2026年9月13日の阪神11RはローズS。
秋の3歳牝馬戦線へ向けた一戦ですが、今回の競馬AI指数はなかなか興味深い結果になりました。
指数1位はナムラコスモス。ここまでは普通なのですが、現時点では単勝40倍台の11番人気です。
さらに2位アンディムジークは100倍を超える12番人気。一方、単勝2倍台の1番人気モンローウォーク、2番人気イクシード、3番人気エンネはいずれもAI上位5頭に入っていません。
つまり今回は、かなりはっきりと**「市場人気とAI評価が食い違っているレース」**になりました。
AIは何を見てナムラコスモスやアンディムジークを上位に置いたのか。そして、無傷の3連勝で1番人気となっているモンローウォークをなぜ上位評価していないのか。
馬柱と照らし合わせながら考えてみます。
ローズSのAI指数
今回の上位5頭は以下の通りです。
| AI順位 | 馬番 | 馬名 | p_win | 現時点の人気・オッズ |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 9 | ナムラコスモス | 15.99% | 11人気・40.9倍 |
| 2 | 4 | アンディムジーク | 11.88% | 12人気・124.8倍 |
| 3 | 12 | タイセイボーグ | 10.39% | 4人気・7.7倍 |
| 4 | 10 | スウィートハピネス | 9.74% | 7人気・20.7倍 |
| 5 | 3 | スマートプリエール | 9.64% | 8人気・26.5倍 |
まず目につくのは1位ナムラコスモスの15.99%です。
2位アンディムジークが11.88%なので、今回は前日のチャレンジCのような「上位がほぼ横一線」という形ではありません。
AIとしては、ナムラコスモスを一段上に置いています。
さらに面白いのが市場人気との比較です。
単純にp_winの逆数を「AI上の理論オッズ」として参考程度に並べると、
| 馬名 | p_win | 単純逆数 | 現時点オッズ |
|---|---|---|---|
| ナムラコスモス | 15.99% | 約6.3倍 | 40.9倍 |
| アンディムジーク | 11.88% | 約8.4倍 | 124.8倍 |
| タイセイボーグ | 10.39% | 約9.6倍 | 7.7倍 |
| スウィートハピネス | 9.74% | 約10.3倍 | 20.7倍 |
| スマートプリエール | 9.64% | 約10.4倍 | 26.5倍 |
となります。
もちろん、p_winが実際の勝率として完全に校正されているとは限らないので、この数字をそのまま期待値として扱うことはできません。
それでも、どの馬について市場とAIの評価が大きくズレているかを見るには分かりやすい比較です。
今回は9番ナムラコスモスと4番アンディムジークの乖離がかなり大きくなっています。
AI1位ナムラコスモスは「前走15着」で人気を落としている
AI1位は9番ナムラコスモス。
p_win=15.99%。
現時点では11番人気、単勝40.9倍です。
馬柱だけを見ると、これほど人気がない理由は比較的分かりやすいです。
前走の中京記念で15着。
3番人気に支持されながら1.6秒差で大敗しています。
直近の成績を重視する人からすれば、積極的には買いにくい馬でしょう。
しかし、その一戦だけを外して春まで遡ると印象はかなり変わります。
チューリップ賞ではタイセイボーグとタイム差なしの2着。
続く桜花賞でも6着でしたが、勝ち馬スターアニスとは0.6秒差でした。
しかもチューリップ賞も桜花賞も今回と同じ阪神の外回りコースです。
つまり、
- チューリップ賞2着
- 桜花賞6着
- 阪神外回りで重賞級相手に好走
- 前走だけ大きく崩れた
という馬になります。
AIがこの馬を1位に置いた理由として考えやすいのは、**「直近1戦の大敗よりも、それ以前に積み上げた重賞実績を強く評価している」**ことです。
特にチューリップ賞は、今回AI3位のタイセイボーグと同タイム。
そのタイセイボーグが7.7倍なのに対して、ナムラコスモスは40.9倍。
この差はかなり大きく感じます。
一方で、今回は1800mです。
ナムラコスモスはこれまで1600mが中心で、1800mへの距離延長は確認しておきたいポイント。
また、中京記念15着を単純な凡走として無視していいわけでもありません。
今回のAI1位は「安心して信用できる本命」というより、
前走大敗によって市場から大きく評価を落とした馬を、AIが拾い直している
という位置付けで見る方が面白そうです。
AI2位アンディムジーク、124倍はさすがに人気がなさすぎる?
2位はアンディムジーク。
p_win=11.88%。
現時点では12番人気、単勝124.8倍です。
今回もっとも市場とAIが食い違っているのは、この馬でしょう。
100倍を超える馬をAIが2位に置いています。
ただし、馬柱を見ると完全な材料不足というわけではありません。
前走は札幌芝2000mの1勝クラスを勝利。
8番手前後から運び、最後まで伸びてエイカイコバチと同タイムで先着しています。
さらに春のチューリップ賞では14番人気ながら8着。
着順だけなら目立ちませんが、勝ったタイセイボーグとの差は0.4秒でした。
そのときは、
タイセイボーグ 1着
ナムラコスモス 2着
スマートプリエール 6着
アンディムジーク 8着
という結果です。
今回のAI上位5頭のうち4頭が、このチューリップ賞に出走していました。
ここは今回の指数を考えるうえでかなり興味深いところです。
AIはどうやら、春の阪神で行われたこの一戦をかなり評価しているように見えます。
アンディムジーク自身はその後大きな重賞実績を残したわけではありませんが、夏を越して2000mの1勝クラスを勝利。
少なくとも春の8着時点から能力が止まっているとは限りません。
一方で、今回は1勝クラスから一気にGII。
前走も僅差の勝利です。
そのためAI2位をそのまま能力順位2位と受け取るのは危険でしょう。
むしろ、
「124倍になるほど能力差があるのか?」
という問いを投げかけている馬と考えた方がよさそうです。
今回のような馬を継続的に追うことは、AI指数を使う目的にも合っています。
AI3位タイセイボーグは最も分かりやすい上位候補
3位は12番タイセイボーグ。
p_win=10.39%。
4番人気、7.7倍です。
上位5頭の中では、AI評価と市場評価がもっとも一致している馬です。
チューリップ賞1着。
阪神JF3着。
さらに新潟2歳S2着、アルテミスS3着と、デビュー以来重賞で安定した実績を残しています。
特に阪神で、
阪神JF 3着
チューリップ賞 1着
という成績は今回のメンバーでも目立ちます。
ナムラコスモスをチューリップ賞で抑えているため、過去の直接対決だけならこちらを上に取りたくなるところでしょう。
問題は6か月半の休養です。
今回は春のチューリップ賞以来。
桜花賞もオークスも使わず、かなり間隔を空けてきました。
馬柱上では鉄砲実績もまだありません。
実績だけなら上位ですが、今回どこまで仕上がっているのかは過去成績だけでは判断しきれません。
それでも、
「重賞実績」
「阪神実績」
「AI上位」
「市場からも一定の支持」
という4点が揃っています。
AI1位、2位がかなり尖った評価なので、今回もっとも素直に理解しやすいAI上位馬はタイセイボーグだと思います。
AI4位スウィートハピネスはオークス5着をどう見るか
4位はスウィートハピネス。
p_win=9.74%。
7番人気、20.7倍です。
この馬も現在の人気だけを見ると、少し評価が低いように感じます。
前走オークスは5着。
しかも勝ち馬ジュウリョクピエロとの差はわずか0.1秒でした。
3着以下はかなり接戦だったとはいえ、GIの2400mでここまで走れたことは一定の評価材料になります。
それ以前にも、
阪神JF 4着
エルフィンS 1着
桜花賞 13着
オークス 5着
という成績。
桜花賞では崩れましたが、阪神JF4着があります。
今回は2400mから1800mへ一気に短縮。
オークスでは3~6番手付近で立ち回っており、極端な追い込み一辺倒ではありません。
阪神外回り1800mであれば、オークスほどスタミナを要求されることもなく、阪神JFで見せたスピードを使いやすくなる可能性があります。
AIは9.74%。
3位タイセイボーグ10.39%との差は0.65ポイントしかありません。
したがって順位上は4位でも、実質的にはタイセイボーグと近い評価です。
20倍前後のオッズまで考えると、今回の上位5頭の中でもかなり興味深い存在です。
AI5位スマートプリエールは1800mへの条件替わりが分かりやすい
5位は3番スマートプリエール。
p_win=9.64%。
8番人気、26.5倍です。
この馬については今回の1800mという条件が非常に分かりやすいです。
春のフラワーCを中山芝1800mで勝利。
一方、前走オークスでは15着と大敗しました。
2400mへの距離延長で結果を落とし、今回は得意実績のある1800mへ戻ります。
しかもチューリップ賞では6着ながら勝ち馬タイセイボーグから0.3秒差。
桜花賞には向かわずフラワーCを勝ってオークスへ進んだため、春の実績だけ見ても今回の人気ほど大きく劣る馬ではありません。
整理すると、
| 条件 | 成績 |
|---|---|
| 阪神芝1600m・チューリップ賞 | 6着・0.3秒差 |
| 中山芝1800m・フラワーC | 1着 |
| 東京芝2400m・オークス | 15着 |
| 今回 | 阪神芝1800m |
となります。
前走の15着だけを見れば評価しづらいものの、今回の距離短縮には明確なプラス材料があります。
そしてAI4位スウィートハピネス9.74%に対して、スマートプリエールは9.64%。
ほぼ同評価です。
AI順位5位だから一段落ちるというより、3~5位は同じグループとして見る方が自然でしょう。
1番人気モンローウォークをAIは上位5頭に入れなかった
今回もっとも注目したいのは、むしろAI上位に入らなかった馬です。
1番人気は7番モンローウォーク。
現時点で2.3倍です。
成績は3戦3勝。
新馬戦を勝ち、函館の1勝クラス、2勝クラスを連勝してきました。
前走かもめ島特別では2着アストリルに0.6秒差。
ここまで一度も負けていません。
人間が馬柱を見るなら、当然かなり魅力的な馬です。
ところがAI上位5頭には入りませんでした。
この評価差は非常に興味深いです。
モンローウォークがこれまで戦ってきたのは新馬、1勝クラス、2勝クラス。
今回初めて重賞へ挑戦します。
一方、AI上位には、
ナムラコスモス チューリップ賞2着・桜花賞6着
タイセイボーグ チューリップ賞1着・阪神JF3着
スウィートハピネス 阪神JF4着・オークス5着
スマートプリエール フラワーC1着
と、すでに重賞で結果を残している馬が並びました。
つまりAIは、
「無敗という見栄え」より「すでに重賞でどこまで走ったか」を重く評価している
ように見えます。
もちろんモンローウォークが弱いという話ではありません。
3戦すべて勝利し、前走は0.6秒差。
まだ底を見せていないこと自体が最大の魅力です。
むしろ今回問われるのは、
「2勝クラスを強く勝った上がり馬」と
「春の重賞で好走してきた馬」
のどちらを評価するのか。
これは今回のローズSにおける大きなテーマになりそうです。
イクシードとエンネもAI上位外。人気馬をかなり疑っている
市場人気とのズレはモンローウォークだけではありません。
2番人気イクシードもAI上位5頭外。
3番人気エンネもAI上位5頭外です。
イクシードはフラワーC3着。
そのフラワーCを勝ったスマートプリエールがAI5位に入っているため、直接対決を考えればAIがスマートプリエールを上に置くこと自体は理解できます。
その後イクシードはカーネーションCを勝利していますが、スマートプリエールは26.5倍、イクシードは4.9倍。
ここにも市場との大きな差があります。
エンネはフローラS2着、オークス7着。
オークスでは勝ち馬と0.3秒差なので、決して大きく負けてはいません。
上がり33秒1と末脚も目立っています。
それでもAI上位には入りませんでした。
今回の市場上位を見ると、
1番人気 モンローウォーク
2番人気 イクシード
3番人気 エンネ
4番人気 タイセイボーグ
ですが、AI上位5頭との共通馬はタイセイボーグだけです。
これほど人気とAIがズレるレースは、指数を観察する立場からするとかなり面白いです。
今回は「春の実績馬vs夏の上がり馬」という構図にも見える
今回のAI評価を眺めていると、ひとつの構図が見えてきます。
AIが評価したのは、春の重賞で能力を見せている馬です。
一方、市場が高く評価しているのは、夏までに条件戦を勝ち上がってきた馬も含まれています。
大まかに分けるとこうなります。
| 春の重賞実績型 | 夏の上昇型 |
|---|---|
| ナムラコスモス | モンローウォーク |
| タイセイボーグ | アンディムジーク |
| スウィートハピネス | ファストフォワード |
| スマートプリエール | ミリタリータトゥー |
| エンネ | |
| イクシード |
もちろん完全に二分できるわけではありません。
それでも、秋の3歳重賞では毎年のように、
「春の実績馬がそのまま強いのか」
「夏に力をつけた馬が逆転するのか」
という問題が出てきます。
今回AIが1位ナムラコスモス、3位タイセイボーグ、4位スウィートハピネス、5位スマートプリエールとしたことを見ると、少なくともモデルは春の重賞で確認された能力を簡単には捨てていないようです。
その中に夏の1勝クラス勝ちアンディムジークが2位として割って入っているのが、今回の指数で最も不思議な部分でもあります。
阪神外回り実績を考えるとナムラコスモスとタイセイボーグは無視しにくい
今回の舞台は阪神芝1800m外回り。
直線が長く、最後にしっかり脚を使えるかが重要になります。
AI上位馬には阪神外回りでの実績馬が多くいます。
ナムラコスモスはチューリップ賞2着、桜花賞6着。
タイセイボーグは阪神JF3着、チューリップ賞1着。
スマートプリエールもチューリップ賞6着。
スウィートハピネスは阪神JF4着。
今回のAI上位馬が単に着順だけで選ばれているのではなく、阪神外回りの重賞で実際に走った経験が揃っているのは気になるところです。
その意味では、ナムラコスモスの前走中京記念15着をどう解釈するかが最大のポイントでしょう。
本当に能力が落ちてしまったのか。
古馬混合重賞での一度の大敗だったのか。
阪神へ戻ることで春のパフォーマンスに近づけるのか。
11番人気まで落ちているだけに、結果によってAIの評価方法を検証しやすい一頭になりました。
今回のAI指数で特に観察したい3つのポイント
今回のローズSは、単純に「AI1位が勝つか」だけを見るより、次の3点を観察した方が今後につながりそうです。
まず一つ目は、前走大敗馬をAIが拾い直せるかです。
ナムラコスモスは中京記念15着からの巻き返し。
スマートプリエールもオークス15着からの距離短縮です。
直近着順に引っ張られず、それ以前の能力を適切に評価できているなら、こうした馬こそAIの強みが出る可能性があります。
二つ目は、条件戦連勝馬の上昇度をAIが過小評価していないか。
代表格はモンローウォークです。
もしここでも圧勝するようなら、現在のモデルでは「格」や過去の重賞実績を重視しすぎて、急成長する3歳馬を拾いきれていない可能性があります。
逆に重賞実績馬が上位を占めれば、AIの評価には一定の妥当性があったことになります。
三つ目は、極端な穴評価の再現性です。
アンディムジークはAI2位で124倍。
これは当たれば派手ですが、一度の好走だけではモデルの有効性を証明できません。
今回だけでなく、
「AI上位・市場では二桁人気」
という馬を継続的に記録し、長期的に回収率や複勝率を確認する必要があります。
このカテゴリーは今後の研究材料としてかなり面白そうです。
まとめ
2026年ローズSの競馬AI指数は、かなり市場人気と異なる結果になりました。
AI1位はナムラコスモス、p_win=15.99%。
現時点では11番人気40.9倍です。
2位アンディムジークはさらに極端で、p_win=11.88%に対して12番人気124.8倍。
一方で1番人気モンローウォーク、2番人気イクシード、3番人気エンネはいずれもAI上位5頭に入りませんでした。
今回の指数から見えてくるのは、AIが「現在の人気」や「無敗」という見栄えより、春の重賞で実際に示したパフォーマンスを強く評価している可能性です。
ナムラコスモスはチューリップ賞2着、桜花賞6着。
タイセイボーグはチューリップ賞1着、阪神JF3着。
スウィートハピネスは阪神JF4着、オークス5着。
スマートプリエールはフラワーC1着。
特にナムラコスモスは、前走中京記念15着によって人気を大きく落としていますが、春には今回AI3位のタイセイボーグと互角の競馬をしています。
AIが前走の大敗をノイズとして扱い、春の能力を正しく拾えているのか。
それとも距離延長や近況を十分反映できず、過去実績を引きずっているだけなのか。
ここはレース後に必ず振り返りたいところです。
そして1番人気モンローウォーク。
3戦3勝、前走0.6秒差という内容から市場が評価する理由は明確です。
もしこの馬が重賞でもあっさり通用すれば、「条件戦を急速に勝ち上がる3歳馬の成長」をモデルが十分に捉えられていない可能性があります。
逆にAI上位の春の実績馬が巻き返せば、直近成績や連勝の勢いに引っ張られすぎない指数の強みが見えてきます。
今回のローズSは、
春の実績を重視するAIと、夏の成長力も評価する市場のどちらが正しかったのか。
その比較という意味でも、結果を楽しみに観察したいレースです。




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