2026年8月23日の札幌11Rは、芝1200mで行われるキーンランドCです。
今年は前年のキーンランドC勝ち馬パンジャタワー、高松宮記念3着のウインカーネリアン、函館スプリントS2着のエーティーマクフィなど、重賞実績のある馬が揃いました。
その中で競馬AIが1位に評価したのは、1番人気のパンジャタワーではありません。
AI1位は8番人気想定のナムラクララ。
さらに10番人気想定のロードフォアエースも5位に入っており、市場人気とは少し違ったランキングになっています。
今回は競馬AI指数と馬柱を組み合わせながら、「なぜこの順位になったのか」を考えていきます。
※オッズ・人気は記事作成時点のものです。添付の競馬新聞もあわせて参照しています。
キーンランドCのAI指数
まずは今回の上位5頭です。
| AI順位 | 馬番 | 馬名 | p_win | 想定人気 | オッズ |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 1 | ナムラクララ | 10.81% | 8人気 | 18.8倍 |
| 2 | 13 | ロジケープ | 8.33% | 2人気 | 7.0倍 |
| 3 | 3 | パンジャタワー | 7.52% | 1人気 | 2.0倍 |
| 4 | 14 | サウンドモリアーナ | 5.42% | 7人気 | 17.7倍 |
| 5 | 16 | ロードフォアエース | 4.92% | 10人気 | 38.1倍 |
まず目につくのは、AI1位でもp_winは10.81%しかないことです。
16頭立てということを考えても、特定の1頭が大きく抜けているという評価ではありません。
AIとしては「ナムラクララが最も勝ちやすい」と見ているものの、かなり混戦寄りの指数になっています。
そしてもう一つ特徴的なのが、市場との評価差です。
単純にp_winから「1÷勝率」でフェアオッズを計算すると、次のようになります。
| 馬名 | AI勝率 | AIから計算した単純フェアオッズ | 実オッズ |
|---|---|---|---|
| ナムラクララ | 10.81% | 約9.3倍 | 18.8倍 |
| ロジケープ | 8.33% | 約12.0倍 | 7.0倍 |
| パンジャタワー | 7.52% | 約13.3倍 | 2.0倍 |
| サウンドモリアーナ | 5.42% | 約18.5倍 | 17.7倍 |
| ロードフォアエース | 4.92% | 約20.3倍 | 38.1倍 |
もちろん、AIの確率が完全に正しくキャリブレーションされていることが前提になるため、この数字だけで期待値があるとは言えません。
ただ今回、
ナムラクララとロードフォアエースは市場よりAIの評価が高く、パンジャタワーは市場の方がかなり高く評価している
という構図になっています。
ここが今回のレースで最も面白いポイントです。
AI1位は1番ナムラクララ
AI1位はナムラクララ。
p_winは10.81%です。
現在の18.8倍、8番人気という市場評価を考えると、今回のAI指数ではかなり目立つ存在になりました。
近走を見ると、
- UHB賞 1着
- 青函S 2着
- 愛知杯 8着
- 北九州短距離S 6着
となっています。
特に北海道シリーズに入ってからの内容が良好です。
青函Sでは11番手付近から上がり33秒2を使って2着。
続く札幌のUHB賞では11番手から差し切り、今回と同じ札幌芝1200mで勝っています。
前走タイムは1分08秒4。
派手な時計ではありませんが、今回重要なのは「札幌1200mで差して勝った」という点でしょう。
前走UHB賞勝ちをどう見るか
今回のメンバーには、そのUHB賞を走っていた馬が多数出走しています。
ナムラクララ 1着
ルシード 2着
ダノンマッキンリー 4着
ロードフォアエース 5着
ジョーメッドヴィン 8着
という関係です。
単純な前走着順比較だけならナムラクララを評価するのは自然です。
一方で、重賞になる今回はパンジャタワーやウインカーネリアンなど一気に相手が強化されます。
そのため、「前走OP勝ちだから今回も」というほど単純ではありません。
それでもAIが10.81%まで評価したことを考えると、近走の安定性や北海道1200mへの適性を含め、現在の18倍台より能力を高く見ている可能性があります。
1枠1番は少し考えたい
気になるのは最内枠です。
ナムラクララは最近、前ではなく差す競馬をしています。
青函Sは11-10、UHB賞も11-10。
今回も同じような競馬をするのであれば、1枠1番から後方へ下げた場合に直線で進路を確保できるかはポイントになりそうです。
札幌は直線が短いため、外へ持ち出すまでに時間がかかると間に合わない可能性もあります。
AI1位だから不安なしというより、
能力評価は高いが、枠と展開には注意したい1位
と考えています。
AI2位ロジケープは3歳馬の勢いを評価
2位は13番ロジケープ。
p_winは8.33%です。
こちらは2番人気7.0倍。
AIでも上位なので、ナムラクララほど市場との評価が食い違っている馬ではありません。
ロジケープは今年に入って、
未勝利1着
↓
1勝クラス
↓
2勝クラス1着
↓
TVh賞1着
と一気にクラスを上げてきました。
特に前走TVh賞は今回と同じ札幌芝1200m。
7番手から上がり33秒3を使い、2着に0.3秒差をつけています。
55kgも魅力
今回は3歳馬で55kg。
古馬の多くが57~59kgを背負う中、斤量面では有利です。
重賞実績こそまだありませんが、
札幌1200m実績+上昇度+斤量
という組み合わせを考えれば、市場が2番人気まで支持しているのも理解できます。
AIも2位なので、ここは人間とAIの見解が比較的一致している馬です。
ただしp_winは8.33%。
AI指数上では、1番人気級に抜けた存在とは見ていません。
1番人気パンジャタワーはAI3位
今回、最も注目したい評価差がパンジャタワーです。
現在2.0倍の1番人気。
一方、AIでは3位のp_win=7.52%でした。
馬柱だけを見るなら、1番人気になる理由は非常に分かりやすいです。
2025年キーンランドC 1着
2026年高松宮記念 4着
2026年安田記念 5着
しかも安田記念では勝ち馬シックスペンスと0.1秒差。
昨年すでに札幌1200mのキーンランドCを勝っており、今年はG1でも上位争いしています。
実績だけなら今回のメンバーで最上位クラスでしょう。
問題は「強いか」ではなく「どこまで抜けているか」
ここで誤解しないようにしたいのは、
AI3位=パンジャタワーを弱いと評価している
わけではないということです。
AIでも3位です。
問題は市場が約2倍まで評価しているのに対して、AIの勝率推定は7.52%にとどまったことです。
今回のテーマは、
「パンジャタワーが強いかどうか」
というより、
「このメンバー相手に単勝2倍ほど抜けた存在なのか」
でしょう。
AIはそこに慎重な答えを出しています。
また、今回のAIデータではodds=0.0として計算されているため、パンジャタワーが1番人気だから意図的に評価を下げているわけではありません。
純粋な指数順位と市場人気が大きくズレています。
レース後に検証するうえでも重要な1頭です。
AI4位サウンドモリアーナは市場評価とほぼ一致
4位は14番サウンドモリアーナ。
p_winは5.42%。
現在17.7倍で7番人気です。
単純フェアオッズは約18.5倍なので、この馬についてはAIと市場評価がかなり近くなっています。
今年に入って、
船橋S 1着
モルガナイトS 1着
北九州記念 6着
という成績。
前々走のモルガナイトSでは芝1200mを1分07秒5で勝っています。
基本的には前へ行けるタイプなので、札幌の短い直線を考えても位置取り面では魅力があります。
ただし今回は前へ行きたい馬が他にもいます。
ウインカーネリアン、エイシンディード、ルシード、ロードフォアエースなども前目を意識しそうです。
簡単に自分のペースへ持ち込めるかは分かりません。
AI5位ロードフォアエースは38.1倍
今回もう1頭、面白い評価になったのがロードフォアエースです。
AI5位、p_win=4.92%。
一方、市場では38.1倍の10番人気。
単純フェアオッズなら約20.3倍なので、ナムラクララと同様にAIと市場の差が大きい馬です。
近走は、
シルクロードS 9着
春雷S 12着
青函S 8着
UHB賞 5着
と、着順だけ見ると強く推しにくい成績です。
しかし前走UHB賞ではナムラクララから0.4秒差。
青函Sでも0.4秒差でした。
大きく崩れているように見えて、1200mのオープンで決定的に離されているわけではありません。
外枠はどう出るか
今回は16番枠。
先行タイプだけに、内へ入れるまでに脚を使う可能性があります。
一方で短距離戦では、内で包まれるリスクがないという見方もできます。
AI5位という順位だけならそこまで目立ちませんが、
10番人気38倍という市場評価まで含めると、今回の穴候補としては興味深い1頭
です。
AI上位外で怖いウインカーネリアン
反対に、AI上位5頭へ入らなかった中で無視できないのが8番ウインカーネリアンです。
現在3番人気8.6倍。
昨年のスプリンターズS勝ち馬で、今年の高松宮記念でも3着。
昨年のキーンランドCも5着です。
実績だけならパンジャタワーと並んで最上位クラス。
それでも今回はAIトップ5に入りませんでした。
考えられる材料として、
- 9歳
- 59kg
- 約5か月ぶり
- 逃げ・先行型
- 他にも前へ行きたい馬がいる
といった条件があります。
もちろん、どの項目がAI評価にどれだけ影響したかは指数だけでは分かりません。
それでも、
実績馬ウインカーネリアンをAIが上位5頭から外した
という事実は、レース後に必ず確認したいポイントです。
展開は前がそれなりに忙しくなるか
脚質を見ると、今回は前へ行ける馬が多めです。
特に、
- ウインカーネリアン
- サウンドモリアーナ
- エイシンディード
- ルシード
- ロードフォアエース
あたりはある程度の位置を取りたいタイプです。
昨年のスプリンターズSを逃げ切ったウインカーネリアンが59kgを背負ってどの位置を取るかもポイントでしょう。
極端なハイペースまで決めつけることはできませんが、少なくとも誰も行かずにスローになるイメージではありません。
そう考えると、
ナムラクララ
ロジケープ
パンジャタワー
と、AI上位3頭がいずれも差す競馬をできるタイプなのは興味深いところです。
AIが展開そのものを直接予測しているわけではありませんが、結果として今回の上位には差し馬が並びました。
今回は「AI対市場」を見るレース
今回のキーンランドCは、単純にAI1位を追うよりも、市場との評価差を見る方が面白そうです。
整理すると次のようになります。
| 馬 | AI評価 | 市場評価 | 注目点 |
|---|---|---|---|
| ナムラクララ | 高い | やや低い | AI1位なのに8人気 |
| ロジケープ | 高い | 高い | AIと市場が一致 |
| パンジャタワー | 高い | 非常に高い | 強さより「2倍が妥当か」が焦点 |
| サウンドモリアーナ | 中上位 | 中上位 | AIと市場がほぼ一致 |
| ロードフォアエース | やや高い | 低い | 38倍に対してAI5位 |
| ウインカーネリアン | TOP5外 | 高い | 実績とAI順位のズレ |
特に注目したいのは、
ナムラクララ対パンジャタワー
です。
市場はパンジャタワーを圧倒的に上位評価。
AIはナムラクララを1位、パンジャタワーを3位としました。
どちらが正解だったかだけではなく、レース後には着順、展開、通過順位、上がりまで確認して、この評価差がどこから生まれたのかを考えたいと思います。
今回のAI指数から注目する5頭
今回の整理としては、次のようになります。
AI1位:ナムラクララ
北海道1200mで1着、2着と好調。8番人気という市場評価との乖離が大きく、今回最も注目したい存在です。
AI2位:ロジケープ
3歳馬の上昇力と55kg。前走札幌1200mを勝っており、AIと市場の双方から評価されています。
AI3位:パンジャタワー
実績は文句なし。ただし単勝2倍に対してAI勝率7.52%という大きな評価差があります。
AI4位:サウンドモリアーナ
先行力のある1200m実績馬。AIと市場価格はほぼ一致しています。
AI5位:ロードフォアエース
近走着順は地味でも着差は大きくありません。38倍前後なら、AIと市場の乖離という観点で面白い存在です。
まとめ
2026年キーンランドCの競馬AI指数は、ナムラクララがp_win=10.81%で1位となりました。
ただし1位でも約11%。
今年のキーンランドCは、AIから見てもかなり混戦という評価です。
その中で最も興味深いのは市場人気とのズレでした。
1番人気パンジャタワーはAI3位。
一方、8番人気ナムラクララがAI1位、10番人気ロードフォアエースがAI5位に入っています。
特にナムラクララは、前走UHB賞1着、青函S2着と北海道1200mで好調。
単純なAIフェアオッズ約9.3倍に対して18倍前後という点も、今回の検証対象として面白いところです。
ただ、1枠1番から差す競馬になる可能性があるため、能力評価と実際のレース運びは分けて考える必要があります。
そして最大の比較対象がパンジャタワー。
昨年のキーンランドC勝ち、高松宮記念4着、安田記念5着という実績を考えれば1番人気は当然とも言えます。
それでもAIは7.52%の3位でした。
今回は、
AIが市場より高く評価したナムラクララ・ロードフォアエース
と、
市場がAI以上に高く評価しているパンジャタワー
の結果に注目します。
どちらの評価が実際のレースに近かったのか。
レース後は着順だけでなく展開や通過順位まで含めて、改めて検証したいと思います。



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