2026年9月19日の阪神11R・大阪スポーツ杯は、3番人気の9番リサシテーションが勝利しました。
2着には14番人気の2番トゥロン、3着には10番人気の10番カルパ。馬連は26,990円、3連複22万5,280円、3連単は112万2,170円という大荒れの決着です。
そして今回、競馬AI指数で1位としていたのは3番マッシャーブルム。
p_win=0.1735と2位以下を大きく引き離しながら、結果は11着でした。
さらにAI2位エブリーポッシブルは6着、3位ニューオーリンズは9着、4位ハクサンアイリスは10着。上位5頭で掲示板に入ったのは、4着のエムズマインドだけです。
予想記事では「市場とAIが大きく食い違うレース」として注目しましたが、結果を見る限り、今回は市場との乖離を捉えたというよりも、AI側の評価に何らかの見落としがあったレースと考える必要がありそうです。
一方で、レースそのものを振り返るとかなり明確な特徴もありました。
前半600mは33秒8。JRAのペース判定も「H」。
前に行った馬が次々と失速し、差し・追い込み勢が上位を占めています。
今回は「なぜAI上位勢が崩れたのか」「なぜリサシテーションを上位5頭に入れられなかったのか」という2点を中心に振り返ってみます。
大阪スポーツ杯の結果
まず上位着順を整理します。
| 着順 | 馬番 | 馬名 | 人気 | 単勝オッズ |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 9 | リサシテーション | 3人気 | 8.1倍 |
| 2 | 2 | トゥロン | 14人気 | 79.6倍 |
| 3 | 10 | カルパ | 10人気 | 45.4倍 |
| 4 | 11 | エムズマインド | 9人気 | 34.9倍 |
| 5 | 13 | トウカイポワール | 15人気 | 100.5倍 |
| 6 | 15 | エブリーポッシブル | 1人気 | 2.3倍 |
| 9 | 4 | ニューオーリンズ | 2人気 | 3.4倍 |
| 10 | 7 | ハクサンアイリス | 5人気 | 12.0倍 |
| 11 | 3 | マッシャーブルム | 12人気 | 74.0倍 |
勝ち時計は1分23秒8。
配当は、
- 単勝9番:810円
- 馬連2-9:26,990円
- 3連複2-9-10:225,280円
- 3連単9→2→10:1,122,170円
となりました。
1番人気エブリーポッシブルが6着、2番人気ニューオーリンズが9着。
人気馬が崩れたところへ二桁人気2頭が入り、大きな配当につながっています。
AI指数はどうだったのか
レース前のAI指数上位5頭は以下でした。
| AI順位 | 馬番 | 馬名 | p_win | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 3 | マッシャーブルム | 17.35% | 11着 |
| 2 | 15 | エブリーポッシブル | 10.15% | 6着 |
| 3 | 4 | ニューオーリンズ | 9.95% | 9着 |
| 4 | 7 | ハクサンアイリス | 9.49% | 10着 |
| 5 | 11 | エムズマインド | 8.31% | 4着 |
かなり厳しい結果です。
特に問題なのは、1位マッシャーブルムだけではありません。
2~4位も馬券圏外。
唯一エムズマインドだけが4着まで追い上げました。
一方、勝ったリサシテーションはAI上位5頭に入っていません。
予想段階でも「人気馬でAI上位圏外」として取り上げましたが、最終的にはこの馬が勝ちました。
今回の回顧では、単純に「指数1位が外れた」で終わらせず、上位5頭の構成そのものにどんな弱点があったのかを見る必要があります。
最大のポイントは前半600m33秒8のハイペース
今回のレースを考えるうえで最も重要なのがペースです。
ラップは、
| 区間 | ラップ |
|---|---|
| 0~200m | 11.9 |
| 200~400m | 10.4 |
| 400~600m | 11.5 |
| 600~800m | 12.6 |
| 800~1000m | 12.2 |
| 1000~1200m | 12.5 |
| 1200~1400m | 12.7 |
前半600mは33秒8。
かなり速い流れです。
しかも400m地点では10秒4。
序盤で相当な脚を使っています。
その後、
12.6
12.2
12.5
12.7
と徐々に時計を要しており、典型的な前傾ラップになりました。
JRAのペース判定も「H」。
結果的に、このペースがレース全体を支配しました。
前にいた馬がほぼ全滅した
3コーナー時点の位置取りを見ると、前方には1番テイエムヒショウ、4番ニューオーリンズ、6番メイショウツヨキ、5番サンダーバースなどがいました。
AI1位マッシャーブルムもその後ろの先行集団。
ところが最終結果を見ると、
ニューオーリンズ 9着
マッシャーブルム 11着
メイショウツヨキ 13着
テイエムヒショウ 15着
となっています。
序盤でポジションを取りに行った馬には非常に厳しいレースでした。
特にニューオーリンズは今回も逃げ・先行が想定される馬でした。
予想記事でも、
前へ行きたい馬が複数いるため、ニューオーリンズが楽に逃げられるとは限らない
という点を観察材料としていました。
実際、そのリスクがかなり大きな形で表れました。
マッシャーブルム11着。AI17.35%は過大評価だった
今回最大の注目馬だったマッシャーブルム。
AIは17.35%というかなり高い数値を出していました。
レース前日の時点では単勝179倍台。最終的にも74.0倍の12番人気でした。
AIと市場が真っ向から対立した馬です。
結果は11着。
勝ち馬から1秒差の1分24秒8でした。
これだけを見ると、今回は市場側の評価が妥当だったと考えざるを得ません。
ただしレース内容を見ると、単純に能力不足だけで片づけるのも少し違います。
マッシャーブルムは前方グループで運びました。
今回のような前半33秒8のレースでは、ポジションそのものがかなり不利だった可能性があります。
とはいえ、同じ条件はニューオーリンズなどにも当てはまります。
したがって今回の結果からまず疑いたいのは、
「過去の先行パフォーマンスをAIが高く評価しすぎた可能性」
です。
マッシャーブルムは過去には3勝クラスでも好走歴があります。
しかし直近は大敗続き。
予想段階でも「モデルが古い好走を引きずっていないか」という点を懸念していました。
今回の結果は、その仮説を強める材料になりました。
今後、
- 何走前までの成績が強く残っているのか
- 直近大敗への減点が十分か
- 脚質と想定ペースの組み合わせを評価できているか
は確認したいところです。
リサシテーションをなぜ拾えなかったのか
今回最も重要なのはこちらかもしれません。
勝ったリサシテーションは3番人気。
決して人気薄ではありません。
それにもかかわらず、AI指数では上位5頭圏外でした。
予想記事でも、
「市場は3歳馬の上昇余地を評価している可能性がある」
という点に触れていました。
そして、その市場評価が正しかった形です。
リサシテーションは前走の桶狭間Sこそ8着でしたが、その前には阪神ダート1400mの2勝クラスを勝っています。
つまり今回と同じコース条件で実績がありました。
さらに3歳馬。
古馬に比べれば、数カ月単位で能力が変化する可能性も高い世代です。
AIが過去データを中心に馬の能力を評価する場合、この「成長速度」が弱点になり得ます。
例えば、
4歳以上の馬が
100 → 102 → 101
と推移するのに対して、
3歳馬が
90 → 98 → 107
と成長している場合。
過去数走を平均的に評価すると、後者を過小評価する可能性があります。
もちろん今回1レースだけで断定はできません。
ただ、前回のローズS回顧でも「条件戦から急成長した3歳馬をどう評価するか」というテーマが出ました。
今回も似た課題が出たのは興味深いところです。
1番人気エブリーポッシブルは6着
AI2位だったエブリーポッシブルは6着。
1番人気2.3倍でした。
この馬も比較的前のポジションで競馬をしています。
3~4コーナーでは中団前寄り。
勝ったリサシテーションや2着トゥロンより前にいました。
前半のハイペースを考えれば、完全に崩れず6着まで残したこと自体はそれほど悪い内容ではありません。
むしろ今回の人気上位馬の中では比較的踏ん張った方です。
AI2位という評価自体を大きく否定する内容ではないと考えています。
ただし単勝2.3倍という市場評価に見合った結果ではありませんでした。
予想記事で書いた、
「強い馬ではあるが、それほど抜けているのか」
という疑問は結果として残りました。
AI5位エムズマインドが4着
今回、AI上位勢で最も評価できる結果だったのがエムズマインドです。
AI5位。
最終的には9番人気34.9倍。
結果は4着でした。
3コーナーでは後方。
4コーナーでもほぼ後方のままでしたが、そこから追い込んでいます。
これは今回のレース展開とかなり噛み合っています。
予想記事でもエムズマインドについて、
「前が速くなれば差し馬として浮上する可能性がある」
と書きました。
実際、その形になりました。
ただし4着なので馬券圏内には届いていません。
結果だけを誇張して「AIが穴馬を見抜いた」と言うほどではありませんが、指数上位馬の中では今回の展開に最も適合していた馬だったと言えそうです。
2着トゥロンは14番人気
2着には79.6倍のトゥロン。
14番人気でした。
3コーナーでは中団。
4コーナーでも勝ち馬リサシテーションよりやや前の位置にいました。
そこからしぶとく伸びて2着。
今回のような荒れ方で難しいのは、こうした馬です。
単純に「後方待機だったから来た」というだけではありません。
完全な追い込みではなく、中団から脚を残しています。
つまり、
速い流れを追走しながら、最後まで止まらない持続力
が必要でした。
前に行きすぎてもダメ。
後ろ過ぎても届かない可能性がある。
結果だけを見ると差し決着ですが、単純な「追い込み有利」と整理しない方が良さそうです。
3着カルパも10番人気
3着は10番人気のカルパ。
45.4倍でした。
カルパも中団後方から進めています。
4コーナーではリサシテーションとほぼ近い位置。
そこから最後まで伸びて3着。
勝ち馬、2着馬、3着馬の共通点を見ると、
前半の激流に付き合わず、中団付近で脚を温存できたこと
が大きかったように見えます。
そして4着エムズマインドも後方。
上位4頭を見れば、今回がどれだけ前に厳しかったか分かります。
AIは「馬の能力」だけでなく「今回その能力を出せるか」を見る必要がある
今回のレースから考えたいのは、AI指数の役割です。
マッシャーブルムが過去に高い能力を示していたとしても、
今回、
前へ行く馬が多い
↓
前半が速くなる
↓
先行馬が消耗する
↓
マッシャーブルムの強みを発揮できない
のであれば、「今回勝つ確率」は下がるはずです。
これは競馬予想では当たり前の話ですが、モデル化すると難しくなります。
馬自身の過去成績は比較的数値化しやすい。
しかし、
- 同型馬の数
- 出走メンバー全体の脚質
- どの馬が逃げるのか
- 枠順
- スタート後の位置取り争い
- その結果生まれるラップ
といった要素は相互作用します。
今回の大阪スポーツ杯は、まさにその影響が大きかったレースだったように思います。
今回の結果を次のモデル改善につなげるなら
今回のようなレースは、外れたこと自体より「なぜ外れたか」をデータとして残した方が価値があります。
特に確認したいのは次の3点です。
| 検証項目 | 今回気になったこと |
|---|---|
| 近走への重み | マッシャーブルムの過去実績を評価しすぎていないか |
| 年齢・成長 | リサシテーションのような3歳馬の上昇を捉えられているか |
| 展開 | 先行馬過多によるハイペースリスクを指数に反映できているか |
今回だけを見て特徴量を追加すると、単なる後付けになってしまいます。
そのため同じようなケースを複数集めたいところです。
特に、
「AI上位に先行馬が集中したレースで、実際にハイペースになったときの成績」
は検証価値がありそうです。
これを数百レース単位で調べれば、展開特徴量を追加する意味があるか見えてきます。
「179倍のAI1位」はどう評価すべきだったか
予想記事では、マッシャーブルムの極端な市場との乖離を今回最大の観察ポイントにしました。
最終オッズは74.0倍まで下がりましたが、それでも12番人気。
そして11着。
結果として今回は、AIが市場より正しかったとは言えません。
むしろ、
「AIが極端な逆張りをしたとき、本当に信頼できるのか」
という課題が残りました。
これは個人的には悪いデータではありません。
AI指数を運用していると、どうしても「大穴を上位評価→来た」という事例ばかり記憶に残りやすくなります。
しかし本当に確認すべきなのは、
AI1位かつ10番人気以下
の馬をすべて集計したとき、
- 勝率
- 複勝率
- 単勝回収率
- 平均人気
- 平均オッズ
がどうなるかです。
マッシャーブルムのようなケースを失敗例として残しておくことは、その検証に使えます。
それでも「AIと市場が違うレース」は面白い
今回、AI1位は外れました。
だからといって「市場と違う指数はダメ」と結論づけるのも違います。
もし毎回AIが、
1番人気
2番人気
3番人気
4番人気
5番人気
をそのまま並べるだけなら、そもそも独自指数を作る意味が薄くなります。
重要なのは、
市場と違ったときに、その違いが長期的に利益を生むのか。
今回のマッシャーブルムは失敗。
一方で9番人気エムズマインドを5位評価して4着。
そして市場が評価した3歳馬リサシテーションをAIは上位に置けず、その馬が勝ちました。
成功と失敗を都合よく切り取らず、全部残す。
それを続けることで、「AIが得意なズレ」と「危険なズレ」の違いが見えてくるのだと思います。
まとめ
2026年大阪スポーツ杯は、3番人気リサシテーションが勝利。
14番人気トゥロン、10番人気カルパが続き、3連単112万2,170円の大波乱となりました。
レース最大の特徴は前半600m33秒8のハイペース。
先行勢には厳しく、中団以降で脚を残した馬が上位に進出しました。
AI指数は、
1位マッシャーブルム 11着
2位エブリーポッシブル 6着
3位ニューオーリンズ 9着
4位ハクサンアイリス 10着
5位エムズマインド 4着
という結果。
今回は明確に指数上位勢が苦戦しました。
特にAI1位マッシャーブルムは、市場と大きく異なる評価を出したものの11着。
一方、勝ったリサシテーションはAI上位5頭圏外でした。
今回の結果から浮かんだテーマは、
近走不振馬の過去実績をどこまで残すのか。
成長期にある3歳馬をどう評価するのか。
そして出走メンバーから生まれる「展開」をどうモデルに組み込むのか。
という3点です。
指数が外れたレースほど、モデルの癖は見えやすくなります。
大阪スポーツ杯は、「AIが市場と違う答えを出したとき、その違いを無条件に価値と考えてはいけない」という分かりやすい事例になりました。
同時に、9番人気エムズマインドを上位評価できた部分も残っています。
当たった・外れたで終わらせず、
どんな条件では指数を信頼でき、どんな条件では疑うべきなのか。
この境界を少しずつ探していく材料として、今回のレースも記録しておきたいと思います。


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