2026年9月21日の阪神11R・神戸新聞杯は、1番人気のロブチェンが勝利。
2着には3番人気のアルトラムス、そして3着には11番人気・単勝113.7倍のシートゥサミットが入りました。
今回の競馬AI指数は、1位エムズビギン、2位カフジエメンタール、3位カムアップローゼスという人気薄中心の並び。一方、皐月賞・日本ダービーを制していたロブチェンはAI上位5頭に入っていませんでした。
結果だけ見れば、AIが最も警戒すべき実績馬を過小評価していたレースです。
ただし、AI5位だったシートゥサミットが113.7倍で3着。単純に「AIは外れた」で終わらせるには惜しい結果でもありました。
今回は、ロブチェンを評価できなかった問題と、超人気薄シートゥサミットを拾えていた意味の両方から振り返ります。
- 神戸新聞杯2026の結果
- 結論から言えば、ロブチェンを上位評価できなかったのは明確な反省点
- それでもロブチェンは「1.4倍なりの楽勝」ではなかった
- レースはスローペース|最後の800mから一気に加速
- ロブチェンは位置を取りながら33秒8|能力の総合力を見せた
- 2着アルトラムス|上がり33秒5で一気に迫る
- 最大の収穫はシートゥサミット|113.7倍で3着
- シートゥサミットは自分からレースを動かした
- 「1勝クラス2着馬」をAIが拾った意味は小さくない
- AI1位エムズビギンは5着|完全な見当違いではなかった
- AI2位カフジエメンタールは11着|こちらは厳しい結果
- カムアップローゼス9着|こちらも夏の上昇を買いすぎたか
- グリーンエナジーは8着|人気もAIも評価したが伸び切れず
- AI上位5頭の成績を「着順」だけで評価してはいけない
- 今回の結果からモデル改善で確認したいこと
- 今回の神戸新聞杯は「AI1位を買えばいい」ではないことを改めて示した
- まとめ
神戸新聞杯2026の結果
まずは結果を整理します。
| 着順 | 馬番 | 馬名 | 最終オッズ | 人気 | AI評価 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 1 | ロブチェン | 1.4倍 | 1人気 | 上位5頭外 |
| 2 | 4 | アルトラムス | 9.6倍 | 3人気 | 上位5頭外 |
| 3 | 8 | シートゥサミット | 113.7倍 | 11人気 | 5位 |
| 4 | 3 | ゴーラッキー | 12.3倍 | 5人気 | 上位5頭外 |
| 5 | 6 | エムズビギン | 38.1倍 | 8人気 | 1位 |
| 6 | 7 | コンジェスタス | 11.0倍 | 4人気 | 上位5頭外 |
| 7 | 2 | エイシンインアウト | 17.0倍 | 6人気 | 上位5頭外 |
| 8 | 9 | グリーンエナジー | 8.9倍 | 2人気 | 4位 |
| 9 | 5 | カムアップローゼス | 53.8倍 | 10人気 | 3位 |
| 10 | 11 | ショウナンハヤナミ | 23.8倍 | 7人気 | 上位5頭外 |
| 11 | 10 | カフジエメンタール | 42.4倍 | 9人気 | 2位 |
AI上位5頭の結果は、
- 1位 エムズビギン → 5着
- 2位 カフジエメンタール → 11着
- 3位 カムアップローゼス → 9着
- 4位 グリーンエナジー → 8着
- 5位 シートゥサミット → 3着
となりました。
AI1位馬は掲示板を確保したものの、全体としては厳しい結果です。
その一方で、最も人気のなかったAI上位馬が馬券圏内に入ったことは、今回の指数を考えるうえでかなり重要です。
結論から言えば、ロブチェンを上位評価できなかったのは明確な反省点
予想段階でも気になっていたのが、ロブチェンの扱いでした。
ホープフルS、皐月賞、日本ダービーを勝利。
それでいてAI上位5頭圏外。
市場は最終的に1.4倍まで支持しました。
そして結果は1着。
今回に関しては、
「人気だから来た」のではなく、もともと能力が明確に抜けていた馬をAIが十分に評価できなかった
と捉えた方がよさそうです。
予想記事では、
ロブチェンを外したのは鋭い判断なのか、それともAIの明確な弱点なのか
という点を観察テーマにしていました。
レース結果を見る限り、少なくとも今回は後者です。
ここは誤魔化さずモデル側の課題として扱いたいところです。
それでもロブチェンは「1.4倍なりの楽勝」ではなかった
ただし、結果だけを見て「ロブチェンだけ見ていれば簡単だった」と片付けるのも少し違います。
勝ち時計は2分25秒9。
2着アルトラムスとはハナ差でした。
さらに3着シートゥサミット、4着ゴーラッキー、5着エムズビギンまで2分26秒0。
つまり上位5頭はわずか0.1秒以内です。
圧倒的人気のロブチェンが能力差で数馬身ちぎったわけではありません。
むしろ最後はかなり際どい決着でした。
その意味では、
AIが「ロブチェンの勝率が圧倒的ではない」と考えたこと自体と、ロブチェンを上位5頭から完全に外したことは分けて考える必要があります。
ロブチェンを1位にしなかったことよりも、勝率上位グループにすら入れられなかったことの方が問題です。
この違いはモデル検証ではかなり重要だと思います。
レースはスローペース|最後の800mから一気に加速
今回のペース判定は「S」。
ラップは以下の通りでした。
| 区間 | ラップ |
|---|---|
| 0~200m | 12.6 |
| 200~400m | 11.7 |
| 400~600m | 13.0 |
| 600~800m | 12.8 |
| 800~1000m | 11.8 |
| 1000~1200m | 12.8 |
| 1200~1400m | 12.8 |
| 1400~1600m | 12.5 |
| 1600~1800m | 11.9 |
| 1800~2000m | 11.2 |
| 2000~2200m | 11.0 |
| 2200~2400m | 11.8 |
前半1000mは1分01秒9。
2400mの重賞としてはかなりゆったり流れています。
そこから残り800m付近でペースアップし、特にラスト600m手前から11秒台前半へ。
要するに、
長距離適性だけを問う2400mではなく、スローからの瞬発力勝負
になりました。
この展開が今回の着順を考える重要なポイントでしょう。
ロブチェンは位置を取りながら33秒8|能力の総合力を見せた
ロブチェンは序盤から中団付近。
1コーナーでは前から6~7番手付近、2コーナーでも同じような位置で運びます。
シートゥサミットが途中から一気に進出する中でも慌てず、直線ではしっかり脚を使いました。
上がりは33秒8。
今回のようなスローペースでは、後方から上がりだけ速くても届きません。
その中でロブチェンは、
ある程度のポジションを確保しながら、最後も33秒台でまとめる
という競馬ができました。
皐月賞では前。
日本ダービーでは中団。
今回も流れに合わせて競馬を変えています。
AIモデルが走破時計や上がり性能を中心に見ている場合、この「展開に応じた自在性」を十分に表現できていない可能性があります。
これは一度検証してみたいポイントです。
2着アルトラムス|上がり33秒5で一気に迫る
2着はアルトラムス。
3番人気、9.6倍でした。
AI上位5頭には入りませんでした。
最後はロブチェンにハナ差。
上がり33秒5は勝ち馬より0.3秒速く、直線ではかなり鋭く伸びています。
春には毎日杯を勝ち、日本ダービーでも6着。
皐月賞18着が目立つ馬柱でしたが、ダービーではロブチェンから0.4秒差でした。
改めて考えると、
ダービー6着を必要以上に軽く見てはいけなかった
ということでしょう。
特に今回のようなスローからの上がり勝負では、ダービーで上がり33秒1を使っていた実績は重要でした。
AIが過去走の「着順」だけでなく上がりや着差を取り込んでいるのであれば、本来もう少し上に来ても不思議ではなかった馬です。
この馬が上位5頭外だった理由も、エムズビギンなどとの特徴量比較をしてみたいところです。
最大の収穫はシートゥサミット|113.7倍で3着
今回、AI側で最も価値のあった結果は間違いなく8番シートゥサミットでしょう。
AI5位。
11番人気。
単勝113.7倍。
そして3着。
複勝は1,060円でした。
予想段階では、この馬について
「格は足りないが2400m適性が分かりやすい」
と見ていました。
その見立ては結果的にかなり面白い形で出ました。
シートゥサミットは自分からレースを動かした
さらに内容も印象的です。
1コーナーでは後方。
2コーナーでもまだ後ろでした。
ところが3コーナーでは一気に先頭付近まで進出。
4コーナーではほぼ先頭です。
つまり、単純に展開が向いて3着へ流れ込んだわけではありません。
スローペースを察して、自ら位置を押し上げる競馬をして3着に粘りました。
これはかなり評価できる内容です。
最終的な上がりは34秒1。
ロブチェンやアルトラムスほど速い脚ではありません。
しかし、それは途中で大きく動いているからでもあります。
後方のまま直線まで待っていれば、33秒台を使えたとしても届かなかった可能性があります。
むしろ今回のシートゥサミットは、
2400mで持続的に脚を使えるという自身の長所を活かした競馬
だったように見えます。
前走まで2400mを続けて使われていた経験が、今回の重賞でも活きました。
「1勝クラス2着馬」をAIが拾った意味は小さくない
シートゥサミットは重賞実績馬ではありません。
前走も1勝クラス2着。
人間が馬柱を見れば、
「神戸新聞杯では格不足では?」
となるのが自然です。
実際に11番人気でした。
ところがAIは5位。
結果は3着。
これは、今回のモデルが完全に機能していなかったわけではないことを示しています。
特に、
- 同距離2400mでの経験
- 近走内容
- 着差
- 位置取り
- 走破能力
といった部分から、表面的なクラス以上の能力を拾えていた可能性があります。
ここは今後の穴馬探索に活かせるかもしれません。
「条件戦の馬だから重賞では無理」と切らず、
AIが人気薄の条件戦組を上位評価したとき、なぜ評価したのかを確認する
という使い方です。
今回のシートゥサミットは、その好例になりました。
AI1位エムズビギンは5着|完全な見当違いではなかった
AI1位のエムズビギンは5着。
38.1倍の8番人気でした。
着順だけなら馬券圏外ですが、勝ち馬とのタイム差はわずか0.1秒。
2分26秒0。
上がり33秒6。
この数字を見ると、指数1位が完全な過大評価だったとも言い切れません。
むしろ、
人気以上には走っています。
問題は位置取りでした。
エムズビギンは道中後方。
スローからラスト3F付近で一気に加速する展開では、後ろにいた馬には厳しい流れです。
それでも33秒6で追い上げて5着。
ロブチェンとの差はほとんどありません。
AI1位という評価を肯定できる結果ではありませんが、
「38.1倍の8番人気馬を能力上位と見たこと自体は、それほどズレていなかった」
とも言えます。
特に着順だけで5着と見るより、0.1秒差5着と見る方がモデル検証では重要です。
AI2位カフジエメンタールは11着|こちらは厳しい結果
一方、AI2位カフジエメンタールは11着。
42.4倍の9番人気でした。
こちらは明確に期待を裏切る結果になりました。
予想では、夏に2勝クラスまで連勝してきた上昇度を評価しました。
しかし重賞では壁に当たりました。
自己条件を連勝していることと、春のクラシック上位馬を相手にGIIで勝ち負けできることは別問題です。
今回のAIが、
近走の連勝を強く評価しすぎていた可能性
は考えておく必要があります。
特に3歳秋は上がり馬が人気を集めることも多いですが、「条件戦を勝った勢い」を能力の絶対値と混同しないような特徴量設計が必要かもしれません。
カムアップローゼス9着|こちらも夏の上昇を買いすぎたか
AI3位カムアップローゼスも9着。
53.8倍の10番人気でした。
こちらも京都新聞杯6着+夏の函館勝利という戦績から、成長を期待した一頭です。
ただし結果は9着。
カフジエメンタールと同じく、
夏の条件戦好走組をモデルがやや過大評価していた
可能性があります。
今回の上位3頭は、
エムズビギン
カフジエメンタール
カムアップローゼス
でした。
そのうちエムズビギンは0.1秒差5着まで走りましたが、残り2頭は9着、11着。
「夏を越して伸びた馬を拾う」という考え方そのものは悪くありません。
ただし、それを春のGI級実績より優先してよいのか。
今回の結果では、そこに疑問が残りました。
グリーンエナジーは8着|人気もAIも評価したが伸び切れず
AI4位グリーンエナジーは8着。
2番人気、8.9倍。
AI上位5頭では唯一、市場からも高く評価されていました。
しかし結果は8着。
上がり33秒7自体は悪くありません。
ただ、スローで前も止まらない中、後方寄りからでは届きませんでした。
こちらはロブチェンとの能力差だけでなく、展開の影響も考えたい結果です。
AI上位5頭の成績を「着順」だけで評価してはいけない
今回のAI上位5頭は、一見するとかなり悪い結果です。
5着、11着、9着、8着、3着。
しかし内容を整理すると少し違った景色になります。
| AI順位 | 馬 | 人気 | 着順 | 勝ち馬とのタイム差 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | エムズビギン | 8人気 | 5着 | 0.1秒 |
| 2 | カフジエメンタール | 9人気 | 11着 | 1.1秒 |
| 3 | カムアップローゼス | 10人気 | 9着 | 0.7秒 |
| 4 | グリーンエナジー | 2人気 | 8着 | 0.4秒 |
| 5 | シートゥサミット | 11人気 | 3着 | 0.1秒 |
エムズビギンとシートゥサミットは、どちらも勝ち馬から0.1秒差。
しかも8人気と11人気です。
この2頭については、AIが人気以上の能力をある程度捉えていたと考えてよいでしょう。
一方でカフジエメンタールとカムアップローゼスは明確に低調。
そして何より、勝ったロブチェンを上位候補として扱えなかった。
今回の評価は、
穴馬発見能力には光るものがあったが、能力最上位馬の評価に大きな課題が出た
というところでしょう。
今回の結果からモデル改善で確認したいこと
個人的には、このレースはかなり良い学習材料になったと思います。
特に確認したいのが、
GI実績の強さをモデルがどれだけ表現できているか
です。
ロブチェンは単に「GIを勝っている」という肩書きだけではありません。
皐月賞とダービーという全く異なる条件で勝っています。
さらにアルトラムスもダービー6着。
今回1、2着は春の最高峰レースで能力を示していた馬でした。
対してAI2、3位は夏の条件戦組。
ここから考えると、
直近の状態や成長度を重視するあまり、世代トップクラスで実証済みの能力を過小評価していないか
という確認が必要です。
一方で、シートゥサミットのような穴馬を拾える能力は残したい。
つまり単純に「重賞実績をもっと重くする」で修正すると、今度は113倍のシートゥサミットを拾えなくなる可能性があります。
理想は、
ロブチェンを上位評価しつつ、シートゥサミットも穴候補として残せるモデル
です。
ここはモデル改善としてかなり面白いテーマになりそうです。
今回の神戸新聞杯は「AI1位を買えばいい」ではないことを改めて示した
今回の結果は、自分が競馬AIを運用するうえで大切にしたい考え方とも一致します。
AI指数は「答え」ではありません。
今回AI1位エムズビギンをそのまま本命として信じても勝てませんでした。
一方でAI5位シートゥサミットは113.7倍で3着。
つまり指数は、
馬券を決めるものというより、人間では見落としやすい馬を発見するための入口
として使う方が面白い。
今回なら、
「なぜ1勝クラス2着のシートゥサミットが5位なのか?」
と疑問を持つこと。
その理由を馬柱で確認すると、2400mを連続して走り、距離経験が豊富だった。
結果として重賞でも3着。
こういう使い方こそ、競馬AIを作っている意味なのかもしれません。
まとめ
2026年の神戸新聞杯は、1番人気ロブチェンが1着。
AIはロブチェンを上位5頭に入れておらず、この点は明確な反省材料になりました。
予想時点で抱いていた「ロブチェンを低く評価したのはAIの弱点ではないか」という疑問に対して、今回の結果はかなり分かりやすい答えを返した形です。
一方で、AI5位のシートゥサミットが11番人気・113.7倍で3着。
しかも道中後方から自ら動いて先頭まで進出し、そのまま粘り込む強い内容でした。
AI1位エムズビギンも8番人気ながら勝ち馬から0.1秒差の5着。
したがって今回の指数は、
人気薄を拾う部分では面白い結果を残した一方、世代トップクラスの実績馬を正しく評価できなかった
と整理するのがよさそうです。
ロブチェンを拾えて、なおかつシートゥサミットも拾える。
そこまでできればモデルは一段強くなります。
今回の神戸新聞杯は「AI予想が当たったか外れたか」というより、モデルが得意な部分と苦手な部分が同時にはっきり出たレースでした。
こういうレースこそ、次の改善につながる観察材料として残しておきたいと思います。




コメント