【AI指数観察ログ】オパールS(L)10/3 京都11R-回顧|AI上位5頭は馬券圏外。1分06秒7の高速決着で見えた「指数差が小さいレース」の扱い方

回顧記事テーマ AI指数観察ログ

2026年10月3日の京都11R・オパールSは、2番人気の6番リリージョワが勝利しました。

2着には3番人気18番ディアナザール、3着には7番人気8番レッドエヴァンス。勝ち時計は1分06秒7でした。

一方、事前の競馬AI指数では1位ショウナンアビアス、2位メイショウヨゾラ、3位フィオライア、4位クラスペディア、5位タマモイカロスという評価でしたが、最高着順はクラスペディアの6着。上位5頭から馬券圏内を出すことができませんでした。

今回は素直に「AI指数が外したレース」です。

ただ、事前記事でも触れていた通り、AI1位のp_winは0.0831に過ぎず、1~4位の差はわずか0.0074でした。

結果を見返すと、今回の失敗は単に「強い馬を見抜けなかった」というよりも、指数差がほとんどない混戦で、順位そのものをどこまで信用すべきなのかという課題がかなり分かりやすく表れたレースだったように思います。

オパールSの結果

上位は以下の通りでした。

着順馬番馬名最終人気タイム
16リリージョワ2人気1:06.7
218ディアナザール3人気1:06.7
38レッドエヴァンス7人気1:06.7
41カルチャーデイ6人気1:06.8
510ヒシアイラ1人気1:06.9
613クラスペディア10人気1:07.0

単勝は6番リリージョワで650円。

馬連6-18は3,030円、3連複6-8-18は8,200円、3連単6→18→8は38,250円でした。

極端な大荒れではありません。

1~3着には2、3、7番人気が入り、5着まで見ても1番人気ヒシアイラが残っています。

今回については、市場が全く読めていなかったレースではなく、むしろAI側が市場評価から外れすぎたと捉えた方が良さそうです。

AI指数上位5頭の結果

事前指数と結果を並べるとこうなります。

AI順位馬番馬名p_win最終着順
12ショウナンアビアス0.083113着
24メイショウヨゾラ0.079311着
35フィオライア0.076810着
413クラスペディア0.07576着
53タマモイカロス0.064816着

かなり厳しい結果です。

最も走ったクラスペディアでも6着。

AI1位ショウナンアビアスは13着、5位タマモイカロスは16着でした。

前週のスプリンターズSではAI1位サウンドモリアーナが11番人気3着に入ったため、人気薄のAI上位馬に目が向きやすくなっていましたが、今回はその反対。

こうした結果も含めて残しておくことが、AI指数を長期で評価する上では重要だと思っています。

レースは1分06秒7の高速決着

ラップは、

12.0-10.3-10.7-11.1-11.2-11.4

でした。

前半3Fは33秒0。

勝ち時計は1分06秒7です。

ペース表示自体は「M」でしたが、時計そのものは非常に速く、京都芝1200mらしく純粋なスピード能力を要求される競馬になりました。

特に興味深いのは、単純な前残りではなかったことです。

3コーナーでは1番カルチャーデイ、5番フィオライアが先頭付近。

勝った6番リリージョワはその後ろの中団。

18番ディアナザールはさらに少し前。

3着8番レッドエヴァンスは後方寄りでした。

つまり、

「逃げれば残れる高速馬場」

という単純な構図ではありませんでした。

速い時計に対応しつつ、最後まで11秒台前半のラップを維持できる持続力が必要だったと考えられます。

実際、ラスト3Fは、

11.1-11.2-11.4

と大きく失速していません。

前半が33秒0にもかかわらず、最後まで極端にラップが落ちなかった。

ここが今回のポイントだったのかもしれません。

勝ったリリージョワ|AIが拾えなかった3歳馬

勝ったのは6番リリージョワ。

2番人気でした。

事前の馬柱では中京記念14着という結果が目立っていましたが、その前には京都芝1400mの紅梅Sを逃げ切り、さらに前年のもみじSでも京都芝1400mを勝利しています。

つまり近走着順だけを見れば評価しづらいものの、京都適性とスピード能力自体はすでに示していた馬です。

そして今回は54kg。

古馬牡馬が57kg前後を背負う中で、3歳牝馬として軽い斤量で出走できたこともプラスに働いた可能性があります。

結果的には逃げず、中団からの競馬。

これも大きかったと思います。

以前は前へ行く競馬で結果を残していましたが、今回は速い流れの中で無理に先頭争いへ参加せず、最後まで脚を残しました。

AIはこの馬を上位5頭に入れられませんでした。

今回のモデル検証で特に確認したいのは、

3歳馬の斤量差と、京都での過去実績をどれほど適切に評価できていたか

という部分です。

2着ディアナザール|外枠でも能力で対応

2着は18番ディアナザール。

3番人気でした。

大外18番という条件でしたが、3~4コーナーではクラスペディア付近の比較的前目に位置し、最後までしぶとく伸びています。

前走CBC賞では1番人気ながら9着。

ただし上がり32秒8を記録しており、能力そのものを失った内容ではありませんでした。

また京都芝1200mの鞍馬Sでも3着実績があり、1200mへの適性も確認できていました。

今回のような1分06秒台の高速決着では、

「近走着順」

以上に、

「すでに高速芝1200mでどの程度の脚を使えていたか」

を見る必要がありそうです。

AIがこの馬を上位にできなかった点も、今後の特徴量を見る上でヒントになりそうです。

3着レッドエヴァンス|事前記事で触れた人気馬がしっかり走った

3着は8番レッドエヴァンス。

7番人気でした。

これは事前記事との比較でかなり重要です。

AI上位5頭には入っていませんでしたが、前走CBC賞3着、京都芝1200mでも実績があり、馬柱からは素直に評価しやすい馬として取り上げていました。

結果は3着。

しかも後方寄りから上がり32秒2。

今回のメンバーではかなり目立つ末脚でした。

レース前には、

市場が重視する近走安定性をAIが過小評価している可能性

について触れました。

少なくとも今回については、その可能性を考えた方がよさそうです。

AIが人気馬を嫌ったから価値があるのではありません。

人気馬でも、その人気を裏付ける根拠が十分にあるなら走ります。

今回のレッドエヴァンスはまさにその例でした。

AI4位クラスペディアは6着

AI上位馬の中では13番クラスペディアが最も健闘して6着。

最終10番人気でした。

前走セントウルS4着という実績を考えれば、AIが上位に評価したこと自体は理解できます。

今回は57.5kg。

勝ったリリージョワとは3.5kg差がありました。

3~4コーナーではディアナザールと近い位置で運んでいますが、最後は0.3秒差。

大きく負けたわけではありません。

今回のAI上位5頭の中では、

「方向性としては間違っていなかった」

と言える馬です。

ただし、馬券圏内には届きませんでした。

人気薄を拾うという意味では悪くない評価でしたが、「勝ち候補」として4位に置くほどだったのかは再検証が必要です。

AI1位ショウナンアビアスは13着

最も注目していた2番ショウナンアビアスは13着。

最終77.0倍の15番人気でした。

結果だけを見れば、AI1位評価は明確に失敗です。

事前記事では、

「ダート短距離で示した基礎能力を芝でも発揮できるか」

を最大のテーマとしていました。

結果を見る限り、今回はその仮説は成立しませんでした。

ショウナンアビアスは3~4コーナーで中団付近。

極端に位置取りが悪かったわけではありませんが、直線で上位馬との差を縮められませんでした。

勝ち時計1分06秒7という高速芝への対応が求められたことを考えると、ダート1200mでの好走能力を、そのまま芝1200mのスピード評価へ転換するのは難しかった可能性があります。

ここはモデルとして重要です。

ダート短距離と芝短距離には共通する能力もあるでしょう。

しかし、

「速い1200mを走れる」というだけで同じカテゴリーとして扱ってはいけない

ということです。

特に今回のような超高速芝では、芝特有のスピードや加速への適性がより強く問われたのかもしれません。

メイショウヨゾラは11着

AI2位の4番メイショウヨゾラは11着。

事前には53kgという軽量と先行力を評価していました。

ただ、今回は3~4コーナーで先行集団に入ったものの、そのまま押し切ることはできませんでした。

最終的には1分07秒3。

勝ち馬とは0.6秒差です。

軽量だから有利、先行できるから有利、と単純にはいきませんでした。

今回のラップを見ると前半600mは33秒0。

1200m戦で前に位置するには相応のスピードを使わされます。

53kgという斤量差よりも、1分06秒台で走り切れる絶対的なスピード能力の方が重要だった可能性があります。

フィオライアは10着

AI3位フィオライアは10着。

事前記事では京都芝1200mのシルクロードS勝ちを評価材料としていました。

実際、3コーナーでは先頭付近。

この馬らしい競馬はできています。

しかし最後は失速。

勝ち馬から0.6秒差でした。

京都芝1200m実績そのものは確かにありましたが、その実績を今回にどこまで転用できるかという問題があります。

競馬AIでは過去の同コース好走を評価したくなります。

しかし、

「京都芝1200mで勝ったことがある」

と、

「今日の京都芝1200mで1分06秒台に対応できる」

は同じ意味ではありません。

同一コース実績という特徴量を使う場合でも、時計水準や馬場状態、レースレベルまでセットで考える必要がありそうです。

タマモイカロスは16着

AI5位タマモイカロスは16着。

かなり大きく崩れました。

差し脚を持つ馬として、先行争いが激しくなれば浮上すると考えていました。

しかし今回、後方差しそのものが完全に不利だったわけではありません。

3着レッドエヴァンスは後方から上がり32秒2で追い込んでいます。

つまり、

「展開が向かなかったから仕方ない」

だけでは説明できません。

同じ差しタイプでも、今回求められた高速決着への対応力に差があったと考える方が自然です。

ここも重要な反省材料です。

今回もっとも重要だったのは「AI1位」ではなく0.0831という数字

レース前にも触れましたが、改めてここが一番大事だったと思います。

ショウナンアビアスのp_winは0.0831。

18頭立てなので、全馬が完全に同じ勝率だと仮定すれば約5.6%です。

AI1位とはいえ8.3%程度。

圧倒的な数字ではありません。

しかも、

2位 0.0793
3位 0.0768
4位 0.0757

とほぼ横並びでした。

つまりモデル自身が、

「2番が絶対に強い」

と主張していたわけではありません。

それを人間側が順位へ変換した瞬間、

1位=本命候補

という強い意味を持たせてしまいます。

今回のようなケースでは、

「AI1位はショウナンアビアス」

より、

「AIは明確な本命を見つけられていない」

と表現した方が実態に近かったと思います。

これは今後の記事の見せ方にも反映できそうです。

「指数順位」と「指数差」はセットで見る

今回の反省を一言でまとめるなら、

順位だけを見ない

ということになります。

例えば、

A馬 0.20
B馬 0.10
C馬 0.08

なら、A馬がかなり特徴的です。

一方、

A馬 0.083
B馬 0.079
C馬 0.077
D馬 0.076

では、順位こそ1~4位ですが実質的にはほぼ同じグループです。

今回はこちらでした。

これを同じ「AI1位」と表記すると、読者から見れば同じ強さに見えてしまいます。

今後は、

「指数突出型」

「上位拮抗型」

「全体混戦型」

のように、順位とは別に指数分布そのものを分類するのも面白そうです。

今回のオパールSは明らかに「上位拮抗型」です。

そして結果も、AI上位馬ではなく市場上位側の馬が勝ちました。

人気とのズレは「価値」ではなく「検証材料」

今回もう一つ強く感じたのはこれです。

AI1位が15番人気。

これは非常に魅力的に見えます。

しかし、

AI高評価 × 人気薄

だから期待値が高いとは限りません。

まず必要なのは、

なぜAIと市場がズレているのか

です。

ショウナンアビアスの場合、その理由の一つはダート実績でした。

市場は芝実績を重視した。

AIはダート短距離での能力をある程度芝へ持ち込んだ。

結果として今回は市場側の評価が妥当でした。

人気との乖離は、それだけで買い材料ではありません。

むしろ、

「どの特徴量が市場とAIの評価差を生んだのか」

を確認する入口です。

この視点は今後も残しておきたいです。

市場人気も馬鹿にできない

今回の上位は、

2番人気
3番人気
7番人気
6番人気
1番人気

でした。

短距離オープン18頭立てとしては比較的まともな人気構成です。

前走実績や芝1200mでの時計を持つ馬が、そのまま上位に来ました。

競馬AIを使っていると、どうしても「市場が見落としている馬を探したい」という方向へ行きがちです。

もちろん、それが期待値を探す一つの方法ではあります。

しかし市場には大量の情報がすでに織り込まれています。

今回のレッドエヴァンス、ディアナザール、リリージョワを見ると、

市場評価を逆張りするだけでは優位性にならない

という当たり前のことを改めて確認できます。

AI指数と人気がズレたときほど、「AIの方が正しい」と考えるのではなく、理由を確認する必要があります。

今回のモデル改善で確認したいこと

今回の結果から、今後確認したいポイントは大きく4つあります。

  • 芝・ダート替わりをどこまで別物として扱えているか
  • 1200m戦では近走の持ち時計をもっと重視すべきか
  • 3歳馬と古馬の斤量差を適切に表現できているか
  • p_winの順位だけでなく、上位馬同士の差をどう扱うか

特に最後はモデルそのものではなく、運用の問題です。

モデルが0.0831と0.0793を出しているのに、人間が「1位と2位」とラベル付けすると、その差が必要以上に大きく見えます。

今回のようなレースこそ、

「1位馬」

ではなく、

「0.075~0.083付近に4頭が固まっている」

という見方が必要だったと思います。

まとめ

2026年オパールSは、2番人気リリージョワが1分06秒7で勝利。2着ディアナザール、3着レッドエヴァンスとなりました。

一方、競馬AI指数の上位5頭は、

ショウナンアビアス13着
メイショウヨゾラ11着
フィオライア10着
クラスペディア6着
タマモイカロス16着

となり、馬券圏内を確保できませんでした。

今回は明確な外れです。

特にAI1位ショウナンアビアスについては、ダート短距離での能力評価を芝1200mへ持ち込んだことが裏目に出た可能性があります。

ただ、それ以上に重要だったのは、事前の指数分布です。

1位0.0831、2位0.0793、3位0.0768、4位0.0757。

この差で「1位」という言葉だけを強調すると、モデルが持っていない自信を人間側が勝手に付け加えてしまいます。

今回のオパールSは、

AIが穴馬を見抜けなかったレース

であると同時に、

指数差の小さいレースでは順位そのものの意味が薄くなる

ことを改めて教えてくれた一戦でした。

競馬AIを使う目的は、毎回1位馬を当てることではありません。

どんな条件で当たり、どんな条件で外れるのか。

人気との乖離が価値になるケースと、単なるモデルの読み違いになるケースを区別できるようにすること。

今回の結果も、そのための一つのデータとして残しておきたいと思います。

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