2026年8月23日のキーンランドCは、5番人気のサウンドモリアーナが勝利しました。
2着には1番人気パンジャタワー、3着には3番人気ウインカーネリアン。勝ち時計は1分07秒7でした。
事前の競馬AI指数では、8番人気だったナムラクララを1位に評価。2位ロジケープ、3位パンジャタワー、4位サウンドモリアーナ、5位ロードフォアエースという順位でした。
結果だけを見ると、AI4位のサウンドモリアーナが勝利し、AI3位パンジャタワーが2着。一方で、最も期待していたナムラクララは13着に敗れました。
穴馬を勝ち馬として上位に拾えたことは収穫ですが、AI1位が大きく崩れた以上、単純に「上位馬を当てられた」で終わらせるわけにはいきません。
今回は、サウンドモリアーナを上位評価できた理由と、ナムラクララを1位にした評価がなぜ結果につながらなかったのかを中心に振り返ります。
キーンランドCの結果
上位は次のようになりました。
| 着順 | 馬番 | 馬名 | 人気 | 単勝オッズ | AI順位 | p_win |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 14 | サウンドモリアーナ | 5人気 | 12.9倍 | 4位 | 5.42% |
| 2 | 3 | パンジャタワー | 1人気 | 1.9倍 | 3位 | 7.52% |
| 3 | 8 | ウインカーネリアン | 3人気 | 9.8倍 | TOP5外 | ― |
| 4 | 4 | エーティーマクフィ | 4人気 | 12.1倍 | TOP5外 | ― |
| 5 | 16 | ロードフォアエース | 12人気 | 55.2倍 | 5位 | 4.92% |
| 6 | 13 | ロジケープ | 2人気 | 6.3倍 | 2位 | 8.33% |
| 13 | 1 | ナムラクララ | 8人気 | 22.0倍 | 1位 | 10.81% |
馬券はサウンドモリアーナの単勝が1,290円。
馬連3-14は1,520円、3連複3-8-14は4,540円、3連単14→3→8は36,780円となりました。
AI上位5頭からは1着、2着、5着、6着を出しています。
特に12番人気まで人気を落としていたロードフォアエースが5着まで来ているため、人気との比較という意味では悪くない部分もありました。
ただし、AI1位ナムラクララは13着。
今回の回顧では、この「当たった部分」と「外れた部分」を分けて考える必要があります。
勝ったサウンドモリアーナはAI4位
勝ったのは14番サウンドモリアーナ。
5番人気12.9倍でした。
AIでは4位、p_win=5.42%。
事前記事では、市場オッズ17.7倍前後に対して単純フェアオッズ約18.5倍としており、「市場との乖離はそれほど大きくない」と見ていました。
最終的には12.9倍まで売れましたが、AI上位に入れていたこと自体は今回の収穫です。
そして結果を振り返ると、数字以上に重要だったのが脚質でした。
ウインカーネリアンと並ぶ形から押し切る
3コーナーでは、
8番ウインカーネリアン、14番サウンドモリアーナ
が先頭集団。
4コーナーでもこの2頭が前にいました。
そのままサウンドモリアーナが抜け出し、パンジャタワーの追撃を振り切って1着。
上がり3Fは33秒6でした。
これは単に「展開に恵まれただけ」と片付けにくい内容です。
前につけながら最後まで33秒台でまとめています。
前走北九州記念では6着でしたが、その前にはモルガナイトSを芝1200m1分07秒5で勝利。船橋Sも逃げ切っていました。
もともと1200mで前へ行って速い時計に対応する能力は示していました。
今回、
近走着順よりも1200mでの先行力と持続力をAIがある程度評価できていた
可能性があります。
AI4位という順位は、今後のモデルを考えるうえでも評価してよさそうです。
パンジャタワーはAI3位から2着
1番人気パンジャタワーは2着でした。
単勝1.9倍。
AIでは3位、p_win=7.52%でした。
事前予想では、
「パンジャタワーが強いかどうかではなく、単勝2倍ほど抜けているのか」
をポイントとしていました。
結果として勝つことはできませんでした。
ただし2着です。
これはAI側から見ると、比較的評価しやすい結果でした。
「消し」ではなく「過剰人気ではないか」という評価
ここは重要です。
AI3位だからパンジャタワーを低評価していたわけではありません。
前年のキーンランドC勝ち、高松宮記念4着、安田記念5着という実績を考えれば、能力上位なのは明らかでした。
実際今回も中団前あたりから進み、直線ではきっちり伸びています。
勝ち馬との差は0.2秒。
つまり、
馬としての能力評価は正しかった一方、「単勝1.9倍で勝ち切るほど抜けているか」という部分ではAIの慎重な評価にも一定の妥当性があった
と考えられます。
単勝では敗れましたが、連軸として考えるなら極めて安定した結果です。
このあたりは今後、「勝率モデル」と「複勝圏モデル」を分けて考える際にも参考になりそうです。
9歳ウインカーネリアンが3着
3着はウインカーネリアンでした。
9歳、59kg、約5か月ぶり。
これらの条件もあって、AIでは上位5頭に入りませんでした。
しかし実績は、
昨年スプリンターズS1着
今年高松宮記念3着
昨年キーンランドC5着
と今回のメンバーでもトップクラス。
そして今回も先頭付近から粘り込んで3着でした。
結果を見ると、ここはAIがもう少し評価してもよかった馬です。
年齢をどこまでマイナスにするか
競馬データでは一般的に高齢になるほど成績は低下します。
そのため年齢という特徴量を入れれば、9歳馬には自然とマイナス補正が入る可能性があります。
しかし競走馬はすべて同じ曲線で衰えるわけではありません。
ウインカーネリアンのように直近のG1でも3着している馬なら、
「9歳」という年齢そのものより、直近でどの程度のパフォーマンスを維持しているか
を優先すべきケースもあります。
今回の3着は、高齢馬評価について今後検証したいサンプルになりました。
最大の反省はAI1位ナムラクララの13着
今回、最も検証しなければならないのはナムラクララです。
AI1位。
p_win=10.81%。
8番人気22.0倍。
前走UHB賞1着、青函S2着という北海道シリーズの実績もあり、市場人気との乖離を含めて今回かなり期待できる馬として取り上げました。
しかし結果は13着。
勝ち馬から1.2秒差の1分08秒9でした。
明確な失敗です。
事前に懸念していた1枠1番
実は事前記事でも、ナムラクララについて一つ気にしていたことがありました。
1枠1番から差す競馬になることです。
近2走はどちらも11番手付近。
今回も3コーナーでは中団より後ろの位置になりました。
一方、勝ったサウンドモリアーナと3着ウインカーネリアンは先頭集団。
2着パンジャタワーもナムラクララより前でした。
結果として今回は、
前で運んだ有力馬がそのまま残るレース
になっています。
ナムラクララにとっては、展開面で欲しかった形とは逆だった可能性があります。
前半34秒0でも前が残った
今回のラップは、
12.1-10.8-11.1-11.2-11.1-11.4
でした。
前半600mは34秒0。
1000m通過は56秒3。
レース表示としてはミドルペースです。
注目したいのは、後半になっても大きくラップが落ちていないことです。
600~800mが11秒2、800~1000mが11秒1、最後の200mも11秒4。
逃げ・先行勢が途中で大きく失速する展開にはなりませんでした。
そのため後方馬にはかなり厳しいレースになっています。
上位を見ると、
サウンドモリアーナ 先行
パンジャタワー 中団前
ウインカーネリアン 先行
エーティーマクフィ 中団前
という並び。
AIがナムラクララの近走の末脚を評価していたとしても、今回はその末脚を最大限生かせる状況ではありませんでした。
「差し馬の能力」と「差しが届くか」は別問題
今回の結果から改めて感じるのは、
馬の能力を評価することと、その日のレースで能力を発揮できるかを予測することは別
という点です。
ナムラクララは前走UHB賞を差して勝っています。
青函Sでも後方から上がり33秒2。
この実績をデータとして見れば、1200mで高い末脚性能を持つ馬として評価されても不思議ではありません。
しかし競馬では、
前半がどれだけ流れるのか
どの馬が逃げるのか
自身が何番手になるのか
内で詰まる可能性があるか
直線でどこへ出せるのか
といった展開によって、その能力を発揮できるかが変わります。
今回のAI指数は「能力比較」として一定の成果を出しながら、展開との組み合わせでは改善余地が残ったように見えます。
ロジケープはAI2位から6着
ロジケープは6着。
2番人気でした。
AIでも2位、p_win=8.33%。
3歳馬で55kg、前走TVh賞勝ちという条件から市場とAIの双方が評価していました。
結果は1分08秒3。
勝ち馬との差は0.6秒です。
大敗ではありませんが、期待ほど伸びませんでした。
3勝クラスを勝った直後に重賞へ挑戦した馬なので、ここは単純に古馬重賞の壁があった可能性もあります。
一方でまだ3歳。
今回だけで評価を大きく下げる必要もなさそうです。
今回の経験を経て、次走以降どこまで伸びるのかを見たい馬です。
12番人気ロードフォアエースは5着
結果として面白かったのがロードフォアエースです。
事前AIでは5位、p_win=4.92%。
最終的には55.2倍の12番人気まで人気を落としていました。
結果は5着。
勝ち馬との差0.5秒です。
これは馬券には届かなかったものの、AIと市場の評価差という意味ではかなり興味深い結果でした。
近走は、
青函S8着
UHB賞5着
と目立たない成績。
それでも勝ち馬との差自体はそれほど大きくなく、AIでは上位に残っていました。
今回も5着。
38倍前後だった事前時点からさらに人気を落として55倍になったことを考えると、「人気ほど弱くなかった」という見方はできそうです。
こういう馬を継続して拾えるのであれば、単純な的中率以上に回収率へつながる可能性があります。
AI指数は「順位」だけでは評価しづらい
今回のAI上位5頭だけを見ると、
AI1位 ナムラクララ 13着
AI2位 ロジケープ 6着
AI3位 パンジャタワー 2着
AI4位 サウンドモリアーナ 1着
AI5位 ロードフォアエース 5着
でした。
1位が13着なので、ランキング予想として手放しでは喜べません。
しかし4位→1着、3位→2着、5位→5着。
しかもサウンドモリアーナは5番人気、ロードフォアエースは12番人気です。
この結果を見ると、
「1位を当てるモデル」として評価するか、「人気以上に走る馬を見つけるモデル」として評価するか
で印象が変わります。
現在の指数研究では、後者もかなり重要だと考えています。
特に競馬では、1番人気を高確率で1位評価できても、それだけでは回収率が上がりません。
今回のように市場人気より上に評価した穴馬が実際に好走するケースを積み上げられるか。
そこを長期的に確認していきたいところです。
今回の評価を整理する
今回のキーンランドCは、AIにとって良かった部分と悪かった部分がはっきりしたレースでした。
| 評価 | 内容 |
|---|---|
| ○ | 5番人気サウンドモリアーナをAI4位に評価→1着 |
| ○ | パンジャタワーをAI3位→2着 |
| ○ | 12番人気ロードフォアエースをAI5位→5着 |
| △ | AI2位ロジケープは6着 |
| × | AI1位ナムラクララが13着 |
| △ | ウインカーネリアンをTOP5外→3着 |
特に反省材料は、ナムラクララとウインカーネリアンです。
ナムラクララは末脚・近走成績を評価できても、「今回その末脚が届く展開になるか」という視点が不足していた可能性があります。
逆にウインカーネリアンは9歳・59kgというマイナス材料以上に、現時点でもG1級の能力を維持している点を評価すべきでした。
つまり今回、
近走成績をどう数値化するかだけでなく、脚質・展開・能力の衰え方をどう組み合わせるか
という課題が見えました。
穴馬を拾えたことは今後につなげたい
一方、サウンドモリアーナは今回の重要な成功例です。
単勝12.9倍。
AI4位。
市場ではパンジャタワー、ロジケープ、ウインカーネリアン、エーティーマクフィより評価が低かった馬です。
それでもAI上位5頭へ残りました。
そして勝利。
単純にAI1位だけを買う運用なら、この馬は拾えません。
しかしAI上位数頭を「候補群」として利用するなら十分に対象になります。
これは現在考えている、
指数順位そのものより、指数とオッズの組み合わせから期待値を見る
という方向にもつながります。
今回であれば、単勝1.9倍のパンジャタワーより、12.9倍のサウンドモリアーナの方が馬券として面白かったのは結果論では明らかです。
もちろん、毎回12倍のAI4位を買えばいいわけではありません。
ただ、
「AIが一定以上評価しているのに、市場ではそこまで人気になっていない」
馬を抽出する考え方には、引き続き検証する価値がありそうです。
まとめ
2026年のキーンランドCは、5番人気サウンドモリアーナが1分07秒7で勝利しました。
AI指数では4位。
1番人気パンジャタワーはAI3位から2着、AI上位外だったウインカーネリアンが3着でした。
一方、AI1位として期待したナムラクララは13着。
ここは明確な反省点です。
今回のレースではサウンドモリアーナとウインカーネリアンが前につけ、そのまま1着・3着。前半600m34秒0から大きく失速しない流れとなり、後方から差すナムラクララには厳しい展開になりました。
事前にも1枠1番から差す競馬になる点は懸念していましたが、そのリスクが実際に結果へ表れた形です。
一方で、5番人気サウンドモリアーナをAI4位、12番人気ロードフォアエースをAI5位に評価できた点は収穫でした。
AI1位を当てるという意味では失敗。
しかし、市場より評価されていない馬を見つけるという意味では可能性も残ったレースだったと思います。
競馬AIで重要なのは、一つの結果を「当たった・外れた」で終わらせないことです。
なぜサウンドモリアーナを拾えたのか。
なぜナムラクララを過大評価したのか。
なぜ9歳のウインカーネリアンを上位に置けなかったのか。
今回得られた三つの問いを、今後の指数改善に持ち帰りたいと思います。



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