2026年7月26日に中京競馬場で行われた東海ステークスは、AI指数1位の14番マテンロウコマンドが勝利しました。
マテンロウコマンドの最終オッズは16.3倍で7番人気。単勝1.8倍の1番人気に支持された5番ドンインザムードは3着となり、2着にはAI指数上位5頭に入っていなかった6番人気の11番メイショウハチローが入りました。
予想時点では、AI指数が市場評価よりもマテンロウコマンドを大きく高く評価していました。その評価差が結果につながり、単勝という観点では非常に大きな成果となりました。
一方で、2着メイショウハチローを拾えず、AI指数3位ジュンウィンダム、4位ドラゴンテイラーが大敗しています。的中した部分だけでなく、指数が見落とした要素についても振り返ります。
東海Sのレース結果
| 着順 | 馬番 | 馬名 | 人気 | 単勝オッズ |
|---|---|---|---|---|
| 1着 | 14 | マテンロウコマンド | 7番人気 | 16.3倍 |
| 2着 | 11 | メイショウハチロー | 6番人気 | 14.0倍 |
| 3着 | 5 | ドンインザムード | 1番人気 | 1.8倍 |
| 4着 | 9 | インユアパレス | 5番人気 | 10.6倍 |
| 5着 | 12 | バトルクライ | 8番人気 | 39.9倍 |
勝ちタイムは1分22秒8。前半600mは34秒2で、JRAのペース判定はハイペースでした。
主な払戻金は次のとおりです。
| 券種 | 組み合わせ | 払戻金 |
|---|---|---|
| 単勝 | 14 | 1,630円 |
| 馬連 | 11-14 | 7,050円 |
| ワイド | 11-14 | 1,890円 |
| ワイド | 5-14 | 710円 |
| 3連複 | 5-11-14 | 4,180円 |
| 馬単 | 14→11 | 13,570円 |
| 3連単 | 14→11→5 | 43,200円 |
7番人気と6番人気が1、2着となりましたが、1番人気ドンインザムードが3着を確保したため、3連複は4,180円に収まりました。
AI指数の答え合わせ
レース前のAI指数上位5頭と、実際の着順を比較します。
| AI順位 | 馬番 | 馬名 | p_win | 最終人気 | 着順 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | 14 | マテンロウコマンド | 16.28% | 7番人気 | 1着 |
| 2位 | 5 | ドンインザムード | 11.55% | 1番人気 | 3着 |
| 3位 | 2 | ジュンウィンダム | 9.49% | 11番人気 | 12着 |
| 4位 | 13 | ドラゴンテイラー | 9.45% | 3番人気 | 14着 |
| 5位 | 1 | ノーブルロジャー | 7.35% | 9番人気 | 7着 |
AI指数1位が勝利し、2位が3着となりました。
上位2頭がともに馬券圏内に入った一方、上位5頭から馬券圏内に入ったのは2頭です。AI指数上位5頭だけでは3連複や3連単を組み立てられない結果でした。
今回の評価は、次のように整理できます。
| 検証項目 | 結果 |
|---|---|
| AI指数1位 | 1着 |
| AI指数上位3頭 | 2頭が3着以内 |
| AI指数上位5頭 | 2頭が3着以内 |
| AI指数上位5頭の複勝圏内率 | 40% |
| AI指数上位外の馬券圏内馬 | メイショウハチロー |
| 最大の過大評価 | ドラゴンテイラー |
| 最大の市場との評価差成功例 | マテンロウコマンド |
単勝候補の選定としては成功しましたが、相手候補の絞り込みには課題が残っています。
マテンロウコマンドは市場評価を上回る走り
AI指数1位のマテンロウコマンドは、7番人気という市場評価を覆して勝利しました。
予想時点のAI勝利確率は16.28%です。これを単純に適正オッズへ変換すると、約6.1倍となります。
一方、実際の単勝オッズは16.3倍でした。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| AI勝利確率 | 16.28% |
| AI勝率から計算した単純適正オッズ | 約6.1倍 |
| 最終単勝オッズ | 16.3倍 |
| 単純な評価倍率 | 約2.65倍 |
AIが見積もった確率が正しく調整されていると仮定した場合、単勝オッズには大きな妙味があったことになります。
実際に単勝を100円購入していれば、払戻金は1,630円です。
もちろん、1レースだけでモデルの期待値を判断することはできません。ただし、人気馬をそのまま1位に置くのではなく、市場より評価の低かった馬を1位に選び、その馬が勝利した点には意味があります。
勝因は位置取りの柔軟性とハイペースへの対応力
予想記事では、マテンロウコマンドについて、黒船賞を逃げ切った経験がありながら、中団からも競馬ができる点を評価していました。
今回も、その位置取りの柔軟性が生きました。
3コーナーでは11番メイショウハチローが先頭。その直後に5番ドンインザムードと14番マテンロウコマンドが並ぶ形でした。
| 通過地点 | マテンロウコマンドの位置 |
|---|---|
| 3コーナー | 先頭直後の2~3番手 |
| 4コーナー | 先頭直後の2~3番手 |
| ゴール | 1着 |
マテンロウコマンドは「差し」に分類されることもありますが、今回は後方で脚をためる競馬ではありませんでした。
前半600m34秒2という速い流れを先頭集団で追走しながら、直線でも失速せずに押し切っています。
この結果からは、単純な末脚性能よりも、速い流れを好位で追走しても最後まで粘れる総合力が重要だったと考えられます。
予想時には「ハイペースになれば差し脚が生きる」と考えていましたが、実際にはハイペースを前方で受け止めて勝利しました。AIの順位は正しかった一方、人間側の勝因解釈には修正の余地があります。
地方交流重賞の実績は軽視できなかった
マテンロウコマンドは、前走の黒船賞でダート1400mの重賞を勝っていました。
その前にも、かきつばた記念3着、兵庫ゴールドトロフィー2着と、地方交流重賞で安定した成績を残しています。
中央の根岸Sでは11着だったため、中央重賞での能力を疑われた部分もあったと考えられます。しかし、今回は中京ダート1400mで結果を出しました。
地方と中央では、コース形態や馬場、レースの流れが異なります。ただし、1400m前後で繰り返し重賞級の相手と走っていた経験は、今回も有効でした。
予想時の競馬新聞でも、ドンインザムードを本命としながら、マテンロウコマンドを対抗として評価していました。AIだけが評価していた馬ではなく、人間側から見ても能力の裏付けがあった馬です。
それでも7番人気にとどまったのは、約4か月の休み明けや中央重賞での実績不足が嫌われたためかもしれません。
AIは、休養期間や中央での着順よりも、距離適性や重賞実績、近走内容を高く評価したと考えられます。
ドンインザムードは3着でも能力を示した
AI指数2位のドンインザムードは、単勝1.8倍の1番人気に支持されましたが3着でした。
前走の欅Sでは59kgを背負いながら、2着に1秒2差をつけて圧勝。今回は58kgで出走しており、人気になるのは当然の戦績でした。
レースではマテンロウコマンドと同じく、メイショウハチローの直後を追走しました。
しかし、直線ではマテンロウコマンドほど伸び切れず、勝ち馬から0秒5差の3着でした。
着順こそ3着ですが、ハイペースを前方で追走し、馬券圏内を確保しています。能力を否定する内容ではありません。
一方、AIはドンインザムードを2位に評価し、勝利確率を11.55%としていました。
市場は単勝1.8倍まで支持していましたが、AIは圧倒的な1強とは判断していません。その意味では、「能力上位だが、単勝オッズほど勝利が確実ではない」という評価は結果に近かったといえます。
今回のようなケースでは、ドンインザムードを馬券から消すのではなく、単勝の中心から連系馬券の相手へ下げる考え方が適していた可能性があります。
2着メイショウハチローはAIの見落とし
今回の最大の反省点は、2着メイショウハチローをAI指数上位5頭に入れられなかったことです。
メイショウハチローは6番人気、単勝14.0倍でした。市場から完全に無視されていた馬ではありませんが、AIはマテンロウコマンドやノーブルロジャーほど高く評価していませんでした。
レースではスタート後から先頭に立ち、ハイペースを作りました。
前半600m34秒2という流れで逃げながら、最後まで大きく失速せず、マテンロウコマンドから0秒1差の2着に残っています。
通常、これだけ速い流れでは逃げ馬が失速し、後方の差し馬が浮上しても不思議ではありません。しかし、今回の上位3頭は、いずれも3コーナーで前方にいました。
この結果からは、次のような要素をAIが十分に評価できていなかった可能性があります。
- スタート直後の先行力
- ハイペースを維持する能力
- 中京ダート1400mでの前方ポジション
- 逃げた場合の展開利
- 人気馬以外の先行馬が粘る可能性
メイショウハチローを相手候補に含められていれば、AI指数1位からの馬連7,050円や馬単13,570円につながりました。
単勝候補の抽出は成功しましたが、相手選びでは「指数上位馬」だけでなく、「指数外の展開候補」を加える必要があります。
ハイペースでも前残りとなった理由
レースのラップは次のとおりです。
| 区間 | ラップ |
|---|---|
| 200m | 12.3秒 |
| 400m | 10.8秒 |
| 600m | 11.1秒 |
| 800m | 11.7秒 |
| 1000m | 12.2秒 |
| 1200m | 12.2秒 |
| 1400m | 12.5秒 |
前半600mは34秒2、後半800mは48秒6です。
明確な前傾ラップであり、終盤は12秒台まで減速しています。それでも、3コーナーで先頭から3番手以内にいた馬が1~3着を占めました。
これは、後方馬が有利になるハイペースではなく、先行馬同士の能力差がそのまま出たレースだった可能性があります。
先頭集団は苦しい流れでしたが、後方の馬も速い流れの中で追走に脚を使いました。結果として、前方にいた実力馬を差し切るほどの余力を残せなかったと考えられます。
今回の結果から、ペース表示だけで「差し有利」と判断するのは危険だと分かります。
重要なのは、速い流れになったときに先行馬がどれだけ消耗するか、後方馬がどれだけ余力を残せるかです。
ドラゴンテイラーの大敗は大きな反省材料
AI指数4位のドラゴンテイラーは、3番人気に支持されましたが14着でした。
3コーナーでは中団前方にいましたが、直線で大きく失速。勝ち馬から4秒9差の1分27秒7で最下位となりました。
前走まで4連勝中で、前走は中京ダート1400mの豊明Sを勝利していました。コース適性と上昇力を評価するのは自然でしたが、今回は初めての重賞挑戦でした。
考えられる反省点は、次のとおりです。
| 評価した要素 | 結果から見た課題 |
|---|---|
| 4連勝中 | 下級条件の連勝を重賞でも同様に評価した |
| 中京ダート1400m勝ち | 同コースでも相手関係が大幅に強化された |
| 休み明け実績 | 過去の鉄砲成績を強く評価しすぎた可能性 |
| 先行力 | ハイペースで消耗した可能性 |
| 成長力 | 実績馬との能力差を十分に補正できなかった |
ただし、今回の大敗だけで能力不足と断定することはできません。
レース中に何らかの不利やコンディション面の問題があった可能性もあります。公式コメントなどを確認したうえで、モデルの過大評価だったのか、今回だけの例外だったのかを判断する必要があります。
ジュンウィンダムの大穴評価も結果につながらず
AI指数3位のジュンウィンダムは、11番人気で12着でした。
予想時点では単勝115倍想定でしたが、最終的には241.6倍まで人気を落としました。市場とAIの評価差はさらに大きくなっていました。
AIは、天王山Sの勝利や55kgの斤量、前崩れになった際の差し脚を評価していたと考えられます。
しかし、実際のレースでは後方から伸びることができませんでした。
ハイペースではあったものの、前方の実力馬が粘る展開となり、後方待機のジュンウィンダムには向きませんでした。
今回の結果からは、人気薄を評価する際に、過去の1度の好走をどこまで重視するかが課題になります。
天王山S勝利という明確な実績はありましたが、1400mの近走成績や直近の状態を考えると、勝利確率9.49%は高すぎた可能性があります。
ノーブルロジャーは後方から7着
AI指数5位のノーブルロジャーは、9番人気で7着でした。
3コーナー、4コーナーでは最後方に位置し、直線で追い上げました。上位争いには届きませんでしたが、後方勢の中では一定の伸びを見せています。
今回は59kgから57kgへ斤量が軽くなる点を評価していました。
しかし、前残りの結果となり、位置取りが大きな不利になりました。ハイペースでも後方馬が必ず届くわけではないことを示す結果です。
大穴候補として完全な見当違いではありませんでしたが、勝利確率7.35%という評価に対し、実際には勝ち切る位置まで上がれませんでした。
今回のAI指数から得られた収穫
最も大きな収穫は、人気に左右されずマテンロウコマンドを1位に評価できたことです。
競馬新聞ではドンインザムードが本命で、マテンロウコマンドは対抗評価でした。市場ではドンインザムードが1.8倍、マテンロウコマンドが16.3倍と、大きな差がついていました。
その中でAIは、マテンロウコマンドをドンインザムードより上位に置きました。
今回の結果は、「最も人気のある馬を当てる」のではなく、「市場よりも勝利確率を高く見積もれる馬を探す」というAI指数の目的に合っています。
一方で、単勝候補と相手候補では、必要な評価軸が異なることも分かりました。
| 用途 | 今回の結果 |
|---|---|
| 単勝候補 | AI指数1位が勝利 |
| 軸候補 | AI指数1位と2位が馬券圏内 |
| 相手候補 | 指数外のメイショウハチローを拾えず |
| 大穴候補 | ジュンウィンダムが大敗 |
| 上昇馬評価 | ドラゴンテイラーを過大評価 |
指数上位馬だけで買い目を完結させるのではなく、逃げ候補や展開上の注意馬を別枠で加える必要があります。
今後のモデル改善で確認したいポイント
今回の結果を踏まえ、次の特徴量や評価方法を確認したいです。
先行力とペース耐性の分離
単純な脚質だけでなく、速い前半ラップを追走した後も粘れるかを数値化する必要があります。
メイショウハチローはハイペースで逃げて2着に残りました。逃げ馬というだけでなく、前傾ラップへの耐性があったと考えられます。
条件戦連勝馬の昇級補正
ドラゴンテイラーのような連勝馬は、高い評価になりやすい傾向があります。
連勝の着差やタイムだけでなく、過去に対戦した相手のその後の成績や、重賞級の走破水準との差を確認したいです。
人気薄の過去好走への重み
ジュンウィンダムは、天王山S勝利が指数を押し上げた可能性があります。
過去の1回の好走を評価しつつ、直近の凡走や距離変更をどれだけ減点するかが課題です。
単勝候補と連系候補の分離
今回のAI指数は、勝ち馬を見つけるという目的では成功しました。
しかし、馬連や3連系ではメイショウハチローが必要でした。勝利確率だけでなく、2着・3着に残る確率や、展開上の残存確率を別モデルで評価する方法も検討できます。
まとめ
2026年の東海Sは、AI指数1位のマテンロウコマンドが7番人気、単勝16.3倍で勝利しました。
予想時のAI勝利確率は16.28%で、単純な適正オッズは約6.1倍でした。最終オッズ16.3倍との間には大きな評価差があり、その差が結果につながりました。
レースでは後方から差すのではなく、逃げたメイショウハチローの直後を追走。前半600m34秒2のハイペースを好位で受け止め、最後まで粘り切りました。
AI指数2位のドンインザムードも3着となり、上位2頭が馬券圏内に入りました。単勝候補と軸候補の選定としては、評価できる結果です。
一方、2着メイショウハチローはAI指数上位5頭に入っていませんでした。ハイペースを逃げて残った内容から、先行力だけでなく、速い流れへの耐性をより評価する必要があります。
AI指数3位ジュンウィンダムは12着、4位ドラゴンテイラーは14着でした。人気薄の過去好走や条件戦での連勝を、AIが過大評価していた可能性があります。
今回の東海Sは、AI指数が市場より高く評価した馬が勝利したという意味で、大きな成功例になりました。ただし、相手選びには課題が残っています。
単勝候補は勝利確率、連系馬券の相手は展開や粘り込みの可能性というように、目的別に評価を分けることが、今後の改善につながりそうです。




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