2026年10月4日の京都11Rは、芝2400mで行われる京都大賞典(GII)。
秋の古馬中長距離路線を占う一戦ですが、今年は18頭立て。天皇賞(春)や宝塚記念を使ってきた馬に加え、条件戦から勢いをつけてきた馬まで揃い、かなり比較の難しいメンバーになりました。
今回も競馬AIが算出した勝利確率「p_win」と馬柱を掛け合わせながら、指数が何を評価したのかを観察していきます。
AI指数1位は4番ヘデントール。ただしp_winは0.1497で、2位アクアヴァーナルの0.1432との差はわずか0.0065です。
さらに3位ファミリータイムが0.1145と続いており、今回は「ヘデントール1強」というより、上位3頭を中心に評価が集まったレースと見る方が近そうです。
京都大賞典のAI指数上位5頭
今回の上位5頭は以下の通りです。
| AI順位 | 馬番 | 馬名 | p_win | 馬柱掲載時人気 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 4 | ヘデントール | 0.1497 | 5人気 |
| 2 | 6 | アクアヴァーナル | 0.1432 | 2人気 |
| 3 | 11 | ファミリータイム | 0.1145 | 8人気 |
| 4 | 1 | ウエストナウ | 0.0786 | 4人気 |
| 5 | 18 | ダノンシーマ | 0.0670 | 1人気 |
特徴的なのは、1位と2位がかなり接近していることです。
一方、3位から4位では、
0.1145 → 0.0786
と少し差が開きました。
したがって今回の指数分布は、
ヘデントール ≒ アクアヴァーナル > ファミリータイム > ウエストナウ > ダノンシーマ
という形です。
前日のオパールSは1~4位が0.07~0.08台に密集する完全な混戦型でしたが、京都大賞典はそれより上位馬への評価がはっきりしています。
とはいえ1位でも勝率換算約15%。絶対的な軸という数字ではありません。
「上位評価は比較的明確だが、頭まで固定できるほどではない」
というのがAIの見立てでしょう。
AI1位 4番ヘデントール|春の天皇賞5着をどう評価するか
AIが最も高く評価したのは4番ヘデントール。
p_winは0.1497です。
昨年の天皇賞(春)を制した実績馬で、今年も同レースに出走して5着。勝ったクロワデュノールとは0.4秒差でした。京都3200mのGIで2年続けて高いパフォーマンスを見せている点は、今回の京都替わりを考える上でも無視できません。
一方、今年2月の京都記念では2番人気ながら8着。
11-11-11-11という後方からの競馬になり、上がり33秒6を使っても届きませんでした。
ここが今回のポイントでしょう。
ヘデントールには長距離GIを勝てるスタミナがありますが、京都大賞典は2400m。
3200mの天皇賞(春)ほどスタミナ一辺倒ではなく、京都外回りでの瞬発力やポジションも問われます。
さらに今回は5か月ぶり。
鉄砲成績は[1.0.0.1]なので、休み明けそのものを強く嫌う材料ではありません。
AIが1位にした背景としては、
- 京都でGI勝ち
- 長距離での高い基礎能力
- 今年の天皇賞(春)でも大崩れしていない
- 58kgでも能力比較では上位
といった部分が考えられます。
ただし、今回の指数で重要なのは「1位」という順位以上に0.1497という数字です。
アクアヴァーナルとの差はごくわずか。
ヘデントールを抜けた存在と判断するほどの指数差は出ていません。
AI2位 6番アクアヴァーナル|55kgで天皇賞(春)4着馬
2位は6番アクアヴァーナル。
p_winは0.1432。
1位ヘデントールとの差は0.0065しかありません。
馬柱を見ると、この評価の高さにはかなり納得できる材料があります。
今年の天皇賞(春)は4着。クロワデュノールから0.2秒差で、ヘデントールよりも先着しています。さらに阪神大賞典2着、万葉S1着と、長距離路線で安定した成績を残しています。
そして今回の斤量は55kg。
ヘデントールは58kgです。
同じ天皇賞(春)で、
- アクアヴァーナル 4着
- ヘデントール 5着
だった2頭が、今回は3kg差で走ります。
もちろん3200mと2400mでは条件が違うため単純比較はできませんが、馬柱だけを見るとアクアヴァーナルにはかなり魅力的な条件にも見えます。
さらに2025年の比叡Sでは今回と同じ京都芝2400mを経験し、ダノンシーマの2着。コース経験もあります。
気になるのは5か月ぶりであること。
鉄砲成績は[0.1.0.2]で、休み明けから常に走るタイプとは言い切れません。
それでも今回、AIは市場人気に近い形で高く評価しました。
能力・斤量・京都適性をバランスよく評価すると、ヘデントールとほぼ互角
という見立てなのでしょう。
AI3位 11番ファミリータイム|8番人気想定なら最も気になる存在
3位は11番ファミリータイム。
p_winは0.1145です。
今回の上位5頭の中で、AIと市場評価のズレが最も興味深いのがこの馬です。
馬柱掲載時点では8番人気。
ところがAIでは3位まで浮上しました。
近走だけを見ると、宝塚記念6着、阪神大賞典9着。
これだけなら目立つ存在ではありません。
しかし今年1月の日経新春杯では、京都芝2400mを逃げて2着。勝ったゲルチュタールとはタイム差なしでした。
ここは今回と完全に同じ京都芝2400mです。
しかも宝塚記念では18番人気ながら6着。
重馬場で勝ち馬から1.4秒差ではありますが、人気以上には走りました。
AIが3位まで引き上げたのは、
近走着順よりも京都2400mで示したパフォーマンスを高く評価している
可能性があります。
さらに鉄砲成績は[1.0.1.0]。
今回は3か月半ぶりですが、休み明け実績という点では悪くありません。
一方で課題もあります。
日経新春杯では55kgでしたが、今回は57kg。
また阪神大賞典では先行したものの9着まで失速しています。
能力の絶対値でヘデントールやアクアヴァーナルを上回るとまでは言いづらいでしょう。
それでも、
AI3位・p_win=0.1145に対して市場では中穴評価
という組み合わせは、今回の観察対象として面白いところです。
AI4位 1番ウエストナウ|2400mでは安定感あり
4位は1番ウエストナウ。
p_winは0.0786です。
上位3頭からは指数が一段下がります。
ただし馬柱を見ると、2400m前後の条件では安定しています。
今年5月の東京・メトロポリタンSでは芝2400mで1着。続く小倉記念は8着でしたが、その前の大阪―ハンブルクCでは芝2600mで2着しています。
特にメトロポリタンSでは5番手付近から上がり33秒7。
今回の京都外回りでも、前すぎず後ろすぎずという位置から末脚を使える形になれば面白そうです。
一方、これまで重賞では中山金杯11着、小倉記念8着と結果を残せていません。
つまり、
「2400m適性はありそうだが、GIIのメンバーでどこまで通用するか」
がテーマです。
AIもその点を反映したのか、上位3頭とは少し距離のある4位評価。
ここは順位そのものよりも、0.0786まで指数が落ちていることを見ておきたいです。
AI5位 18番ダノンシーマ|1番人気想定でもAIは5位
5位は18番ダノンシーマ。
p_winは0.0670。
馬柱掲載時点では1番人気ですが、AI評価は5番手です。
今回、一番分かりやすく「市場とAIがズレた馬」と言えるでしょう。
ただし馬柱だけを見れば人気になる理由ははっきりしています。
前走新潟記念は1番人気で3着、勝ったゾロアストロとはタイム差なし。春の目黒記念も3着で、こちらも勝ち馬とはタイム差なしでした。
さらに今年1月の白富士Sを1分57秒0、上がり32秒7で勝っています。
重賞ではあと一歩ながら、近走の安定性という意味では今回のメンバーでも上位です。
それでもAIは0.0670。
これは少し気になります。
ひとつ考えられるのは、今回の2400mに対する評価です。
目黒記念では2500mをこなしていますが3着。阪神大賞典でも3着でした。距離そのものに大きな不安はありませんが、2400m以上で「勝ち切る」という点ではまだ結果を出せていません。
一方で2000mの白富士Sでは勝利。
AIが勝率を予測している以上、
安定して好走する能力と、今回1着になる確率は別
という評価になった可能性があります。
もう一つは大外18番。
京都芝2400m外回りなので短距離ほど枠の影響を直接的に考える必要はありませんが、18頭立ての大外からどうポジションを取るかはポイントになります。
人気馬だから消すという話ではありません。
むしろ、
市場はダノンシーマの安定感を高く買い、AIは勝ち切る確率をそこまで高く見ていない
という評価差そのものを観察したい馬です。
天皇賞(春)組をAIが高く評価
今回の指数を見ると、ひとつ分かりやすい特徴があります。
AI1位ヘデントールと2位アクアヴァーナルは、どちらも今年の天皇賞(春)組です。
しかも、
| 馬名 | 天皇賞(春) | 今回斤量 | AI順位 |
|---|---|---|---|
| アクアヴァーナル | 4着 | 55kg | 2位 |
| ヘデントール | 5着 | 58kg | 1位 |
という関係です。
天皇賞(春)ではアクアヴァーナルが先着。
今回はアクアヴァーナルの方が3kg軽い。
それでもAIではヘデントールがわずかに上です。
この0.0065差がどこから生まれたのかは非常に興味深いところです。
ヘデントールには前年の天皇賞(春)勝ち、ダイヤモンドS勝ちという実績があります。
つまりモデルとしては、一戦単位の直接比較だけではなく、過去に示した能力まで含めてヘデントールを若干上に置いた可能性があります。
ただし、この差なら事実上「ほぼ互角」と見た方がよいでしょう。
昨年の京都大賞典好走馬にも注意
AI上位5頭以外にも、馬柱上は気になる馬がいます。
まず3番ディープモンスター。
昨年の京都大賞典勝ち馬です。今年は海外遠征を挟んでいますが、カタールのアミールトロフィーを勝ち、香港のチャンピオンズ&チャターCでも3着。京都芝2400mという条件だけなら無視しづらい存在です。
2番ヴェルテンベルクも昨年の京都大賞典7着から、今年の天皇賞(春)では2着まで浮上しています。京都3200mでクロワデュノールとタイム差なしという内容でした。
それでも両馬はAI上位5頭に入りませんでした。
特にディープモンスターは馬柱掲載時点3番人気。
市場が実績を評価する馬と、AI上位馬が完全には一致していません。
この辺りもレース後に見返したいポイントです。
逃げ・先行勢の存在がレースを左右するか
2400m戦だけに、1200mのような単純な前半3Fの速さだけでは展開を判断できません。
ただ、今回のメンバーには前へ行きたい馬が何頭かいます。
特に17番キングスコール。
目黒記念では大外14番から逃げ、5着ながら勝ち馬とは0.2秒差でした。直前の六社Sでは東京2400mを勝っています。
9番ミステリーウェイも逃げ・先行タイプ。
11番ファミリータイムも日経新春杯では逃げています。
一方でAI1、2位のヘデントールとアクアヴァーナルは、自らハナを主張するタイプではありません。
ある程度流れてくれた方が、スタミナの裏付けを持つ両馬には競馬をしやすい可能性があります。
逆に極端なスローになり、直線だけの瞬発力勝負になるなら、単純な長距離実績だけでは評価しにくくなります。
京都芝2400m外回りは、能力だけでなく「どの位置から最後の坂の下りを迎えるか」も重要になりそうです。
今回は上位3頭と4位以下の差にも注目したい
前日のオパールSでは、AI1~4位がほぼ横並びでした。
今回の京都大賞典は少し違います。
上位3頭を合計すると、
0.1497+0.1432+0.1145=0.4074
です。
AIは3頭だけで約40.7%の勝率を割り当てています。
18頭立てであることを考えると、一定の集中があります。
一方、3位ファミリータイムから4位ウエストナウでは約3.6ポイント差。
そのため今回は、
「AI1位だけを見るレース」というより、上位3頭グループがどこまで機能するかを見るレース
として観察したいです。
特に面白いのが、
- AI1位ヘデントール:5番人気
- AI2位アクアヴァーナル:2番人気
- AI3位ファミリータイム:8番人気
- AI5位ダノンシーマ:1番人気
という市場とのズレです。
AIが正しければ、ダノンシーマよりファミリータイムの方が「勝つ」という観点では高く評価されています。
反対に市場が正しければ、AIはダノンシーマの近走安定性を過小評価していることになります。
どちらになるのか。
レース後の検証材料として非常に分かりやすい構図です。
今回の観察ポイント
今回、結果と照らし合わせたいのは次の4点です。
- ヘデントールとアクアヴァーナルの「天皇賞(春)組」評価は正しかったか
- AI3位ファミリータイムの京都2400m適性が再び表れるか
- AI5位ダノンシーマは市場評価ほど勝ち切る力を示せるか
- 昨年勝ち馬ディープモンスターなど、AI圏外の実績馬が巻き返すか
特にファミリータイムとダノンシーマの比較は興味深いです。
「人気薄をAIが拾った」というだけではなく、なぜ市場とAIが違う順番になったのかまで結果から考えたいところです。
まとめ
2026年京都大賞典の競馬AI指数1位は、4番ヘデントールのp_win=0.1497でした。
ただし2位アクアヴァーナルが0.1432と僅差。
3位ファミリータイムも0.1145で続きます。
今回の指数から見える構図は、
ヘデントールとアクアヴァーナルがほぼ互角、その後ろにファミリータイム
です。
特にヘデントールとアクアヴァーナルは、今年の天皇賞(春)で5着、4着。
今回もAIがその2頭をそのまま最上位に評価しました。
一方、市場1番人気のダノンシーマはAI5位。
近走の安定感では申し分ありませんが、AIは「今回勝つ確率」という観点では上位3頭ほど高く見ていません。
そして最も気になるのがAI3位ファミリータイム。
京都芝2400mの日経新春杯でタイム差なしの2着がありながら、馬柱掲載時点では8番人気です。
前日のオパールSでは市場とAIのズレが市場側に軍配という結果になりました。
だからといって今回も市場が正しいとは限りませんし、逆に「AIが人気薄を高評価しているから面白い」と単純化することもできません。
重要なのは、どの特徴がAIと市場の評価差を生んでいるのかを確認し、その仮説を結果で検証することです。
京都大賞典では、天皇賞(春)の実績、京都2400m適性、近走の安定性。
この3つをAIと市場がどのように評価していたのか。
レース後に改めて見返したい一戦です。



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