【AI指数観察ログ】オールカマー(GⅡ)9/20 中山11R-回顧|AI1位キャントウェイトが2着。勝ったのは9番人気メイショウゲキリン

回顧記事テーマ AI指数観察ログ

2026年9月20日の中山11R・オールカマーは、9番人気のメイショウゲキリンが逃げ切って勝利しました。

2着にはAI指数1位だったキャントウェイト。3着は3番人気ヴーレヴー、4着は1番人気レガレイラという結果です。

勝ち時計は2分16秒9。馬場は重。単勝は4,450円、馬連8-1は30,940円、3連単8→1→4は383,690円と波乱になりました。

今回のAI指数は、

AI順位馬名p_win結果
1キャントウェイト8.67%2着
2アスクドゥポルテ7.72%12着
3パンジャ6.86%6着
4エセルフリーダ6.18%9着
5レガレイラ5.88%4着

という並びでした。

勝ち馬メイショウゲキリンを上位5頭では捉えられなかった一方、7番人気想定からAI1位に引き上げていたキャントウェイトが実際に2着。

そして、1番人気レガレイラを5位まで下げた判断も、結果だけを見れば「人気ほど抜けた存在ではなかった」という方向では合っていました。

ただし、事前の記事で最も気になっていたAI2位アスクドゥポルテは12着。

今回は、AIが市場とのズレを捉えた部分と、単純にノイズを拾った部分がかなりはっきり分かれたレースだったように思います。

結果|9番人気メイショウゲキリンが逃げ切り

上位は以下の通りでした。

着順馬人気単勝オッズ
1メイショウゲキリン9人気44.5倍
2キャントウェイト6人気12.1倍
3ヴーレヴー3人気3.9倍
4レガレイラ1人気3.1倍
5ワイドエンペラー10人気48.1倍
6パンジャ7人気17.2倍
7ジューンテイク4人気10.8倍
8コスモブッドレア13人気161.2倍
9エセルフリーダ5人気11.4倍

2番人気コスモキュランダは11着。

AI2位だったアスクドゥポルテは12着でした。

結果だけを見ても、かなり難しいオールカマーだったことが分かります。

1番人気レガレイラが4着、2番人気コスモキュランダが11着。そして勝ったのは44.5倍のメイショウゲキリン。

人気順通りには収まりませんでした。

レースを決めたのは「重馬場+前」

今回の結果を考えるうえで、かなり重要だったのが展開です。

ラップは、

12.8-11.8-13.0-12.3-12.5-12.5-12.4-12.5-12.3-12.1-12.7

勝ち時計は2分16秒9。

公式のペース表示はMでしたが、道中は極端に速くなることなく、重馬場の2200mとして淡々と進みました。

そしてコーナー通過順位を見ると、メイショウゲキリンはほぼ一貫して先頭。

その直後にヴーレヴーやレガレイラが位置し、キャントウェイトも好位グループで運んでいます。

最終的な1~4着は、

  • メイショウゲキリン
  • キャントウェイト
  • ヴーレヴー
  • レガレイラ

でした。

つまり、前で流れに乗った馬がそのまま上位を占めたレースだったと見ることができます。

特に重馬場では、後方から一気に差し切るためには前との差だけでなく、荒れた馬場を加速するエネルギーも必要になります。

結果的には「末脚の絶対値」よりも、

前で位置を取れること+重馬場でも止まらないこと

が重要になったように見えました。

メイショウゲキリン|9番人気でも展開を作った馬が一番強かった

まず勝ち馬メイショウゲキリン。

44.5倍、9番人気。

AI上位5頭には入っていませんでした。

レースではスタートから前へ行き、12番エセルフリーダなどと先団を形成。

そこから大きくペースを上げることなく、自分のリズムで運びました。

そして直線でも止まりませんでした。

勝ち時計2分16秒9という数字だけを見ると速い決着ではありません。

しかし重馬場で、自らレースを作って押し切っています。

今回のAIにとって一番大きな反省材料は、この馬でしょう。

AIはキャントウェイト、アスクドゥポルテ、パンジャといった差し・追い込み寄りの馬を上位に評価していました。

ところが実際のレースでは、後ろから能力を発揮するよりも前でロスなく体力を温存できる馬が有利な展開になりました。

これは純粋な能力評価だけでは拾いにくい部分です。

「各馬がどの位置を取るのか」

「誰が逃げるのか」

「その逃げ馬がどの程度のペースを作るのか」

こうした展開要素をモデルが十分に扱えているか、改めて確認したくなる結果でした。

AI1位キャントウェイト|これはかなり評価したい2着

一方、今回もっとも良かったのはキャントウェイトです。

AIでは、

p_win=0.0867

で1位。

事前の馬柱では17.8倍・7番人気想定でしたが、最終的には12.1倍の6番人気。

それでも市場評価よりAIの方が明確に高く見ていた馬です。

そして結果は2着。

これは今回、かなり重要な結果だと思います。

前走まで3勝クラスだったため、事前記事でも、

「GIIのメンバー相手にいきなり通用するのか」

という点を取り上げました。

ところが実際には通用しました。

1枠1番から道中は好位の内。

コーナー通過順位を見ると、おおむね5~7番手付近をロスなく進み、直線ではしっかり伸びています。

勝ち馬には届かなかったものの、3着ヴーレヴーには先着。

昨年のオールカマー勝ち馬レガレイラにも先着しました。

これは単に「展開に恵まれて2着」というだけではなく、3勝クラスを突破したばかりでも、重賞級の能力をすでに持っていた可能性を示す内容だったと思います。

事前の記事では、

クラス名よりも近走で記録している走破内容や位置取り、上がり、条件などをAIが評価している可能性

と考えました。

少なくとも今回については、その仮説を肯定する結果になりました。

「オープン実績がないから」という理由だけで評価を下げると、こうした馬を取り逃す。

AIを使う面白さが出た一頭だったと思います。

ただしAI1位でもp_winは8.67%だった

ここで忘れたくないのが、キャントウェイトのp_winそのものです。

8.67%。

AI1位とはいえ、決して高い数字ではありませんでした。

事前にも書きましたが、今回は上位5頭を合計しても35.31%。

AI自身が「キャントウェイトがかなり勝ちそう」と判断したわけではありません。

むしろ、

混戦の中で相対的に最も評価した馬

でした。

そして実際の結果も2着。

このあたりは指数の読み方として重要です。

「1位だから強い」

ではありません。

同じAI1位でも、

p_win=20%の1位

と

p_win=8%の1位

では意味が全く違います。

今回のようなレースでは、順位だけを見るよりも指数の絶対値まで確認した方が良さそうです。

AI2位アスクドゥポルテ|今回は明確に過大評価だった

一方で、今回最大の反省点はこちらです。

アスクドゥポルテ。

AIでは7.72%で2位でした。

しかし最終オッズは135.4倍の11番人気。

そして結果は12着。

事前記事では、この馬をかなり重点的に取り上げました。

前走福島民報杯12着。

その前も小倉日経賞12着。

近走成績からは到底AI2位に見えない一方、2025年新潟記念で上がり32秒6を記録していることなどから、

「AIが過去の末脚能力を強く残しすぎているのではないか」

という仮説を立てました。

今回の結果を見る限り、この疑念は残ります。

特に今回のような重馬場で前有利のレースでは、昔の高速馬場で記録した上がり性能がそのまま価値を持つとは限りません。

しかもアスクドゥポルテは後方型。

今回の展開とは噛み合いませんでした。

ここは今後、特徴量を確認したいところです。

もし過去の上がり順位や上がり3Fタイムなどが強い重みを持っているなら、

馬場状態×脚質×末脚評価

の相互作用を入れる余地があるかもしれません。

良馬場の東京や新潟で「32秒台を使える馬」と、重馬場の中山2200mで強い馬は必ずしも同じではありません。

今回のアスクドゥポルテは、その違いがかなり分かりやすく出たサンプルになりました。

AI3位パンジャ|同舞台実績があっても6着

パンジャはAI3位。

p_win=6.86%。

最終的には17.2倍の7番人気で6着でした。

事前にはかなり評価しやすい馬だと考えていました。

なぜなら前走が今回と同じ中山芝2200m。

そこで3勝クラスを勝っていたからです。

コース適性という点ではキャントウェイト以上に分かりやすい材料がありました。

しかし今回は6着。

大崩れではありませんが、上位争いには加われませんでした。

今回興味深いのは、キャントウェイトとの違いです。

両馬とも3勝クラス突破組。

AIも1位と3位。

しかしキャントウェイトは2着、パンジャは6着。

能力差だけでなく、今回の位置取りも影響した可能性があります。

キャントウェイトは内枠から好位を確保。

パンジャも極端な後方ではありませんでしたが、より外を回りながら追走する形になりました。

重馬場の中山2200mでは、こうした小さなロスも最後に響いたのかもしれません。

パンジャについては「AI評価そのものが完全に間違い」とまでは言いにくく、重賞初挑戦で6着なら一定の能力は示したとも考えられます。

AI4位エセルフリーダ|前には行けたが9着

エセルフリーダはAI4位。

結果は9着でした。

この馬について事前に期待したのは、中山適性と先行力でした。

中山牝馬S1着。

その前の初富士Sも1着。

そして今回も序盤から前へ。

位置取りだけなら、勝ったメイショウゲキリンと似た条件を得ています。

ところが直線では失速。

最終的に9着となりました。

今回の馬体重は488kgで、前走から+6kg。

6カ月半ぶりの実戦でした。

もともと鉄砲実績は悪くありませんでしたが、重賞の牡馬混合戦で2200mという条件になると、1800~2000mで見せていた中山適性をそのまま延長して考えることはできなかったようです。

こちらも重要です。

「中山巧者」

という一言でまとめても、

1800m
2000m
2200m

では求められる能力が違います。

コース適性を評価する場合も、「競馬場」という大きなくくりだけではなく、距離とコース形態まで細分化する必要がありそうです。

AI5位レガレイラ|1番人気を疑った判断は一定程度機能

レガレイラはAI5位。

p_win=5.88%。

最終的には3.1倍の1番人気でした。

結果は4着。

事前記事では今回の重要な観察対象として、

「市場は1番人気だが、AIは5位」

という評価差を取り上げました。

結果は馬券圏外。

この点については、AI側の評価が一定程度機能したと言えそうです。

もちろん4着ですから全く走らなかったわけではありません。

むしろ勝ち馬から0.5秒差程度に収まっています。

しかし単勝3.1倍の1番人気として見ると、「圧倒的に勝ちに近い馬」ではありませんでした。

昨年このレースを勝利。

エリザベス女王杯も勝利。

GI実績では今回のメンバーでも最上位。

こうした分かりやすい実績は、市場人気を押し上げます。

AIはそこをそのまま評価しなかった。

結果として4着。

今回に限れば、

「強い馬であること」と「今回の勝率が高いこと」を分けて考える

という指数の使い方は悪くなかったと思います。

コスモキュランダ11着|こちらもAI側の低評価が結果につながった

さらに2番人気コスモキュランダは11着。

事前記事でも触れた通り、AI上位5頭には入っていませんでした。

前走宝塚記念4着。

有馬記念2着の実績もあり、最終オッズ3.6倍。

市場からはレガレイラに次ぐ高評価でした。

ところが今回は大きく敗れました。

AIはレガレイラとコスモキュランダという人気上位2頭を揃って上位から外していました。

これは今回の指数で評価できる部分です。

特にコスモキュランダは道中では中団付近にいましたが、直線で全く伸びず。

重馬場への適性、状態、展開など複数の要因が考えられますが、少なくとも市場人気ほど今回の条件にフィットしていなかったことは結果に表れました。

ヴーレヴー3着|AIが拾えなかった人気馬

逆にAI側の見落としとして挙げたいのがヴーレヴー。

3番人気で3着。

AI上位5頭圏外でした。

事前には、

  • 巴賞1着
  • クイーンS3着
  • ただし近走の中心は1800m
  • 今回は2200mへ延長

という点から、AIが距離延長を嫌っている可能性を考えました。

しかし実際には3着。

しかも先行して最後まで粘りました。

この結果を見ると、少なくとも今回は距離延長を過度に不安視する必要はありませんでした。

むしろ重馬場でスピードの絶対値が削がれたことで、1800mを中心に走ってきた先行力が2200mでも生きた可能性があります。

AIがキャントウェイトを拾えた一方で、ヴーレヴーを上位に入れられなかった。

この差も今後確認したいところです。

結果から見えたAI指数の「良かった部分」と「危ない部分」

今回の内容を整理すると、かなり分かりやすく分かれます。

観察項目結果評価
キャントウェイトをAI1位2着良かった
レガレイラを5位評価4着一定程度機能
コスモキュランダを上位5頭外11着良かった
アスクドゥポルテをAI2位12着大きな失敗
ヴーレヴーを上位5頭外3着見落とし
メイショウゲキリンを上位5頭外1着最大の見落とし

単純な「的中・不的中」ではなく、こう分解するとモデルの特徴がかなり見えてきます。

今回良かったのは、人気や格に引っ張られずキャントウェイトを1位にしたこと。

一方で危険なのは、人気薄を高評価した理由が本当に現在の条件に有効なのかを区別できていない可能性です。

キャントウェイトの高評価は成功。

アスクドゥポルテの高評価は失敗。

どちらも「市場よりAIが大幅に高く評価した人気薄」ですが、結果は正反対でした。

この2頭の特徴量を比較すると、かなり面白そうです。

「AI上位×人気薄」を一括りにしない方がよさそう

これまで指数を見ていると、

「AI上位なのに人気がない」

というだけで非常に魅力的に見えます。

しかし今回のキャントウェイトとアスクドゥポルテを比べると、それだけでは不十分だと分かります。

キャントウェイトは、

  • 前走勝利
  • 中3週
  • 近走も一定の安定感
  • 重賞初挑戦

という馬。

アスクドゥポルテは、

  • 近2走12着
  • 5カ月半休養
  • 後方脚質
  • 過去の末脚実績あり

という馬でした。

同じ「AI高評価の人気薄」でも中身は全く違います。

今後はAI順位だけでなく、

AIが上げた人気薄を、直近好調型と過去能力型に分ける

という分析をしても良さそうです。

例えば、

  • 前走5着以内+AI上位+人気薄
  • 近3走すべて着外+AI上位+人気薄

に分けて回収率を比較する。

これなら今回のようなキャントウェイトとアスクドゥポルテを別カテゴリーで評価できます。

最大の課題は展開をどこまで扱うか

そして今回、一番モデル改善に直結しそうなのが展開です。

勝ったメイショウゲキリンは逃げ切り。

3着ヴーレヴーも前。

4着レガレイラも前め。

キャントウェイトも好位。

上位馬の多くが序盤から一定の位置を取っています。

ところが事前のAI上位には、アスクドゥポルテのような後方型も含まれていました。

もちろん脚質だけで勝敗は決まりません。

ただ、

重馬場
+2200m
+逃げ馬がそれほど飛ばさない
+前が止まりにくい

という組み合わせになったとき、後方馬のp_winをどこまで落とすべきなのか。

ここは検討余地があります。

現在のモデルが各馬を個別に評価しているのであれば、

「この馬自身の能力」

は捉えられても、

「他の12頭との組み合わせによって生じるレース展開」

までは十分に表現できない可能性があります。

競馬の難しいところですが、次の改善テーマとしては非常に面白い部分です。

今回の結果は「AIが外した」で終わらせるには惜しい

1着馬をAI上位で拾えなかった。

それだけで判断すれば予想としては失敗です。

ただ、今回の内容にはかなり有益な情報がありました。

AI1位キャントウェイトは2着。

市場の1・2番人気だったレガレイラとコスモキュランダを過剰評価しなかった。

一方で、AI2位アスクドゥポルテは大敗。

勝ち馬メイショウゲキリンや3着ヴーレヴーの先行力を十分評価できていなかった。

つまり、

能力評価には一定の強みがある一方、展開や「現在の能力」と「昔の能力」の切り分けには改善余地がある

という、モデルの癖がかなり見えるレースになりました。

こういうレースこそ、的中したレース以上に後から分析する価値がある気がします。

まとめ

2026年のオールカマーは、9番人気メイショウゲキリンが逃げ切り。

2着にはAI指数1位のキャントウェイトが入りました。

AI上位5頭の結果は、

1位キャントウェイト → 2着
2位アスクドゥポルテ → 12着
3位パンジャ → 6着
4位エセルフリーダ → 9着
5位レガレイラ → 4着

でした。

勝ち馬を捉えることはできませんでしたが、3勝クラスを勝ち上がったばかりのキャントウェイトを市場より高く評価し、実際に重賞で2着まで走った点はかなり興味深い結果です。

一方、アスクドゥポルテの2位評価は明確な失敗でした。

また、勝ったメイショウゲキリン、3着ヴーレヴーはいずれも前で運んでいます。

重馬場で前が残る展開に対して、現在のモデルが十分対応できているのかは改めて検証したいところです。

今回のオールカマーで残ったテーマは、

「AIは馬の能力を評価できても、その能力が今回の展開で発揮できるかまで判断できているのか?」

ということ。

そしてもう一つ。

「AIが人気薄を上位にしたとき、それは現在の好調さを拾ったのか、過去の能力を引きずっただけなのか?」

キャントウェイトとアスクドゥポルテが、ちょうど対照的なサンプルになりました。

指数を当たり外れだけで終わらせず、この違いを少しずつ分解していけば、競馬AIが「何を見ているのか」がもう少し理解できるようになりそうです。

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