした。
前走は東京ダ1600mの1勝クラスを0.5秒差で勝利。
こちらもヒシアムルーズと同様、
直近のダート戦で強い勝ち方をしてきた3歳馬
でした。
しかし今回の結果を見ると、1勝クラスでの好走をそのまま重賞レベルへ持ち込むのは難しかったようです。
特に3歳ダート路線では、キャリアの浅い馬が多いため能力上昇を捉えることが重要です。
その一方で、下級条件で大きな着差をつけた馬を過度に評価すると、今回のようなケースも起こります。
「勝ち方の強さ」と「相手レベル」のバランスは、今後さらに確認したいポイントです。
ショウナンバンライはAI5位から6着
AI上位では最先着となったのがショウナンバンライです。
結果は6着。
予想時のAI評価は5位、p_win=6.60%でした。
一方、市場では2番人気4.1倍。
つまり今回は、
市場がかなり高く評価していたのに対して、AIはやや疑っていた馬
でした。
ショウナンバンライは、
- 1勝クラス 1着
- 八女特別 1着
とダート転向後に連勝。
それぞれ0.8秒差、0.9秒差という強い内容でした。
市場が支持したのも理解できます。
しかし結果は6着。
馬券圏内には届いていません。
この馬についてはAIの低めの評価が完全に間違っていたとは言い切れません。
むしろ、
人気ほど信頼できないと判断した方向性については悪くなかった
とも考えられます。
ただしAI上位4頭もさらに下の着順だったため、今回の予想全体として成功とは評価できません。
勝ったチェリヴェントをAIは拾えなかった
最大の課題は当然、勝ち馬チェリヴェントを上位評価できなかったことです。
6番人気20.8倍から1着。
単勝だけでも十分に妙味のある馬でした。
しかも単なる展開だけの勝利ではなく、好位から進めて最後まで粘り切っています。
今回のような馬をAI指数上位に拾うことができれば、
「人気馬を当てるAI」から「市場が見落としている馬を見つけるAI」
に一歩近づきます。
逆に言えば、ここを拾えなかったことが今回最大の課題です。
手元の予想時データではチェリヴェントの詳細な評価理由までは確認できないため、今後データベース側で、
- 近走パフォーマンス
- 先行力
- ダ1800m適性
- 新潟コース適性
- 同世代戦でのレースレベル
などを確認してみたいところです。
2着パイロマンサー、3着メルカントゥールもAI圏外
さらに今回は2着、3着もAI上位5頭の圏外でした。
2着パイロマンサーは4番人気。
3着メルカントゥールは1番人気です。
特にメルカントゥールは市場で最も評価されていたにもかかわらず、AI上位5頭に入りませんでした。
AIと市場の評価が大きく食い違った馬です。
結果は3着。
勝ち切れなかったという意味ではAIにも一定の理屈はありますが、少なくとも複勝圏という意味では市場側の評価が正しかったことになります。
これは以前から考えている、
「p_win=勝率」と「馬券圏内に入る確率」は別物
という問題とも関係します。
単勝を狙うのであれば勝率モデルで構いません。
しかしワイドや3連複などを考える場合、こうした馬を拾うためには、
- p_place
- p_top2
- p_top3
のような別の確率を用意した方が自然かもしれません。
今回は「上位5頭全滅」として受け止める
AI予想では、ときどき「1位は外れたけれど2位が勝った」「上位5頭から複数頭が馬券になった」というケースがあります。
しかし今回はそうではありません。
AI上位5頭の着順は、
9着・8着・10着・11着・6着。
馬券圏内ゼロです。
ここまで明確に外れたレースについては、無理に良かった点を探す必要はないと思います。
むしろモデルを観察するというこのブログの目的から考えると、
「なぜこれだけ綺麗に間違えたのか」
を確認する方が価値があります。
共通していた「近走好成績」の評価
今回のAI上位馬を改めて見ると、共通点があります。
マクリールは前走2勝クラス1着。
ヒシアムルーズは前走1勝クラス1着。
ファイアマンも前走1勝クラス1着。
ショウナンバンライはダート転向後2連勝。
テンカムテキも1勝クラス勝ちがあり、マクリール相手にも比較的安定した成績を残していました。
つまりAIは今回、
近走で結果を出している上昇途上の馬
をかなり積極的に評価しています。
これは通常なら合理的です。
ただ、レパードSは3歳ダート重賞。
同じ「1勝クラス1着」でも、その価値はレースによって大きく違います。
今回については、
近走成績の良さを評価する一方で、そのレースの相手レベルを十分に差別化できていなかった
可能性も考えられます。
これは今後の特徴量検証として面白いテーマになりそうです。
「着差」をどこまで信用するか
ショウナンバンライの前2走は0.8秒差、0.9秒差。
ファイアマンは前走0.5秒差。
ヒシアムルーズも前走0.4秒差。
いずれも見た目には強い勝ち方です。
しかし、それでも今回は通用しませんでした。
競馬AIにとって着差は便利な情報ですが、
0.5秒差で勝った=0.5秒分強い
という単純なものではありません。
ペース、相手関係、展開、馬場状態によって意味が変わります。
今回のレパードSは、着差そのものよりも「誰を相手に、どのレベルのレースで作った着差なのか」を重視する必要性を示した例かもしれません。
今後検証したいポイント
今回の結果から、モデルについて確認したい項目を整理すると次のようになります。
| 検証項目 | 今回気になった点 |
|---|---|
| 前走着順 | 前走1着馬を高く評価しすぎていないか |
| 着差 | 下級条件での圧勝を過大評価していないか |
| クラス補正 | 1勝・2勝クラスとOP・重賞の差を十分反映できているか |
| レースレベル | 同じ1着でも相手関係を区別できているか |
| 位置取り | 今回のような好位有利の展開への対応 |
| 勝率と複勝率 | p_winだけでは3着候補を拾いづらい可能性 |
もちろん1レースだけで特徴量を変更するのは危険です。
ただし、同じタイプの外れ方が繰り返されるようならモデル側に構造的な偏りがある可能性があります。
今回はその「観察対象」として記録しておきたいレースです。
まとめ
2026年レパードSは、6番人気チェリヴェントが20.8倍で勝利しました。
2着パイロマンサー、3着メルカントゥールまで含め、AI指数上位5頭から馬券圏内に入った馬はいませんでした。
AI上位は、
1位 マクリール → 9着
2位 テンカムテキ → 8着
3位 ヒシアムルーズ → 10着
4位 ファイアマン → 11着
5位 ショウナンバンライ → 6着
という結果です。
今回は明確にAI側の完敗でした。
特に気になったのは、AI上位馬に「近走の下級条件で好成績を残している馬」が多かったことです。
前走1着や大きな着差を評価すること自体は間違いではありませんが、3歳ダート重賞では、その成績がどのレベルの相手に対して記録されたものなのかまで評価する必要があります。
また、ハイペース判定だったにもかかわらず、上位3頭はいずれも4コーナーで前方にいました。
単純なペース分類だけでなく、速い流れの中でも好位を維持できる能力そのものをどう評価するかも課題になりそうです。
AIが勝ったレースだけでなく、今回のように上位評価馬がまとめて崩れたレースにも学習材料があります。
なぜマクリールを1位にし、なぜチェリヴェントを拾えなかったのか。
この差を少しずつ分解していくことが、競馬を理解するAIに近づくための材料になるのだと思います。




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