2026年9月6日の阪神11R・セントウルSを、競馬AIの指数と馬柱から考えていきます。
今回のAI指数を見ると、かなり面白い結果になりました。
1位はプロトポロスで、推定勝率は20.30%。2位ダイヤモンドノットの13.74%に6ポイント以上の差をつけています。一方、馬柱上の人気を見るとプロトポロスは110.8倍の16番人気想定。AIと市場評価が真っ二つに割れました。プロトポロスは前走CBC賞で17番人気ながら4着まで走っており、AIはこの内容をかなり高く評価している可能性があります。
さらに3位ビッグシーザーは8番人気、4位クラスペディアは13番人気想定。反対に、1番人気想定フリッカージャブ、2番人気想定ファストネットワークはAI上位5頭に入っていません。
前日の京成杯AHではAI1位でも勝率9.50%とかなり横並びでしたが、今回は20%を超える馬が1頭います。
ただし、その1頭が大穴です。
「AIが市場より先に穴馬を見つけている」のか、それとも「モデルがCBC賞4着を評価しすぎている」のか。
セントウルSは、今後のAI改善という意味でも興味深い一戦になりそうです。
セントウルSのAI指数
今回の上位5頭は以下の通りです。
| AI順位 | 馬番 | 馬名 | p_win | 馬柱掲載人気 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 6 | プロトポロス | 20.30% | 16人気 |
| 2 | 5 | ダイヤモンドノット | 13.74% | 4人気 |
| 3 | 15 | ビッグシーザー | 7.75% | 8人気 |
| 4 | 2 | クラスペディア | 7.33% | 13人気 |
| 5 | 9 | ピューロマジック | 6.73% | 3人気 |
上位5頭だけで勝率は55.85%。
その中でもプロトポロスとダイヤモンドノットの2頭で34.04%を占めています。
今回まず目につくのは、単純な「人気馬ランキング」になっていないことです。
馬柱ではフリッカージャブが3.3倍の1番人気想定。前走北九州記念を勝ち、その前の鞍馬Sも勝利しているため、人気になるのも自然です。
2番人気想定は香港から参戦するファストネットワーク、3番人気想定がピューロマジック。そしてダイヤモンドノットが4番人気となっています。
ところがAIでは、フリッカージャブとファストネットワークが上位5頭から消え、16番人気想定プロトポロスと13番人気想定クラスペディアが入ってきました。
つまり今回は、かなり明確に**「市場とAIで見えている景色が違うレース」**です。
AI1位プロトポロスは本当に110倍級の馬なのか
今回最大の注目は、やはりプロトポロスです。
p_winは20.30%。
単純に確率だけを読むなら約5回に1回勝つ計算で、AIの中では明確な1位です。
ところが馬柱掲載オッズは110.8倍、16番人気想定。
ここまで差があると、さすがに「AIが穴馬を見つけた」で終わらせず、なぜこうなったのかを確認する必要があります。
近走を見ると、
- CBC賞 4着
- 北九州記念 12着
- オアシスS 15着
- コーラルS 11着
- コールドムーンS 15着
となっています。
これだけを見ると16番人気想定になる理由も理解できます。
ただし、重要なのが前走CBC賞です。
17番人気という低評価ながら、芝1200mを1分06秒9で4着。勝ったフロムダスクとの差は0.4秒で、上がりは33秒1でした。ダート路線で大敗が続いていた馬が芝へ戻って一変しています。
おそらく今回の評価を考えるうえでは、「近5走で4、12、15、11、15着」という表面的な着順より、このCBC賞の中身をどう扱うかが重要です。
AIはそこにかなり強く反応したように見えます。
人間側から見ても、まったく根拠のない大穴ではありません。
ただし注意したいのは斤量です。
CBC賞では53kgでしたが、今回は57kg。
4kg増えます。
さらに前走は中京、今回は阪神。前走だけを切り取って「重賞4着だから今回も」と評価するのは危険です。
したがってプロトポロスについては、
AI指数だけなら文句なしの1位。しかし馬柱まで合わせると、20.30%をそのまま信用してよいかは慎重に考えたい馬
という位置づけにしておきます。
ただ、仮に最終的にも大幅な人気薄のままであれば、AIと市場のズレを検証するという意味では今回最も面白い1頭です。
AI2位ダイヤモンドノットは上位の中で最も素直に買いやすい
2位はダイヤモンドノット。
p_winは13.74%です。
こちらはプロトポロスとは違い、馬柱を見ても評価しやすい馬です。
3歳馬で55kg。
今年はファルコンSを1分19秒8で勝利し、続くNHKマイルCでも5着。昨年の朝日杯FSでも2着に入っています。
能力そのものは重賞級と言ってよさそうです。
一方で今回のポイントは1200mへの距離短縮。
今回提供された近走馬柱では1400~1600m戦が中心で、1200mでの近走実績は確認できません。
ファルコンSを勝っているためスピード不足という印象はありませんが、1200mになると前半から求められる追走速度は変わります。
しかも今回はピューロマジック、フリッカージャブ、クラスペディアなど前へ行ける馬も揃っています。
楽に先団へ取りつけるのか。
あるいは1200mの流れに乗るために前半で脚を使ってしまうのか。
ここは未知数です。
それでも55kg、川田騎手、GⅠ・GⅢでの実績まで含めると、AI上位5頭の中では最も指数と馬柱の評価が噛み合っている馬に見えます。
プロトポロスを「AIだから買う穴馬」とするなら、ダイヤモンドノットはもう少しオーソドックスな軸候補です。
AI3位ビッグシーザーは人気とのバランスが面白い
3位ビッグシーザーはp_win7.75%。
馬柱では20.7倍の8番人気想定です。
前走アイビスSDでは4着。
勝ったピューロマジックから0.7秒差でしたが、1000mの特殊な条件から1200mへ戻る今回は評価を見直す余地があります。
今年は高松宮記念11着、オーシャンS9着、シルクロードS12着と着順だけなら強調しづらいものの、いずれも重賞です。
今回のAIが面白いのは、前走で完勝したピューロマジックよりビッグシーザーを上に置いたことです。
アイビスSDだけを見れば、
ピューロマジック1着
ビッグシーザー4着
です。
それでも1200mに条件が変わる今回は、
ビッグシーザー7.75%
ピューロマジック6.73%
と逆転しています。
これは「前走着順=今回の能力順」ではないことを表したランキングとも言えます。
8番人気程度まで人気が落ちるのであれば、上位の中ではオッズとのバランスも興味深い存在です。
AI4位クラスペディアはもう1頭の大穴候補
4位はクラスペディア。
p_win7.33%で、馬柱では57.0倍の13番人気想定です。
こちらもプロトポロスほどではありませんが、大きな人気との乖離があります。
前走CBC賞は11着。
これだけなら買いづらいですが、今年4月の春雷Sを中山芝1200m1分07秒6で勝利しています。
このときは2番手から進み、直線で押し切り。
さらに昨年の京阪杯では11着だったものの、オパールSでは3着があります。1200mのオープン・重賞路線で戦える材料自体は持っています。
問題は前走CBC賞。
2番手から運びながら最後は0.7秒差まで失速しました。
今回も逃げ・先行タイプが複数いるため、同じように前半から脚を使う形になれば苦しくなります。
ただ、57倍級まで評価が下がるのであれば話は別です。
勝率7.33%という数字を額面通りに受け取るなら、単純な人気との比較ではかなり大きなギャップがあります。
もちろんAIの確率そのものが正しいことが前提なので、「期待値がある」と断定することはできません。
それでも今回、
AIが市場より高く評価している馬を探す
という観点なら、プロトポロスと並んで注目したい存在です。
AI5位ピューロマジックは実績の割に指数が伸びなかった
5位はピューロマジック。
p_winは6.73%。
ここまでの4頭とは逆で、市場から高く評価されている馬をAIが少し慎重に見ています。
近2走は非常に強い内容です。
函館SSでは1番手から1分07秒4で押し切り。
続くアイビスSDでは0分53秒5で勝利し、2着ロードトレイルに0.5秒差をつけました。
実績だけを並べれば、むしろAI1位でも不思議ではないように見えます。
ところが指数は5位。
ここは今回の予想で重要なポイントだと思います。
ひとつ考えられるのは展開です。
ピューロマジックの強みは何と言ってもスピード。
ただし今回は北九州記念を先行して勝ったフリッカージャブ、前へ行くクラスペディア、ダイヤモンドノットなどもいます。
ピューロマジックが自分の形を取ったとしても、前半から簡単には息を入れられない可能性があります。
また、アイビスSDでの圧勝は強烈でしたが、直線1000mと1200mでは要求される内容も違います。
AIがなぜ6.73%にとどめたかは指数だけから断定できませんが、少なくともモデルは「前走圧勝だから今回も最上位」とは判断していません。
馬券を考えるうえでは、この市場との評価差をどう見るかがポイントになりそうです。
人気上位フリッカージャブをAIが上位5頭に入れなかった
今回もうひとつ気になるのがフリッカージャブです。
馬柱では3.3倍の1番人気想定。
北九州記念、鞍馬Sを連勝しています。特に鞍馬Sは芝1200mを1分06秒4。近走成績だけを見れば人気になるのも当然です。
しかしAI上位5頭には入りませんでした。
今回提示されたデータでは6位以下のp_winが分からないため、どこまで低く評価しているのかまでは判断できません。
それでも少なくとも、
「1番人気想定=AIも最有力」
ではありません。
前日の京成杯AHではAIが人気馬をかなり嫌い、結果も人気薄決着になったものの、AIが選んだ穴馬そのものは走りませんでした。
その反省を踏まえるなら、今回も「人気馬がAI上位にいないから消し」と短絡的に判断するのは避けたいところです。
重要なのは、AIと市場がズレた理由をレース後に検証できる形で残しておくことだと思います。
今回は「プロトポロス20.3%」をどう扱うかが最大のテーマ
今回の指数を見たとき、一番考えたいのは順位よりも数字そのものです。
プロトポロス20.30%
ダイヤモンドノット13.74%
ビッグシーザー7.75%
クラスペディア7.33%
ピューロマジック6.73%
1位と5位では約3倍違います。
昨日の京成杯AHは、
1位9.50%
2位9.09%
3位8.34%
というほぼ横並びでした。
そのため「1位だから」という理由でクルゼイロドスルを強く買うべきではないレースでした。
今回は違います。
AI自身は明確にプロトポロスを抜けた1位として出しています。
だからこそ、このレースは検証価値があります。
もしプロトポロスが上位へ来れば、
「前走CBC賞で見せたパフォーマンスを市場以上に評価した」
という仮説を掘り下げられます。
反対に大敗した場合は、
- CBC賞53kg→今回57kgの影響
- 直近1走の好走を重く拾いすぎていないか
- ダート大敗以前の能力値が残りすぎていないか
- 低人気馬の勝率を過大評価していないか
といったモデル側の確認が必要になります。
AI予想を続けるうえでは、こうした極端な乖離こそ重要なサンプルです。
馬柱まで合わせた評価
指数だけでなく馬柱を合わせると、個人的には次のように整理します。
| 馬名 | AI評価 | 馬柱から見たポイント | 注目点 |
|---|---|---|---|
| プロトポロス | 1位・20.30% | CBC賞17人気4着 | AIと市場の最大乖離 |
| ダイヤモンドノット | 2位・13.74% | ファルコンS勝ち、NHKマイルC5着 | 1200mへの対応 |
| ビッグシーザー | 3位・7.75% | 重賞経験豊富、アイビスSD4着 | 人気落ちなら面白い |
| クラスペディア | 4位・7.33% | 春雷S勝ち | 展開次第の大穴 |
| ピューロマジック | 5位・6.73% | 函館SS、アイビスSD連勝 | 市場ほどAIは評価せず |
この中で「指数と馬柱の両方から最も分かりやすい」のはダイヤモンドノット。
「指数とオッズの乖離で最も面白い」のはプロトポロス。
「人気とのバランスまで含めて気になる」のはビッグシーザー。
「もう一段深い穴候補」がクラスペディア。
そして「実績は最上位クラスだがAI評価は意外と低い」のがピューロマジック。
今回は上位5頭の中でも役割がかなり違います。
単純に1位から順番に買うより、その違いを意識して見ておきたいレースです。
展開では前に行く馬が多いことが気になる
馬柱を見ると、前へ行きたい馬が少なくありません。
フリッカージャブはこれまで逃げ・先行で結果を残しており、ピューロマジックも函館SSでは1-1。クラスペディアも春雷Sでは2-1でした。ダイヤモンドノットも朝日杯FSでは逃げています。
誰か1頭が単独で楽に逃げるというより、スタート後からある程度ポジション争いが発生する可能性を考えておきたいところです。
そう考えると面白いのがプロトポロスとビッグシーザー。
プロトポロスはCBC賞で12-12から上がり33秒1。
ビッグシーザーも近走では以前ほど前へ行かず、差す形を取っています。
前が想定以上に速くなれば、AI上位の中でもこうした馬に展開が向く可能性があります。
一方で、開幕週の阪神で前が簡単に止まらなければ、ピューロマジックやフリッカージャブのスピードがそのまま生きることも考えられます。
この辺りは当日の馬場も確認したいところです。
現時点での注目順位
今回については、AI指数をそのまま印へ変換するより、少し分けて考えたいです。
AI本命:プロトポロス
20.30%という突出した指数を無視する理由はありません。前走CBC賞4着という根拠もあります。ただし53kgから57kgになるため、「AI1位だから絶対的な軸」とまでは考えません。
安定候補:ダイヤモンドノット
指数2位。重賞勝ちとGⅠ5着があり、55kg。1200mへの適応さえできれば能力面では上位です。
穴候補:ビッグシーザー
指数3位ながら8番人気想定。ピューロマジックとの前走着差だけで人気を落とすなら、1200mへ戻る今回は見直したいところです。
大穴候補:クラスペディア
指数4位で13番人気想定。春雷S勝ちの1200m実績があり、指数とのギャップは大きめです。
人気側の評価確認:ピューロマジック
近2走連勝は文句なし。ただしAIは5位。ここを「AIが間違っている」のか「人気ほど勝ち切りやすくない」のか、レース後に確認したいです。
今回のセントウルSは、的中だけでなくAIが極端な人気薄を1位にしたとき、その評価はどこまで信用できるのかを検証するには非常に良いレースだと思います。
まとめ
2026年のセントウルSで、競馬AIが1位に選んだのはプロトポロスでした。
p_winは20.30%。
2位ダイヤモンドノット13.74%に明確な差をつけています。
しかし馬柱ではプロトポロスは16番人気想定。前走CBC賞17番人気4着という好走こそありますが、今回は53kgから57kgへ増量します。AI評価をそのまま信用してよいのか、今回最大の検証ポイントです。
2位ダイヤモンドノットはファルコンS勝ち、NHKマイルC5着という実績があり、上位5頭では馬柱との整合性が最も取りやすい存在。ただし近走馬柱では1200m実績が確認できないため、距離短縮への対応が鍵になります。
3位ビッグシーザーは8番人気想定で、人気とのバランスが魅力。
4位クラスペディアは春雷S勝ちがありながら13番人気想定で、もう1頭の大穴候補です。
そして函館SS、アイビスSDを連勝しているピューロマジックは意外にも5位。
さらに1番人気想定フリッカージャブもAI上位5頭には入りませんでした。
今回は、
市場は近走の勝ち馬を評価し、AIは別のところに勝機を見ている。
そんな構図になっています。
前日の京成杯AHではAIが穴馬を上位に並べながら、実際に走った穴馬を捉えることはできませんでした。
だからこそ今回も「AIが穴馬を発見した」と先に結論を出すのではなく、プロトポロス20.30%という強いシグナルが本当に意味を持つのかを観察したいと思います。
当たれば、なぜ市場より先に評価できたのか。
外れれば、なぜ20%まで高く評価してしまったのか。
どちらに転んでも、モデルを一段理解するための材料になりそうなセントウルSです。



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