【AI指数観察ログ】シリウスS(GⅢ)9/26 阪神11R-回顧|AI4位マイノワールが3着も、上位評価は総崩れ。波乱から見えた課題

回顧記事テーマ AI指数観察ログ

2026年9月26日に阪神ダート2000mで行われたシリウスSは、5番人気の11番ヴァルツァーシャルが勝利しました。

2着には13番人気の9番ルシュヴァルドール、3着には7番人気の12番マイノワール。3連単は11→9→12で69万9,560円となり、かなり大きな波乱決着です。

事前の競馬AI指数では、

AI順位馬番馬名p_win結果
12ゼットリアン0.10956着
213ラムジェット0.10107着
31ジューンアヲニヨシ0.09928着
412マイノワール0.09123着
515カズタンジャー0.082512着

という評価でした。

AI上位5頭から馬券圏内に入ったのはマイノワールのみ。

しかも勝ったヴァルツァーシャル、2着ルシュヴァルドールはともにAI上位5頭外です。

予想記事では「AI1位でもp_winは10.95%で、突出馬のいない混戦」と書きましたが、結果はその“不確実性の高さ”がそのまま現れたようなレースになりました。

今回は着順だけではなく、AIが何を拾えて、何を拾えなかったのかを中心に振り返ります。

シリウスS2026の結果

まず上位結果を整理します。

着順馬番馬名人気オッズ
111ヴァルツァーシャル5人気14.7倍
29ルシュヴァルドール13人気24.3倍
312マイノワール7人気16.8倍
45ハピ12人気24.2倍
56ギュルヴィ2人気4.5倍
62ゼットリアン10人気21.8倍
713ラムジェット1人気3.6倍
81ジューンアヲニヨシ6人気16.1倍

1番人気ラムジェットは7着。

2番人気ギュルヴィも5着に敗れ、人気馬が揃って馬券圏外へ。

一方で2着ルシュヴァルドールは13番人気。4着ハピも12番人気でした。

人気順だけ見ても、かなり難しいレースだったことが分かります。

払戻しも、

  • 単勝11番:1,470円
  • 馬連9-11:22,870円
  • 馬単11→9:42,810円
  • 3連複9-11-12:118,680円
  • 3連単11→9→12:699,560円

と、完全に波乱決着でした。

勝ったヴァルツァーシャルは中団から抜け出し

勝ち時計は2分05秒3。

ラップは、

12.6-11.4-12.1-13.6-13.1-12.8-12.6-12.1-12.3-12.7

でした。

JRA表示ではペースは「M」。

ただし中身を見ると、序盤からずっと一定の流れだったわけではありません。

400mまでは24秒0ですが、800m地点では49秒7。4ハロン目が13秒6まで緩み、その後も13秒1、12秒8と中盤に息が入っています。

そこから1400m以降、

12.6
12.1
12.3
12.7

と再び加速。

単純なハイペース消耗戦というより、

中盤で一度緩み、後半に再加速するダート2000mらしい持続力勝負

だったと考えられます。

ヴァルツァーシャルは序盤から前へ行ったわけではありません。

1コーナーでは中団付近。

3~4コーナーでも11番は12番マイノワールなどとともに中団に位置し、直線で抜け出しました。

雨の阪神ダートだったことを考えると、前だけで決まる可能性もありましたが、今回は中団から動ける馬にも十分チャンスがありました。

2着ルシュヴァルドールが今回最大の波乱要因

2着は9番ルシュヴァルドール。

13番人気、24.3倍でした。

この馬は位置取りを見ると、かなり前。

1コーナーでは先頭グループ直後、2~4コーナーでもほぼ3番手前後を維持しています。

つまり今回の上位馬は、

  • ルシュヴァルドール=前
  • ヴァルツァーシャル=中団
  • マイノワール=中団

という形。

「差し決着だった」と単純化できるレースではありません。

むしろ重要なのは、中盤が緩んだことで前にいたルシュヴァルドールが余力を残せた点です。

予想段階ではルシュヴァルドールをAI上位へ持ってくることができませんでした。

今回の結果から考えると、AI側では能力比較だけではなく、

展開によって前残りできる馬をどこまで拾えるか

という課題が残ります。

13番人気馬を「能力だけ」で事前に2着候補へ引き上げるのは簡単ではありません。

だからこそ、脚質や想定隊列を別レイヤーとして組み合わせる余地はありそうです。

AI4位マイノワールは3着

AI上位で唯一馬券圏内へ入ったのが12番マイノワール。

事前指数は、

p_win=0.0912、AI4位

でした。

結果は3着。

7番人気、16.8倍でした。

これは今回のAI評価の中ではプラス材料です。

予想記事では、

「オープン初挑戦だが55kg。近走の上昇度と斤量面に魅力がある」

という見方をしていました。

実際に今回は、

ラムジェット59kg
ヴァルツァーシャル58.5kg
カズタンジャー58kg

などに対して55kg。

この軽斤量を生かし、重賞初挑戦でも3着へ入りました。

位置取りも極端な後方ではなく、3~4コーナーでは勝ち馬ヴァルツァーシャルと近い位置。

直線でも最後まで伸びています。

今回のような混戦ハンデ戦では、

「重賞実績」より「近走の上昇度+斤量」の組み合わせが効く

というケースもありそうです。

ここはAIがある程度拾えていた部分として残しておきたいところです。

AI1位ゼットリアンは6着

AI1位だった2番ゼットリアンは6着。

最終オッズは21.8倍、10番人気まで人気を落としていました。

p_winは0.1095。

とはいえ以前の記事でも触れた通り、これは「勝率30%級の突出した本命」ではありません。

AI1位とはいえ、推定勝率は約11%。

10回走れば9回近く負ける確率側の馬

でもあります。

そのため、今回の6着そのものを「指数1位なのに大外れ」と見るより、

「AI1位の信頼度が低いレースだった」

と見る方が適切だと思います。

実際、今回の指数は、

ゼットリアン 10.95%
ラムジェット 10.10%
ジューンアヲニヨシ 9.92%
マイノワール 9.12%

と非常に接近していました。

1~4位までわずか1.83ポイント差。

実質的にはほとんど横並びです。

ここは今後、単純な順位表示だけでなく、

「指数1位」と「指数突出度」を分けて扱う

必要性を改めて感じます。

p_win=0.25の1位と、p_win=0.11の1位を同じ「AI本命」として扱うと、読者にもモデル自身にも誤解を生みます。

ラムジェットは59kgも響いたか

AI2位、1番人気のラムジェットは7着。

最終オッズは3.6倍でした。

レースでは中団前寄り。

位置取りそのものが極端に悪かったわけではありません。

ただし今回は59kg。

勝ったヴァルツァーシャルが58.5kgとはいえ、3着マイノワールは55kgです。

ラムジェットはGIでも好走歴のある馬で、能力比較では上位。

そのためAIでも2位まで評価しました。

ただ、ハンデ重賞では、

「能力が高いから勝ちやすい」ことと、「斤量を含め今回の条件で勝ちやすい」ことは別

です。

7着という結果だけで59kgが原因とは断定できません。

ただ、3着マイノワールとの4kg差を考えると、斤量補正の扱いについては改めて検証する価値があります。

特に重賞実績馬へ高いベース能力を与えるモデルの場合、

「実績馬+重ハンデ」

を過大評価していないかは確認したいところです。

AI3位ジューンアヲニヨシも8着

AI3位だった1番ジューンアヲニヨシは8着。

16.1倍の6番人気でした。

事前に注目したのは、同じ阪神ダ2000mの仁川Sを勝っていること。

コース適性という意味では評価できました。

しかし今回は、その実績を再現できませんでした。

ここから分かるのは、

過去に同条件を勝った=今回も同じ能力を出せる

ではないということです。

当然ではありますが、機械学習では「同コース好走」という特徴量はかなり扱いやすく、場合によっては強く効きすぎます。

近走内容、休養期間、年齢、相手関係などとの組み合わせで見る必要があります。

今回のジューンアヲニヨシは、コース実績をどの程度評価するべきなのかを検証する良いサンプルになりそうです。

AI5位カズタンジャーは12着

事前記事で最も「AIと市場の乖離が大きい馬」として取り上げた15番カズタンジャー。

結果は12着。

最終オッズ24.0倍、11番人気でした。

AI5位のp_win=0.0825。

つまり市場よりAIの方がかなり高く評価していました。

ここは結果としてAI側の評価が裏目に出ました。

交流重賞を中心に強い相手と走ってきたことや、前走BSN賞で0.3秒差だった点をAIが拾っていた可能性があります。

しかし今回の走りを見る限り、その実績を今回の阪神ダ2000mへ十分転換できませんでした。

このタイプについては、

  • 地方交流重賞
  • 中央重賞
  • 中央OP/L

を同じ能力尺度へ変換する際の補正が適切か確認したいところです。

交流重賞での着順だけを評価すると、相手関係やコース形態の違いによって過大評価が起こる可能性があります。

今回のカズタンジャーは、その検証材料になりそうです。

人気馬ギュルヴィは5着

事前記事でAIと市場評価が割れていた6番ギュルヴィ。

市場では2番人気。

しかしAI上位5頭外でした。

結果は5着。

馬券圏内には入りませんでした。

ここはAI側の見立てが完全に間違っていたわけではありません。

条件戦を勝ち上がり、マーキュリーC3着。

勢いから人気を集めましたが、今回は重賞であと一歩。

AIが「上がり馬の勢い」より、オープンクラスでの蓄積された実績を重く見た可能性について予想記事で触れました。

結果だけなら、その慎重な評価には一定の意味があったと言えそうです。

ただし5着なので、大きく能力を否定できる内容でもありません。

今後も重賞で通用する可能性は十分ありそうです。

メイショウズイウンは11着

もう一頭、市場評価との違いが大きかった3番メイショウズイウン。

AI上位5頭外。

結果は11着でした。

前走BSN賞を勝っていたため人気を集めるかと思いましたが、最終的には9番人気。

予想記事では、

「前走の1戦を市場が強く評価するのに対し、AIはそれ以前の成績も含めて判断している可能性」

を挙げました。

今回はその見方に近い結果になりました。

前走勝利だけを強く追いかけないという点は、AIモデルの長所になり得ます。

競馬では直近の勝利が強く印象に残ります。

しかし1レースだけのパフォーマンスには、展開・馬場・相手関係など偶然性も含まれます。

複数走から評価するモデルであれば、その“直近バイアス”をある程度避けられる可能性があります。

今回のAI指数をどう評価するか

結果だけを見るなら、今回は成功とは言いにくいです。

AI上位5頭の成績は、

6着
7着
8着
3着
12着

でした。

馬券圏内は1頭だけ。

勝ち馬ヴァルツァーシャルも2着ルシュヴァルドールも拾えていません。

ただ、今回の指数で重要なのは、予想段階から**「混戦」だと判定できていたこと**です。

AI1位でもp_win=0.1095。

これが例えば、

1位 0.30
2位 0.12
3位 0.08

という指数構造なら、1位凡走はかなり気になります。

しかし今回は、

1位 0.1095
2位 0.1010
3位 0.0992
4位 0.0912
5位 0.0825

です。

ほとんど団子。

AI自身が、

「誰が勝ってもそれほど不思議ではない」

と判断していたレースとも言えます。

そこで実際に5番人気→13番人気→7番人気という波乱になった。

「勝ち馬を当てられなかった」点は課題ですが、

難しいレースを難しいと認識できていた

という部分は残しておきたいと思います。

今回からモデル改善につなげたいポイント

今回のシリウスSからは、いくつか検証したいテーマが見えてきました。

検証項目今回の例確認したいこと
指数突出度1~4位が接近順位だけでなく1位と2位以下の差を利用できるか
ハンデ補正ラムジェット59kg、マイノワール55kg重斤量馬を過大評価していないか
昇級馬マイノワール3着上昇度を十分評価できているか
展開ルシュヴァルドール2着脚質・位置取り予測を組み込めるか
交流重賞補正カズタンジャー12着地方重賞実績の換算が適切か
コース実績ジューンアヲニヨシ8着過去の同条件好走を重く見すぎていないか

特に気になるのは指数突出度です。

今回のような1位11%、2位10%というレースと、過去にあった1位20%超のレースでは、同じ「指数1位」でも意味が違います。

今後は、

「AI指数1位」

だけではなく、

「1位と2位の差」
「1位と5位の差」
「上位5頭への確率集中度」

などもレースの信頼度指標として使えないか検証したいと思います。

まとめ

2026年シリウスSは、5番人気ヴァルツァーシャルが勝利。

2着13番人気ルシュヴァルドール、3着7番人気マイノワールとなり、3連単は69万9,560円の波乱決着となりました。

AI指数では、

1位ゼットリアン6着
2位ラムジェット7着
3位ジューンアヲニヨシ8着
4位マイノワール3着
5位カズタンジャー12着

という結果。

AI上位から馬券圏内へ入ったのはマイノワールのみで、勝ち馬・2着馬は拾えませんでした。

予想としては反省の残る結果です。

一方、事前のAI指数では1位でもp_win=10.95%しかなく、上位馬の差も非常に小さい「混戦判定」でした。

実際のレースも人気薄が多数上位へ入り、大きく荒れています。

今回の結果から改めて感じるのは、

「AI指数1位」という順位そのものより、その指数がどれだけ突出しているのかを見る必要がある

ということです。

また、マイノワールのような軽斤量の昇級馬を拾えた一方、ラムジェットのような重ハンデ実績馬や、カズタンジャーの交流重賞実績を高く評価しすぎた可能性もあります。

当たった、外れたで終わらせず、

なぜAIはマイノワールを評価できたのか。
なぜヴァルツァーシャルとルシュヴァルドールを拾えなかったのか。

この差を次の特徴量やモデル改善へつなげていきたいと思います。

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