競馬の馬券には、それぞれ異なる払戻率が設定されています。
単勝。
複勝。
馬連。
ワイド。
三連複。
三連単。
普段はオッズばかり見ていますが、馬券を長く買うなら「控除率」もかなり重要な数字です。
そこでJRAの払戻率を眺めていて、一つ気になることがありました。
単勝と複勝だけ、同じ80%になっています。
単勝は1着を当てる馬券。
複勝は選んだ馬が3着以内に入れば的中する馬券です。出走頭数が7頭以下の場合は2着以内となります。
当然、複勝の方が当たりやすいです。
それなのに、なぜ控除率は同じなのでしょうか。
「複勝は簡単だから、もっと控除されてもおかしくないのでは?」
逆に、
「三連単の方が難しいのに、なぜ三連単の方が控除率まで高いの?」
という疑問も出てきます。
今回は、馬券の難易度と控除率の関係について考えてみます。
- まずJRAの馬券別払戻率を確認する
- そもそも控除率は「当てる難しさ」に対して掛かっているわけではない
- 複勝が当たりやすい分は「オッズの低さ」に反映される
- 競馬はブックメーカー方式ではなくパリミュチュエル方式
- 複勝は「80%を3頭が山分け」するイメージに近い
- 単勝と複勝はどちらも「1頭を選ぶ馬券」
- ただし「なぜ単勝と複勝を同率にしたのか」は断定しにくい
- では「控除率が同じ」なら単勝と複勝は同じくらい有利なのか
- 控除率20%なら「何も考えず買えば80%になる」のか
- 同じ20%でも「予測対象」が違う
- p_winで複勝を買うと少しズレる可能性がある
- 複勝は「簡単だから有利」でもない
- 単勝は外れるが、一度の的中が大きい
- 控除率より「市場の歪み」が重要になる
- 「複勝の方が簡単だから勝ちやすい」は半分正しく、半分違う
- なぜ三連単はさらに控除率が高いのか
- 三連単の「夢の配当」は控除率を見えにくくする
- JRAスーパープレミアムを見ると構造が分かりやすい
- もしすべての馬券が80%になったらどうなるか
- 2.5%の差は小さく見えて意外と大きい
- だから単勝は競馬AIと相性がいいのか
- 複勝も同じ80%だから面白い比較対象になる
- 「どの馬券が一番得か」は控除率だけでは決められない
- 控除率は「スタート地点のハンデ」
- AIは控除率を直接「倒す」のではない
- 単勝と複勝が同率という事実から見えてくるもの
- まとめ
まずJRAの馬券別払戻率を確認する
現在のJRAでは、通常時の払戻率は次のように設定されています。2026年度のJRA事業計画でも同じ率が示されています。
| 馬券種 | 払戻率 | 控除率の目安 |
|---|---|---|
| 単勝 | 80.0% | 20.0% |
| 複勝 | 80.0% | 20.0% |
| 枠連 | 77.5% | 22.5% |
| 馬連 | 77.5% | 22.5% |
| ワイド | 77.5% | 22.5% |
| 馬単 | 75.0% | 25.0% |
| 三連複 | 75.0% | 25.0% |
| 三連単 | 72.5% | 27.5% |
| WIN5 | 70.0% | 30.0% |
ここでは分かりやすく、
控除率=100%-払戻率
として見ています。
単勝と複勝は20%。
三連単になると27.5%。
WIN5では30%です。
つまり100円の売上に対し、馬券購入者全体へ戻す金額の割合は馬券種ごとに違います。
JRAでは2014年6月7日から、競馬関係法令の改正を受けて現在のように投票法ごとに払戻率を設定しています。
そもそも控除率は「当てる難しさ」に対して掛かっているわけではない

最初にここを整理すると、疑問がかなり分かりやすくなります。
単勝より複勝の方が簡単。
三連単は難しい。
だから、
簡単な馬券は高控除。
難しい馬券は低控除。
となりそうな気がします。
しかし実際は逆です。
単勝・複勝 20%。
三連単 27.5%。
WIN5 30%。
難しい馬券の方が設定上の控除率は高くなっています。
つまりJRAの控除率は、
「その馬券を当てる難易度」に応じて機械的に決まっているわけではありません。
馬券種ごとに設定された制度上の払戻率です。
ここを混同すると、
「複勝は当たりやすいのに、単勝と同じなのはおかしい」
という疑問になります。
しかし当たりやすさは、別のところで調整されています。
複勝が当たりやすい分は「オッズの低さ」に反映される
例えばある馬について、
単勝5倍。
複勝1.8~2.2倍。
だったとします。
同じ馬でも、複勝の方が当たりやすい。
その代わり配当は低くなります。
つまり競馬では、
的中しやすさそのものはオッズで調整されます。
単勝は1着にならなければ外れです。
そのため勝率が低く、的中時の配当は高くなりやすい。
複勝なら1~3着まで的中。
的中確率は上がります。
そのため、多くの人が買いたいと考えれば配当は低くなります。
ここにさらに別途20%の控除があります。
つまり、
「当たりやすいから控除率を上げる」
必要は必ずしもありません。
当たりやすさは、すでに市場のオッズへ反映されているからです。
競馬はブックメーカー方式ではなくパリミュチュエル方式

ここも重要です。
JRAの馬券は、基本的に購入者同士で一つのプールを作る方式です。
例えば単勝全体で1億円売れたとします。
その中から制度上の払戻対象となる部分が計算され、的中馬券を持っている人たちへ分配されます。
JRAの公式FAQでも、払戻対象総額は投票法ごとに設定された率を用いた算式によって求めると説明されています。
単勝なら、基本的には一つの勝ち馬へ投票していた人たちが払戻対象になります。
一方、複勝なら複数の馬が的中馬になります。
しかし、
「複勝だからJRAが多く取る」
という仕組みではありません。
単勝も複勝も、設定払戻率そのものは80%です。
違うのは、その80%をどの的中馬券へ分配するかです。
複勝は「80%を3頭が山分け」するイメージに近い
ここは少し単純化すると分かりやすいです。
18頭立てのレースで複勝を買ったとします。
1着A。
2着B。
3着C。
なら、A、B、Cへの複勝投票が的中です。
複勝の払戻計算では、それぞれの的中馬への投票額などを使いながら、負けた馬への投票額を勝馬数に応じて配分したうえで払戻額が求められます。JRAが示す計算式でも、勝馬の数を表す「P」が使われています。
重要なのは、
複勝は当たり馬が複数存在する
ということです。
そのため単勝より多くの購入者が的中側に回ります。
結果として、一人当たりの払戻は小さくなりやすい。
これが、
「単勝より複勝の方が当たりやすい代わりに配当が低い」
という構造です。
控除率を変えなくても成立します。
単勝と複勝はどちらも「1頭を選ぶ馬券」

単勝と複勝には、もう一つ共通点があります。
どちらも、
1頭を選ぶ
馬券です。
JRAの用語説明でも、複勝は単勝と同様に馬番で1頭を選択する投票法として説明されています。
単勝。
「この馬が勝つ」
複勝。
「この馬が3着以内に入る」
予測対象は違いますが、購入者が指定するのは1頭です。
一方、
馬連・ワイドなら2頭の組み合わせ。
三連複なら3頭。
三連単なら3頭+着順。
WIN5なら5レースの1着馬。
と複雑になります。
現在の払戻率を見ると、
単勝・複勝 80%。
枠連・馬連・ワイド 77.5%。
馬単・三連複 75%。
三連単 72.5%。
WIN5 70%。
という段階的な構造になっています。
制度設計として見ると、単勝・複勝という最もシンプルな投票法が、通常時から最も高い払戻率に設定されていることが分かります。
ただし「なぜ単勝と複勝を同率にしたのか」は断定しにくい
ここは注意したいところです。
JRAの公式資料から確認できるのは、
単勝と複勝を80%。
枠連・馬連・ワイドを77.5%。
馬単・三連複を75%。
三連単を72.5%。
WIN5を70%。
と設定していることです。
またJRAは、設定後の購買動向などを分析し、率を継続するか検討してきたことも公表しています。
一方で、
「単勝と複勝が同率なのは、○○という理由だからです」
という単純な説明を公式資料で確認できるわけではありません。
そのため、
「複勝が簡単だから同じにした」
「1頭選択式だから必ず同率にした」
と断定するのは避けたいところです。
確認できる事実としては、
2014年以降、JRAは投票法別に70~80%の範囲で払戻率を設定し、単勝と複勝についてはいずれも上限の80%としている
ということです。JRAスーパープレミアムの案内でも、単勝・複勝は通常時から上限の80%であると明記されています。
では「控除率が同じ」なら単勝と複勝は同じくらい有利なのか

ここから馬券的に面白くなります。
単勝。
複勝。
どちらも控除率20%。
それなら、
「長期的には同じくらい勝ちやすいのでは?」
と思いたくなります。
しかし、そう単純ではありません。
控除率が同じというのは、
市場全体に設定されている払戻率が同じ
というだけです。
自分が購入する馬券の期待値が同じという意味ではありません。
例えば単勝市場では、人気馬が過剰に売れているかもしれません。
複勝では逆に人気薄が過剰に売れているかもしれません。
市場参加者の買い方によって、個々の馬券の期待値は変わります。
控除率20%は、あくまでスタート地点です。
控除率20%なら「何も考えず買えば80%になる」のか
これも少し注意が必要です。
よく、
「単勝の控除率は20%だから、長期回収率は80%になる」
という説明があります。
市場全体として見れば、通常時には払戻率80%を基本として購入者側へ資金が戻る設計になっています。
その意味では分かりやすい説明です。
ただ、自分個人の回収率が必ず80%へ収束するわけではありません。
どの馬を買ったか。
どのオッズで買ったか。
どれくらい市場評価とズレた馬を選べたか。
で変わります。
例えば市場が過小評価している馬だけを買えれば、100%を超える可能性があります。
反対に過剰人気馬だけ買えば80%を大きく下回るかもしれません。
同じ20%でも「予測対象」が違う

競馬AIで考えるなら、ここがかなり重要です。
単勝を買うなら、
p_win
が欲しいです。
この馬が1着になる確率。
一方、複勝なら必要なのは、
3着以内に入る確率
です。
仮にp_placeと呼びます。
p_winが高い馬は一般的にp_placeも高くなります。
しかし、順位が完全に同じとは限りません。
例えば、
勝ち切る能力は高いが、負けると大きく崩れる馬。
勝ち切る力は少ないが、安定して2~3着へ来る馬。
では単勝と複勝の価値が変わります。
控除率が同じだからといって、
同じ予測モデルをそのまま使える
わけではありません。
p_winで複勝を買うと少しズレる可能性がある
例えば競馬AIが、
A馬 p_win 0.25。
B馬 p_win 0.18。
と評価したとします。
単勝ならA馬が上です。
しかし複勝圏率を推定すると、
A馬 p_place 0.45。
B馬 p_place 0.55。
になる可能性もあります。
B馬は勝ち切れないが、安定して馬券圏内へ来るタイプかもしれません。
そのため、
単勝と複勝の控除率が同じ
という事実と、
単勝と複勝で同じ指数が使える
という話は全く別です。
むしろ同じ控除率だからこそ、
予測精度の違いがそのまま馬券戦略の差になりやすい
とも考えられます。
複勝は「簡単だから有利」でもない

複勝は当たりやすいです。
例えば単勝的中率30%。
複勝的中率60%。
なら、精神的には複勝の方が楽です。
しかし配当も低くなります。
100円買って、
110円。
120円。
150円。
というケースもあります。
一度外れると、それまで何回か積み上げた利益が消えることもあります。
例えば複勝1.1倍を9回当てたとします。
900円購入。
払戻990円。
+90円です。
10回目で外れる。
購入総額1,000円。
払戻990円。
結局マイナスになります。
当たりやすさだけでは利益になりません。
単勝は外れるが、一度の的中が大きい
逆に単勝。
10回買って2回しか当たらない。
かなり外れます。
でも、
5倍。
8倍。
が当たれば、
500円+800円=1,300円。
購入額1,000円。
回収率130%。
となります。
つまり単勝と複勝は同じ控除率でも、
収益の出方がかなり違う
わけです。
複勝は高頻度・低払戻。
単勝は低頻度・高払戻。
もちろん実際には馬やオッズによって大きく変わりますが、基本的な性格としては分かりやすい違いです。
控除率より「市場の歪み」が重要になる

競馬AIで考えるなら、本当に知りたいのは、
単勝控除率20%。
複勝控除率20%。
という事実だけではありません。
どちらの市場の方がAIが価格差を見つけやすいか
です。
例えばAIが勝率を非常に正確に推定できる。
なら単勝市場で、
p_win × 単勝オッズ
を比較できます。
一方、3着以内確率を正確に推定できるなら、複勝市場を狙えます。
同じ20%の控除でも、市場参加者の予測精度が違えば攻略難易度も違う可能性があります。
「複勝の方が簡単だから勝ちやすい」は半分正しく、半分違う
複勝は的中させるだけなら簡単です。
しかし、
回収率100%を超える
という意味では別問題です。
例えば市場参加者全員が複勝馬を非常に正確に評価しているなら、割安馬を見つけるのは難しくなります。
逆に単勝では、
勝ち切る確率を市場が少し間違えている馬
を見つけられるかもしれません。
馬券で重要なのは、
「簡単な馬券か」
ではなく、
市場より自分の確率予測が優れているか
です。
なぜ三連単はさらに控除率が高いのか
ここまで来ると逆に気になります。
なぜ三連単は72.5%なのでしょうか。
単勝・複勝より7.5ポイント低い。
WIN5なら10ポイント低い。
これも、
「難しいから控除する」
という数学的必然ではありません。
JRAが投票法ごとに設定している率です。
現在の体系を見ると、複雑な投票法ほど低い払戻率が設定されています。
つまり難易度の高い馬券は、
的中確率が低い。
さらに控除率も高い。
という二重のハードルがあります。
ただし高額配当が出やすいため、購入者からすると魅力もあります。
三連単の「夢の配当」は控除率を見えにくくする

例えば三連単10万円。
当たれば非常に大きいです。
そのため、
控除率27.5%
という数字はあまり意識されません。
一方、複勝1.1倍を見ると、
「全然増えない」
と感じます。
しかし制度上の払戻率だけなら複勝の方が高い。
ここが面白いところです。
人間は控除率より、
払戻金の絶対額
に目を奪われやすいです。
10万円馬券。
100万円馬券。
という言葉には強い魅力があります。
でも長期的に購入するなら、馬券種ごとの払戻率も無視できません。
JRAスーパープレミアムを見ると構造が分かりやすい
この制度を理解するうえで分かりやすいのが「JRAスーパープレミアム」です。
対象日には、通常80%未満の馬券種も含め、すべての投票法の払戻率が80%へ引き上げられます。
ただし単勝と複勝は普段から80%なので、率そのものは変わりません。
つまり通常時、
単勝・複勝=すでに上限。
その他=それより低い。
という設計になっていることがよく分かります。
もしすべての馬券が80%になったらどうなるか
例えば三連単も80%。
WIN5も80%。
になったとします。
購入者側から見ると、今より条件は良くなります。
しかし、それだけで勝てるわけではありません。
払戻率が上がることで、
期待回収率の土台が改善する
だけです。
結局は、
どの組み合わせを買うか。
市場より優れた確率を出せるか。
が必要です。
逆に言えば、控除率が数ポイント違うことは、長期的にはかなり重要です。
2.5%の差は小さく見えて意外と大きい
単勝・複勝80%。
馬連・ワイド77.5%。
差は2.5ポイント。
小さく感じます。
しかし年間100万円購入するなら、
市場全体の払戻率という意味では、
80%なら80万円。
77.5%なら77万5,000円。
2万5,000円の差です。
三連単72.5%なら72万5,000円。
単勝との差は7万5,000円です。
もちろん個人の実際の回収率がこの通りになるわけではありません。
それでも、長期的に大量購入するほど、
控除率の数%は無視しにくくなる
ことが分かります。
だから単勝は競馬AIと相性がいいのか

個人的に単勝を実験対象として使いやすい理由の一つがここです。
単勝は、
1頭選ぶ。
1着なら的中。
p_winと直接対応する。
払戻率も80%。
非常にシンプルです。
競馬AIが、
「この馬の勝率は20%」
と出す。
単勝オッズ6倍。
なら、
0.20 × 6 = 1.20。
という形で期待値を考えられます。
もちろん実際には確率推定誤差があります。
それでも構造が分かりやすい。
だからAIのp_winを検証する馬券として、単勝は扱いやすいと思います。
複勝も同じ80%だから面白い比較対象になる
逆に言えば複勝も面白いです。
同じ払戻率。
同じ1頭選択式。
しかし、
単勝=1着確率。
複勝=3着以内確率。
と予測対象が違います。
もし、
単勝モデル。
複勝モデル。
を別々に作ったらどうなるのか。
的中率。
回収率。
ブレ。
最大連敗。
最大ドローダウン。
などを比較する。
同じ20%控除なので、
馬券種そのものの違いを比較しやすい
とも考えられます。
「どの馬券が一番得か」は控除率だけでは決められない
ここまで読むと、
単勝・複勝が20%。
だからこの二つだけ買えばいい。
となりそうです。
しかし、それも少し違います。
例えば自分が、
三連複の確率予測だけ非常に得意
だったらどうでしょうか。
控除率25%でも、市場との予測差が大きければプラスになる可能性があります。
逆に単勝市場では全く優位性がない。
なら単勝80%でも負けます。
つまり馬券選択では、
控除率の低さ+自分の予測優位性
をセットで見る必要があります。
控除率は低い方が有利。
でも、それだけでは勝てません。
控除率は「スタート地点のハンデ」

個人的には、控除率をこう考えると分かりやすいです。
競馬というゲームへ参加するとき、最初から背負っているハンデです。
単勝・複勝なら約20%。
馬連・ワイドなら22.5%。
馬単・三連複なら25%。
三連単なら27.5%。
WIN5なら30%。
このハンデを、
市場の予測ミスを見つけることで取り返す。
それが馬券で長期回収率100%を超えるということです。
そう考えると、
三連単で長期的に100%を超える
というのは、かなり高い壁だと感じます。
AIは控除率を直接「倒す」のではない
AIを作れば控除率が消えるわけではありません。
AIがやることは、
他の購入者より正確に確率を推定する。
あるいは市場が過小評価している馬を探す。
ことです。
例えば市場は勝率10%と見ている。
AIは15%と推定。
そのAIの方が正しければ、そこに価格差があります。
その積み重ねで20%の控除という壁を超えられるか。
これが競馬AIの挑戦です。
だから、
「AIの的中率が高い」
だけでは足りません。
市場よりどれくらい正しいか
が重要です。
単勝と複勝が同率という事実から見えてくるもの
最初は、
「複勝の方が簡単なのに、なぜ単勝と同じ20%なの?」
という小さな疑問でした。
しかし考えてみると、かなり重要なことが見えてきます。
的中難易度。
控除率。
オッズ。
期待値。
これらは全部別物です。
複勝は当たりやすい。
だから配当が低い。
単勝は当たりにくい。
だから配当が高い。
そのうえで、どちらも制度上の払戻率は80%。
つまり、
当たりやすさを調整しているのは主に市場価格であって、控除率ではない
ということです。
まとめ
JRAの通常時の払戻率は、単勝80%、複勝80%となっています。
つまり控除率の目安は、どちらも20%です。
一見すると不思議です。
単勝は1着を当てる。
複勝は3着以内を当てる。
複勝の方が明らかに的中しやすい。
それなのに控除率は同じです。
しかしこれは、
控除率が馬券の難易度に応じて決まるものではない
と考えると理解しやすくなります。
複勝が当たりやすい分は、低い配当として市場側で調整されます。
的中者が多い。
一人当たりの払戻は小さくなる。
そのため、単勝と同じ払戻率80%でも成立します。
また単勝と複勝は、どちらも1頭の馬を選ぶシンプルな投票法です。
現在のJRAでは、この2方式が通常時から払戻率の上限である80%に設定されています。
ただし、
「なぜJRAがこの2方式を同じ80%にしたのか」
という個別の理由までは、確認できた公式資料から単純には断定できません。
分かるのは、2014年以降、投票法ごとに70~80%の範囲で払戻率が設定され、JRAが購買動向などを分析しながら現在の率を継続していることです。
馬券を買う側として重要なのは、その先です。
単勝と複勝。
どちらも20%控除。
ではどちらが有利なのか。
これは控除率だけでは決まりません。
単勝ならp_win。
複勝なら3着以内確率。
それぞれをどれくらい正確に予測できるのか。
そして市場のオッズとどれくらいズレているのか。
ここまで見て初めて、馬券としての価値が決まります。
「複勝は当たりやすいから安全」
でも、
「単勝は配当が高いから得」
でもありません。
本当に見るべきなのは、
その確率に対して、そのオッズは高いのか。
です。
単勝と複勝が同じ控除率になっていることは、その違いを考えるうえでかなり面白い題材でした。
同じ20%の壁。
しかし、
1着を予測するゲームと、
3着以内を予測するゲーム。
競馬AIで両方の確率を作って比較したら、どちらの方が市場とのズレを見つけやすいのでしょうか。
個人的には、次に試してみたくなるテーマです。




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