【AI指数観察ログ】神戸新聞杯(GⅡ)9/21 阪神11R|AI1位は8番人気想定エムズビギン。1.3倍ロブチェンを上位5頭から外した指数をどう見るか

AI指数観察のテーマ AI指数観察ログ

2026年9月21日の阪神11R・神戸新聞杯を、競馬AI指数と馬柱を重ねながら見ていきます。

今回のAI上位5頭は以下の通りでした。

AI順位馬番馬名p_win馬柱時点の人気
16エムズビギン9.80%8人気
210カフジエメンタール9.70%9人気
35カムアップローゼス8.41%10人気
49グリーンエナジー6.05%2人気
58シートゥサミット5.96%11人気

※AI側のodds=0.0はオッズを指数計算に取り込んでいない状態です。人気・オッズは競馬新聞取得時点のものとして、AI評価との比較材料に使います。

まず目につくのは、AI1~3位がそろって8~10番人気想定というかなり極端な並びです。

しかも1番人気想定は、皐月賞と日本ダービーを勝っているロブチェン。馬柱取得時点では単勝1.3倍でした。ところが、そのロブチェンがAI上位5頭に入っていません。ロブチェンはホープフルS、皐月賞、東京優駿とGIを3勝しており、実績だけを見れば今回のメンバーで抜けています。

人気薄を拾ったこと以上に、これだけ分かりやすい実績馬をAIが上位から外したことが、今回もっとも興味深いポイントかもしれません。

AI上位はかなりの混戦|1位と2位の差はわずか0.1ポイント

今回のp_winを見ると、エムズビギンが9.80%、カフジエメンタールが9.70%。

その差はわずか0.10ポイントです。

3位カムアップローゼスも8.41%ですから、「エムズビギンが抜けた本命」という指数ではありません。

さらに上位5頭を合計しても39.92%。

今回は、

「この馬が勝つ可能性がかなり高い」

というより、

「AIから見るとかなり勝ち馬を絞りにくい神戸新聞杯」

と解釈した方が自然でしょう。

そのなかで、市場とはかなり違う順番を作ってきた。

ここが今回の観察ポイントです。

AI1位エムズビギン|近2走だけでは8番人気も納得、それでもAIは最上位

AI1位は6番エムズビギン。

p_winは9.80%です。

馬柱取得時点では32.8倍の8番人気でした。

近走だけを見ると、強気になりにくい馬です。

日本ダービーでは14着。勝ったロブチェンから1.0秒差でした。その前の京都新聞杯も7着で0.7秒差。単純に直近の着順を追えば、ここで重賞の中心候補になるようには見えません。

ただし、そのさらに前を見ると少し印象が変わります。

きさらぎ賞ではゾロアストロとタイム差なしの2着。2歳時には東京芝2000mの未勝利戦を0.4秒差で勝利しています。

つまり、

  • 近2走の着順は悪い
  • しかし重賞で勝ち負けした履歴はある
  • 2400mのダービーでは14着でも着差は1.0秒
  • キタサンブラック産駒
  • 今回は2400mでなく阪神芝2400m……ではなく、新聞上の神戸新聞杯は芝2400m
  • 先行できる脚質

という馬です。

特に気になるのは、AIが「ダービー14着」という結果だけで評価を大きく落としていないこと。

人間が着順を見ると、

「ダービー14着だった馬」

と認識しやすいですが、モデルが走破時計、着差、位置取り、それ以前のパフォーマンスなどを総合しているなら、

14着というラベルほど内容を悪く見ていない

可能性があります。

もちろん、本当に何が指数を押し上げたのかは特徴量の寄与を確認しないと断定できません。

それでも今回、「なぜこの馬が1位なのか」を後から確認する価値はかなりありそうです。

AI2位カフジエメンタール|これは人気薄でも比較的理由を理解しやすい

AI2位は10番カフジエメンタール。

p_win=9.70%。

馬柱時点では41.6倍の9番人気です。

こちらはエムズビギンよりも、AIの高評価を理解しやすい馬です。

前走の熊野特別では芝2200mを2分12秒0で勝利。2番手から運び、上がり33秒8で押し切っています。

その前の阪神・城崎特別も2番手から勝利。

春の京都新聞杯では9着でしたが、その後は自己条件を連勝してここへ戻ってきました。

ここは、前日のオールカマーでAI1位キャントウェイトが2着したパターンとも少し重なります。

キャントウェイトも3勝クラスから重賞へ挑戦する馬でした。

そして今回のカフジエメンタールも、

「春の重賞実績ではなく、夏を越してからの上昇度をAIが高く評価している可能性」

があります。

3歳秋のトライアルでは重要な視点です。

春のクラシック組は当然人気します。

一方で、春にはまだ力が足りなかった馬が夏を越して急激に成長することがあります。

カフジエメンタールは8月30日に2勝クラスを勝ったばかりですが、そのレースは2200m。

今回の2400mへの距離延長はありますが、少なくとも中距離以上への適性を示しながらの連勝です。

人気薄AI上位の中では、個人的に最も「指数が何を見たのか」がイメージしやすい一頭です。

AI3位カムアップローゼス|京都新聞杯6着をどう評価するか

AI3位は5番カムアップローゼス。

p_win=8.41%。

馬柱取得時点では64.0倍、10番人気でした。

この馬もかなり人気との乖離があります。

前走は函館芝1800mの臥牛山特別を勝利。

その前は2000mの奥尻特別4着。

そして春には京都新聞杯へ出走し、勝ち馬コンジェスタスから0.5秒差の6着でした。

京都新聞杯ではコンジェスタスに負けています。

今回、そのコンジェスタスは4番人気想定。

しかしAIではカムアップローゼスが3位に入り、コンジェスタスは上位5頭圏外です。

ここにも「春の直接対決をそのまま序列として扱っていない」というAIの特徴が見えます。

カムアップローゼスは夏に函館で2戦。

前走を勝って休養に入りました。

京都新聞杯6着という重賞経験に加え、夏の自己条件で勝利している。

春より現在の能力が上昇しているとAIが判断しているのであれば、こちらもカフジエメンタールと似た「夏の成長組」と考えることができます。

今回のAI上位3頭は、

春のクラシックで完成していた馬ではなく、その後に能力を伸ばしている可能性がある馬

という共通点があるようにも見えます。

AI4位グリーンエナジー|人気馬の中で唯一上位5頭へ

AI4位は9番グリーンエナジー。

p_win=6.05%。

8.3倍の2番人気想定です。

今回のAI上位5頭の中では、唯一の上位人気馬です。

京成杯1着。

皐月賞7着。

日本ダービー16着。

クラシック路線を歩いてきた実績馬です。

特に皐月賞は勝ったロブチェンから0.5秒差。

ダービーでは1.5秒差の16着でしたが、2000m前後までの実績を見る限り能力は高い。

AIも完全に否定しているわけではありません。

ただし4位。

市場が2番人気まで評価していることを考えると、むしろ

「強いとは見ているが、市場ほど突出してはいない」

という位置でしょう。

さらに鉄砲成績は[1.0.0.1]。

3カ月半ぶりそのものを嫌う必要もなさそうです。

今回のAIでは人気薄ばかりが目立ちますが、実績馬の中で残ったのがグリーンエナジーという点も興味深いところです。

AI5位シートゥサミット|11番人気想定を5位まで引き上げた理由は何か

AI5位は8番シートゥサミット。

p_win=5.96%。

馬柱時点では100.1倍の11番人気。

今回もっとも人気との乖離が大きい一頭です。

重賞実績はありません。

5月に京都芝2400mの未勝利戦を勝ち、前走は阪神芝2400mの1勝クラスで2着。

前走は14番手付近から途中で位置を上げ、最終的には0.3秒差まで詰めています。未勝利戦でも後方から一気に動いて先頭に立つ競馬をしていました。

これだけを見ると、少なくとも

2400mそのものへの適性

は今回のメンバーでもかなり分かりやすい馬です。

格だけなら当然足りません。

1勝クラス2着馬がGIIに出走するわけですから、新聞上で最低人気になるのも理解できます。

ただ、AIがレース格よりも距離適性や走破内容を重視しているなら、この評価も説明はつきます。

特に3歳限定戦では「現在どのクラスにいるか」と「潜在能力」が必ずしも一致しません。

この馬が結果を出すようなら、今後、

条件戦の2400m好走歴をモデルが重く評価している

可能性を掘ってみたいところです。

最大の違和感|三冠級のロブチェンがAI上位5頭にいない

そして今回、避けて通れないのが1番ロブチェンです。

馬柱取得時点では単勝1.3倍。

ホープフルS1着。

皐月賞1着。

日本ダービー1着。

ダービーでは2分22秒7、上がり33秒2で勝っています。皐月賞では逃げ切り、日本ダービーでは中団から差す競馬。脚質にも幅があります。

普通に馬柱を読めば、

「まずロブチェンから考えるレース」

になります。

ところがAIは上位5頭に入れていません。

ここは「AIだから穴馬を見つけた」と簡単に喜ぶ場面ではないと思います。

むしろ、

モデルが何か重要な情報を取りこぼしていないか疑うべき場面

でもあります。

ロブチェンほど実績が突出している馬を低く評価した場合、考えられる仮説はいくつかあります。

たとえば、

  • GIの「格」そのものをモデルが十分評価していない
  • 休み明けがマイナスに作用している
  • 2400mでのパフォーマンスを意外と高く評価していない
  • 過去数走の特徴量が平滑化され、GI勝利の価値が薄まっている
  • 世代内の相対能力を表現する特徴量が不足している

などです。

ただし、これはあくまで仮説。

特徴量重要度やSHAPなどを確認しない限り、「なぜロブチェンが低いか」は断定できません。

個人的には、このレースで最も重要なのはエムズビギンが来るかどうか以上に、

「ロブチェンを外したAI判断は、本当に能力評価なのか、それともモデルの弱点なのか」

を確認することだと思います。

コンジェスタスも上位5頭外|京都新聞杯勝ち馬をAIは強く見ていない

もう一頭気になるのが7番コンジェスタス。

京都新聞杯を勝ち、日本ダービーも9着。

馬柱時点では13.7倍の4番人気です。

しかしAI上位5頭にはいません。

京都新聞杯では、

1着コンジェスタス
6着カムアップローゼス
7着エムズビギン
9着カフジエメンタール

という着順でした。

ところが今回のAI順位は、

エムズビギン1位
カフジエメンタール2位
カムアップローゼス3位
コンジェスタスは5位圏外

です。

春の直接対決が完全にひっくり返っています。

これはかなり面白いです。

つまり現在のAIは、

「京都新聞杯の着順」より、その後も含めた個々の走りを評価している

可能性があります。

カフジエメンタールはその後2連勝。

カムアップローゼスも函館で勝利。

一方コンジェスタスはダービー9着から休養。

もしこの差が指数に反映されたのであれば、「春の序列」より「夏以降の変化」を重視するモデルになっているのかもしれません。

ゴーラッキーも3番人気想定ながら上位圏外

3番ゴーラッキーも興味深い一頭です。

馬柱時点では11.8倍の3番人気。

前走の香港JCTでは東京芝2000mを1分57秒9で勝ち、2着に0.4秒差。2月の1勝クラスも0.6秒差で勝っています。

こちらは条件戦組の中でも戦績がきれいです。

それでもAI上位5頭にはいません。

カフジエメンタールやカムアップローゼスとの違いがどこにあるのか。

距離経験なのか。

過去の対戦相手なのか。

位置取りなのか。

走破時計なのか。

ここも結果を見たあとに特徴量を比較すると面白そうです。

今回は「実績馬vs上がり馬」という構図がかなり鮮明

馬柱とAI指数を重ねると、今回の神戸新聞杯はかなり分かりやすい構図になりました。

グループ主な馬
春のクラシック実績組ロブチェン、グリーンエナジー、コンジェスタス、アルトラムス
夏以降の上昇組カフジエメンタール、カムアップローゼス
AIが強く拾った人気薄エムズビギン、シートゥサミット
市場もAIも一定評価グリーンエナジー

一般的な競馬予想では春の実績組が中心になります。

特にロブチェンは三冠級の実績。

しかしAIはその序列をかなり崩してきました。

これは神戸新聞杯というレースそのものとも相性のいい観察テーマです。

3歳秋は、春のクラシック時点から数カ月が経過しています。

人間はどうしてもGIの結果を強く記憶します。

一方、夏の条件戦で成長した馬の能力をどこまで同じ物差しに乗せられるかは難しい。

今回のAIは、少なくとも順位だけなら

「春の肩書きをいったん忘れて現在値を比較し直す」

ような並びになっています。

それが正しいのか。

やり過ぎなのか。

レース結果が非常に楽しみです。

今回注目したい3つのポイント

今回、単純にAI1位の着順を見るだけでは少しもったいないと思います。

観察したいのは次の3点です。

  • ロブチェンは本当にAI評価以上に強いのか
  • AI1~3位の人気薄は、夏を越した成長を捉えているのか
  • 2400m適性を持つシートゥサミットをAIが拾った意味はあるのか

特に1つ目は重要です。

仮にロブチェンが順当に圧勝した場合、

「AIは人気馬を嫌った」

では済ませず、

なぜこれほど明確な能力差を表現できなかったのか

をモデル側から検証する必要があります。

逆にロブチェンが敗れ、AI上位の人気薄が上位に来るなら、「春の実績より現在値を重視したこと」が意味を持っていた可能性が出てきます。

どちらに転んでも、モデルを理解する材料になるレースです。

まとめ

2026年の神戸新聞杯でAI1位となったのは、8番人気想定のエムズビギンでした。

2位カフジエメンタールは9番人気、3位カムアップローゼスは10番人気。

AI上位3頭すべてが人気薄です。

その一方で、皐月賞・日本ダービーを含むGI3勝のロブチェンは上位5頭圏外。京都新聞杯勝ち馬コンジェスタスも圏外でした。

かなり攻めた指数です。

ただし、AI1位エムズビギンでもp_winは9.80%。

2位との差もわずか0.10ポイントなので、「人気薄を強く推している」というより、

AI自身も混戦と見ながら、市場とは違う序列を作った

と見る方が適切だと思います。

今回特に面白いのは、春のクラシック実績よりも、カフジエメンタールやカムアップローゼスといった夏以降の上昇組が上に来ていること。

そして1勝クラス2着のシートゥサミットまで5位に入っています。

神戸新聞杯が終わったときに確認したいのは、単なる「AI1位が当たった、外れた」ではありません。

春の実績馬と夏の上がり馬を、現在のモデルは正しく比較できているのか。

そして、

ロブチェンを上位から外したのは鋭い判断だったのか、それともAIの明確な弱点だったのか。

今回の神戸新聞杯は、その答えを確認するにはかなり面白い一戦になりそうです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました