2026年8月29日の新潟7R・赤倉特別は、1番人気の2番ボウウィンドウが1分58秒6で勝利しました。2着には8番人気の5番ロールザダイス、3着には11番人気の15番スピンザブラッドが入り、3連単は10万7180円。人気馬が勝ちながら、相手に伏兵が入る結果となりました。
今回の競馬AI指数では、16番ピエナフェーヴルを1位、7番ジャンビを2位、6番オリバナムを3位、1番ハギノコラソンを4位、12番マイネルアズーロを5位に評価していました。
しかし結果を見ると、AI1位ピエナフェーヴルが5着、AI2位ジャンビが11着、AI3位オリバナムが8着、AI4位ハギノコラソンが12着、AI5位マイネルアズーロが4着。AI上位5頭から馬券圏内へ入った馬はおらず、予想としては厳しい結果になりました。
特に今回は、事前記事で注目した「人気薄をAIが高く評価した理由」が実戦でどこまで通用するかを見るうえで興味深い一戦でした。結果から考えると、今回のAIには少し明確な課題が見えてきたように思います。
赤倉特別の結果
上位結果を整理すると次のようになりました。
| 着順 | 馬番 | 馬名 | 人気 | オッズ | 上がり |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | ボウウィンドウ | 1人気 | 2.0倍 | 34.3 |
| 2 | 5 | ロールザダイス | 8人気 | 23.1倍 | 34.6 |
| 3 | 15 | スピンザブラッド | 11人気 | 50.4倍 | 33.8 |
| 4 | 12 | マイネルアズーロ | 4人気 | 8.9倍 | 34.4 |
| 5 | 16 | ピエナフェーヴル | 2人気 | 6.6倍 | 35.0 |
| 6 | 17 | マイネルアレス | 5人気 | 11.5倍 | 35.3 |
| 7 | 8 | ホウオウタイタン | 3人気 | 7.0倍 | 35.1 |
| 8 | 6 | オリバナム | 9人気 | 23.6倍 | 35.4 |
| 11 | 7 | ジャンビ | 14人気 | 133.1倍 | 34.6 |
| 12 | 1 | ハギノコラソン | 13人気 | 84.1倍 | 34.7 |
単勝は2番ボウウィンドウが200円。
馬連2-5が2400円、3連複2-5-15が3万7950円、3連単2→5→15が10万7180円でした。
1番人気が勝ったレースとしては、かなり高配当です。
つまり今回の難しさは「勝ち馬を見つけること」よりも、「相手として人気薄の5番と15番を拾えるか」にありました。
そして残念ながらAIは、そこを拾うことができませんでした。
AI指数と結果を振り返る
事前のAI指数は以下の通りでした。
| AI順位 | 馬番 | 馬名 | p_win | 最終人気 | 結果 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 16 | ピエナフェーヴル | 0.1749 | 2人気 | 5着 |
| 2 | 7 | ジャンビ | 0.1630 | 14人気 | 11着 |
| 3 | 6 | オリバナム | 0.1514 | 9人気 | 8着 |
| 4 | 1 | ハギノコラソン | 0.1454 | 13人気 | 12着 |
| 5 | 12 | マイネルアズーロ | 0.0939 | 4人気 | 4着 |
上位4頭のp_winはかなり接近していました。
ピエナフェーヴル17.49%に対して、ジャンビ16.30%、オリバナム15.14%、ハギノコラソン14.54%。
事前には「4頭による混戦」と見ていましたが、実際にはその4頭から馬券圏内へ入った馬はいませんでした。
一方で、AI上位5頭の中では最も低い9.39%だったマイネルアズーロが4着。
今回については、AIが強く評価した要素と実際のレースを支配した要素との間にズレがあったと考えた方がよさそうです。
勝ったボウウィンドウは市場の評価が正しかった
1着は2番ボウウィンドウ。
1番人気2.0倍でした。
事前の馬柱を見るだけなら、むしろ非常に分かりやすい存在でした。
東京芝2000mの1勝クラスを勝利した後、2勝クラスでも3着、2着、2着と安定。前走の松島特別こそ11着でしたが、それ以前の内容を考えれば能力上位と見ることは難しくありませんでした。
それでもAIの上位5頭には入りませんでした。
この点は今回の最も重要な反省材料の一つです。
レースでは5番ロールザダイスが先頭。その後ろに13番、17番がおり、ボウウィンドウは好位集団で競馬を進めています。
そして最後の直線ではしっかりと脚を伸ばして1分58秒6。
上がり34秒3でした。
決して後方から驚異的な末脚を使ったわけではありません。
むしろ、
好位で流れに乗り、最後まで速い脚を使った
という非常にオーソドックスな勝ち方でした。
今回のAIがジャンビやピエナフェーヴルのような末脚型を高く評価したのに対して、実際に勝ったのは位置を取れるボウウィンドウ。
ここに今回のズレが象徴されているように見えます。
最大のポイントは「Sペース」
今回のラップは、
13.1-11.2-11.5-11.9-12.1-12.3-12.0-11.6-11.1-11.8
でした。
1000m通過は59秒8。
数字だけなら極端に遅く見えないかもしれませんが、JRAのペース判定は「S」。
特に注目したいのは後半です。
1600mから1800mまでの200mが11秒1。
つまり各馬が余力を残した状態から、一気に加速する競馬になりました。
新潟外回りということで「後方から末脚を使える馬」を評価したくなる条件ですが、長い直線があるからといって、必ずしも後方有利になるわけではありません。
むしろスローペースでは、
前にいる馬も脚が残っています。
後方の馬は速い上がりを使ったとしても、前も同じように速く走っているため差が縮まりません。
今回の結果はまさにその形だったように思います。
2着ロールザダイスは逃げて粘る
2着は8番人気の5番ロールザダイス。
23.1倍でした。
3コーナー、4コーナーともに先頭。
そのまま直線へ入り、最後はボウウィンドウに交わされましたが半馬身差の2着に残りました。
上がりは34秒6。
逃げ馬としては十分な脚です。
今回のレースが前半から厳しい消耗戦になっていれば、最後まで残すことは難しかったかもしれません。
しかしスローからの瞬発力勝負になったことで、自分のペースで運べたロールザダイスにも脚が残りました。
事前のAIでは上位5頭に入っていません。
ここは今後、展開予測とp_winをどこまで結びつけるかという課題になりそうです。
競走馬の絶対的な能力だけでなく、
「このメンバーなら誰が逃げるのか」
「その逃げ馬に競りかける馬がいるのか」
「1000m通過がどの程度になりそうか」
まで推定できれば、ロールザダイスの評価は変わった可能性があります。
3着スピンザブラッドは上がり最速33秒8
3着は11番人気の15番スピンザブラッド。
50.4倍でした。
今回の馬券的なポイントは、この馬だったと思います。
上がりはメンバー最速の33秒8。
勝ち馬から0.4秒差まで追い上げました。
前走の月岡温泉特別では同じ新潟外回りの芝1800mを4着。そこで一定のコース適性を示していました。
今回のAIはジャンビについて、
「前走の新潟芝1800mで上がり33秒0を記録している」
ことを注目材料としていました。
しかし実際に上位へ来たのは、ジャンビではなくスピンザブラッドでした。
これはかなり興味深い結果です。
ジャンビ11着――「上がり33秒0」を評価しすぎたか
今回もっとも検証したかった馬が7番ジャンビです。
AI2位。
p_win=16.30%。
最終的には14番人気133.1倍まで人気を落としていました。
単純に数字だけ比較すれば、市場とAIの評価が異常なほど乖離していた馬です。
前走の三面川特別では新潟芝1800mを5着。
そこで上がり33秒0。
さらに今回は56kgから52kgへ4kg減。
事前記事では、この2点がAIの高評価につながった可能性を考えました。
しかし結果は11着。
上がりは34秒6でした。
今回の結果だけで考えると、
「前走で速い上がりを使った」という特徴をAIが強く評価しすぎた可能性
は検証する必要がありそうです。
競馬では上がり3Fの数字だけを比較しても、その価値は同じではありません。
33秒0を使ったレースが、
前半のペースはどうだったのか。
前にいた馬はどの程度の上がりだったのか。
馬場状態はどうだったのか。
どの位置から脚を使ったのか。
こうした背景によって価値は変わります。
今回のようなスローでは、仮に後方から34秒前半を使ったとしても、前が11秒台前半で走ってしまえば届きません。
「速い上がりを出せる馬」と「レースで勝てる馬」は必ずしも同じではないことがよく分かる結果でした。
一方でスピンザブラッドは33秒8で3着
ジャンビとの比較で考えると、15番スピンザブラッドは非常に興味深い存在です。
最終的には11番人気50.4倍。
しかし同じ新潟外回りの前走・月岡温泉特別では4着と、ジャンビ以上に着順として結果を残していました。
そして今回も上がり33秒8で3着。
つまり今回AIが取りこぼしたのは、
「新潟外回りで末脚を使える人気薄」
そのものではありません。
むしろ、
その中でどの馬の末脚に再現性があるのか
という部分だったのかもしれません。
ジャンビの前走上がり33秒0は非常に目立つ数字です。
だからこそモデルの特徴量として強く効いてしまう可能性があります。
しかし、一度だけ極端に速い上がりを記録した馬を評価するより、
直近複数走で安定して速い上がりを使っているか。
同じコースで継続的にパフォーマンスを出しているか。
着順だけでなく勝ち馬との着差が安定しているか。
といった情報を組み合わせた方が、今回のスピンザブラッドを拾いやすかった可能性があります。
AI1位ピエナフェーヴルは5着
AI1位だった16番ピエナフェーヴルは5着。
2番人気6.6倍でした。
前走は福島芝1800mで16番手付近から差し切り。
非常に印象的な勝ち方でした。
今回もその末脚を期待しましたが、結果的には上がり35秒0。
AI上位馬の中では最も市場から支持されていた馬ですが、今回は伸び切れませんでした。
ただし5着ですから、大きく能力評価を間違えていたとは言い切れません。
むしろ今回については、
「勝つ能力」よりも「展開との相性」が噛み合わなかった
と見る余地があります。
前走のように差しが生きる流れなら結果が変わった可能性はあります。
この馬についてはAI評価そのものを否定するより、展開条件によって勝率をどの程度変動させるべきだったかを考える方がよさそうです。
マイネルアズーロ4着はAI上位で最も健闘
AI5位の12番マイネルアズーロは4着。
最終的には4番人気8.9倍でした。
AI上位5頭の中では最先着です。
前走は今回と同じ新潟芝2000m外回りの尖閣湾特別を勝利。
事前記事でも「AI上位の穴馬の中では最も根拠を説明しやすい」としました。
結果的にも4着まで来ました。
馬券圏内には届きませんでしたが、今回の上位評価の中では比較的妥当だったように思います。
この結果を見ると、
単純な上がりタイムだけではなく、
同一コースでの実績
には一定の再現性がある可能性があります。
ジャンビも新潟経験はありましたが、同じ芝2000mでは15着。
一方、マイネルアズーロは同コースを実際に勝っています。
こうした「コース経験の質」をモデルがより細かく区別できれば、指数の順位にも変化が出そうです。
オリバナムは距離延長が響いた可能性
AI3位の6番オリバナムは8着。
9番人気23.6倍でした。
事前から懸念していたのが距離です。
近走は芝1600mを中心に走っており、今回は2000mへ400m延長。
AIは15.14%という高い勝率を出しましたが、結果として上位争いには加われませんでした。
3~4コーナーでは比較的前の位置にいましたが、直線で伸び切れず上がり35秒4。
今回の結果だけを見る限り、事前に考えていた
「AIがマイルでの能力を2000mへ持ち込みすぎているのではないか」
という懸念は残ります。
距離変更の扱いは今後の検証テーマにしたいところです。
単純に過去の走破指数が高い馬でも、その指数を記録した距離と今回の距離が大きく違えば、同じ価値として扱うべきではありません。
ハギノコラソン12着、芝替わりは不発
AI4位だった1番ハギノコラソンは12着。
最終13番人気84.1倍。
近走はダート1800mを走っており、今回は久しぶりの芝。
AIは14.54%というかなり高い評価を与えていました。
しかし結果として、この高評価は実戦にはつながりませんでした。
上がり34秒7。
大きく崩れたわけではありませんが、勝負圏へ入ることはできませんでした。
ここも重要な検証ポイントです。
ダートで記録した能力値が、芝替わりでも過度に高い評価として残っていないか。
芝・ダートを跨いだ能力比較については、今回の結果をサンプルとして確認していきたいところです。
今回のAIに見えた3つの課題
今回の結果から、特に確認したいポイントは3つあります。
| 課題 | 今回の例 | 検証したいこと |
|---|---|---|
| 上がり評価 | ジャンビ | 単発の高速上がりを過大評価していないか |
| 距離変更 | オリバナム | マイル実績を2000mへ引き継ぎすぎていないか |
| 芝ダート変更 | ハギノコラソン | ダート能力を芝でも高く評価していないか |
そしてもう一つ追加するなら、展開予測です。
今回のレースはSペース。
逃げたロールザダイスが2着。
好位にいたボウウィンドウが1着。
直線勝負になってから33秒8を使ったスピンザブラッドが3着。
「末脚がある」という情報だけでは足りません。
どこからその末脚を使えるかまで評価しなければ、勝率には結びつきません。
「人気薄を当てられなかった」で終わらせない
今回のAI予想は、結果だけ見れば失敗です。
AI上位5頭は、
5着
11着
8着
12着
4着。
馬券圏内はゼロ。
一方、2着23.1倍のロールザダイスと3着50.4倍のスピンザブラッドはAI上位に入っていませんでした。
ただ、こういうレースこそモデル改善には価値があります。
例えばジャンビ。
「14番人気をAIが2位評価した」という事実だけなら非常に面白いです。
しかし外れたからといって、
「やっぱりAIはダメだった」
で終われば何も残りません。
なぜ16.30%になったのか。
どの特徴量が順位を押し上げたのか。
斤量52kgなのか。
前走上がり33秒0なのか。
新潟外回り経験なのか。
それらの特徴量を一つずつ分解すると、今回の外れには次の予想を改善するヒントが含まれているはずです。
AI競馬で重要なのは、派手な穴馬を当てることよりも、なぜその穴馬を高く評価したのかを説明できる状態に近づけることなのだと思います。
まとめ
2026年の赤倉特別は、1番人気ボウウィンドウが勝利。
2着に8番人気ロールザダイス、3着に11番人気スピンザブラッドが入り、3連単10万7180円の高配当になりました。
AI予想では16番ピエナフェーヴルを1位、7番ジャンビを2位、6番オリバナムを3位、1番ハギノコラソンを4位、12番マイネルアズーロを5位に評価しましたが、最高着順はマイネルアズーロの4着。
今回は明確にAI側の敗戦でした。
ただし、結果から見えてきたものもあります。
特に気になったのは、ジャンビのような「前走で非常に速い上がりを使った馬」への評価です。
新潟外回りでは末脚が重要。
これは間違いではありません。
しかし今回のようなSペースでは、後方から速い脚を使えるだけでは届きません。
実際に勝ったボウウィンドウは好位から34秒3。
逃げたロールザダイスが34秒6で2着。
そしてスピンザブラッドが33秒8で3着でした。
つまり重要なのは、
速い上がりを持っているかではなく、その上がりを勝負になる位置から使えるか。
今回の結果は、その違いを改めて考えさせられるレースでした。
ジャンビの上がり評価、オリバナムの距離延長、ハギノコラソンの芝替わり。
このあたりがAIの高評価にどの程度影響していたのかは、今後確認してみたいポイントです。
当たったレースだけではAIは育ちません。
むしろ今回のように、市場とAIの評価が大きく違い、そのAI側が明確に外れたケースほど、「何を学び直すべきなのか」が見えやすくなります。
赤倉特別は馬券的には悔しい結果でしたが、モデルを理解する材料としてはかなり興味深い一戦になりました。



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