2026年10月12日に京都芝1400mで行われたスワンS。
AI指数では、1番ダイヤモンドノットをp_win=0.1527で1位評価していました。
結果は、そのダイヤモンドノットが1分19秒2で1着。2着スズハローム、3着オフトレイルまでが同じ1分19秒2で入線する接戦となりました。
一方、今回の予想で大きな注目ポイントだったのが、AI指数2位ながら15番人気だったビッグシーザーです。こちらは7着。さらにAI3位ミニトランザットは11着、4位ワイドラトゥールは12着、5位マイネルチケットは6着となりました。
「AI1位が勝った」という結果だけを見れば成功ですが、上位評価馬全体を見ると課題も残るレースです。
今回は予想時点で考えていた仮説と実際のレース内容を照らし合わせながら、AIが何を捉え、何を捉えきれなかったのかを振り返ります。
スワンSの結果とAI指数
まずはAI上位5頭と結果を整理します。
| AI順位 | 馬番 | 馬名 | p_win | 人気 | 結果 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | 1 | ダイヤモンドノット | 0.1527 | 2人気 | 1着 |
| 2位 | 5 | ビッグシーザー | 0.1188 | 15人気 | 7着 |
| 3位 | 17 | ミニトランザット | 0.0855 | 9人気 | 11着 |
| 4位 | 14 | ワイドラトゥール | 0.0726 | 11人気 | 12着 |
| 5位 | 13 | マイネルチケット | 0.0600 | 5人気 | 6着 |
上位5頭から勝ち馬は出ましたが、馬券圏内に入ったのはダイヤモンドノットだけでした。
一方で、着順だけを見るより少し注意したい点があります。
ビッグシーザー、マイネルチケット、ミニトランザットはいずれも1分19秒5。勝ったダイヤモンドノットとの差は0.3秒です。
ワイドラトゥールも1分19秒7で0.5秒差。
つまり、
AI上位馬が能力的に大きく見当違いだったというより、接戦の中で着順を取り切れなかった
という見方もできます。
もちろん競馬では0.3秒差でも1着と11着に分かれます。
その僅かな差を予測することこそ難しいわけですが、今回の結果は「順位」と「能力差」を同じものとして扱わない方がよさそうです。
レースは1分19秒2、上位3頭がほぼ横一線
レースの勝ち時計は1分19秒2。
ラップは、
12.0-10.6-11.0-11.3-11.6-11.3-11.4
でした。
公式表示ではミドルペース。
400m通過は22秒6、600mは33秒6、800m44秒9、1000m56秒5、1200m1分07秒8となっています。
前半400mで10秒6という速いラップが入っていますが、その後は極端にペースが落ちることもなく、最後まで11秒台を維持しました。
3コーナーでは12番アイサンサンと16番ランフォーヴァウが先頭付近。18番エリカエクスプレスがその直後に続き、勝ったダイヤモンドノットはその後ろの好位グループにいました。
ダイヤモンドノットにとっては、かなり理想的な形だったと考えられます。
前の争いに巻き込まれすぎず、それでいて後方から差し届かないという位置でもない。
直線では33秒8でまとめ、最後はスズハロームとの僅差を制しました。
一方、2着スズハロームの上がりは32秒7。
3着オフトレイルも33秒2。
前目で運んだダイヤモンドノットと、後方から鋭く伸びてきたスズハローム、オフトレイルがほぼ同時にゴールしています。
今回の結果だけを見る限り、
「前に行けば有利」
「差し馬場だった」
と単純に片づけられるレースではありません。
その中で好位から抜け出して勝ち切ったダイヤモンドノットは、展開と能力の両方が噛み合った印象です。
AI1位ダイヤモンドノットは1400mへの距離延長で巻き返した
今回もっとも素直に評価できるのは、AI指数1位ダイヤモンドノットです。
p_winは15.27%。
最終的には6.1倍の2番人気でした。
予想記事では、前走セントウルS8着という結果より、
ファルコンSを勝っている1400m実績を重視できないか
という点に注目しました。
この仮説は結果的にうまく当てはまりました。
前走は1200m。
セントウルSでは7~8番手から8着でしたが、今回は1400mに延長。
さらに1枠1番からロスなく好位を確保できました。
ファルコンSでは芝1400mを1分19秒8で勝利。
今回も1分19秒2。
1400mで求められるスピードと持続力が、1200mより合っていた可能性は高そうです。
また、結果だけでなくレース内容も重要です。
今回は後方一気や展開待ちではありません。
好位を取り、最後まで脚を使って勝っています。
AI指数1位については、
「偶然勝った」
というより、
今回の条件替わりを一定程度捉えられていた可能性がある
と評価したい結果でした。
ただしp_winは15.27%です。
AIが圧倒的な本命としていたわけではありません。
1位だった馬が勝ったからといって「15.27%という確率予測が正しかった」とまでは言えない点には注意が必要です。
指数順位と確率の精度は、長期間のデータで検証する必要があります。
最大の反省点は2着スズハロームを拾えなかったこと
一方、今回のAI予想でもっとも大きな取りこぼしは4番スズハロームでしょう。
8番人気、単勝19.7倍。
結果は2着。
しかも上がり32秒7はメンバー最速でした。
直線では後方から一気に伸び、ダイヤモンドノットとはハナ差。
AI上位5頭には入っていませんでした。
これは結果論として片づけず、モデル側の観察材料にしたいところです。
今回のスズハロームは、単純な近走着順だけを見ると評価しにくい部分もありました。
しかし過去にはダービー卿CTを勝ち、洛陽Sも勝利。
高速決着で末脚を使える能力そのものは持っていました。
そして今回の京都1400mでは、32秒7という非常に速い上がりを使っています。
今後確認したいのは、
近走成績の悪化によって、過去のピークパフォーマンスをモデルが必要以上に割り引いていないか
という点です。
競馬では近走成績を重視するのは当然ですが、それだけでは復調する人気薄を拾いにくくなります。
特に今回のような古馬重賞では、
「最近走っていない馬」
と、
「能力そのものが落ちた馬」
を区別できるかが重要になります。
スズハロームは、その検証材料として記録しておきたい一頭です。
1番人気オフトレイルは3着、AI上位外はやや厳しい結果
もう一つ振り返っておきたいのが9番オフトレイルです。
最終的には3.9倍の1番人気。
結果は3着。
AI上位5頭には入っていませんでした。
予想記事でも触れましたが、オフトレイルは昨年のスワンS4着馬で、今年の安田記念でも勝ち馬から0.2秒差。
今回の条件への適性を考えれば、市場が1番人気に支持したのは理解できます。
結果も3着。
勝ち馬とは時計上同じ1分19秒2でした。
したがって、
人気ほど勝率を高く見なかったこと自体はともかく、上位候補から完全に外した点はAI側の課題
と考えた方がいいでしょう。
今回の上位3頭は、
1着 AI1位ダイヤモンドノット
2着 AI上位外スズハローム
3着 AI上位外オフトレイル
でした。
AI指数1位こそ勝っていますが、レース全体を捉えたという意味では十分ではありません。
この辺りは「本命的中」という言葉だけでは見えなくなる部分です。
AI2位ビッグシーザーは15番人気7着
予想時点でもっとも面白かったのはビッグシーザーでした。
AI指数2位。
p_win=11.88%。
しかし最終的には単勝57.1倍の15番人気。
市場とAIに極端な評価差がありました。
結果は7着。
指数2位としては明確に期待を下回った結果です。
ただし勝ち時計1分19秒2に対し、ビッグシーザーは1分19秒5。
着差は0.3秒でした。
15番人気という市場評価から考えれば、まったく競馬にならなかったわけでもありません。
この結果は少し扱いが難しいところです。
AIの11.88%という評価が正しかったとは言えません。
しかし、
「15番人気相当の能力しかなかった」
と断定する内容でもありません。
今回のようなケースでは、一度の着順だけでモデル評価の正誤を決めるのは危険です。
同じように、
- AI上位
- 市場では大穴
- 実際には勝ち馬から僅差
という馬を今後何頭も集め、
それらが長期的にどの程度走るのかを見る必要があります。
個人的には、こうした馬こそAI指数を続けて記録する意味があると思っています。
当たったか外れたかではなく、
市場がほとんど期待していない馬をAIが高評価したとき、その馬が実際にどの程度走るのか
を蓄積できるからです。
マイネルチケットは6着、指数5位としては惜しい内容
AI5位だった13番マイネルチケットは6着。
勝ち馬とは0.3秒差でした。
予想時点では、パラダイスS1着、京王杯SC3着という1400m実績を評価しました。
結果として馬券圏内には届きませんでしたが、大きく負けてもいません。
今回のように、
1着から11着までが0.3秒程度の範囲に収まるレースでは、着順だけで能力差を判断するのは難しくなります。
マイネルチケットについては、
「AI5位なのに6着だったからほぼ当たり」
と評価する必要もありませんが、
「6着だったから指数評価が間違い」
と切り捨てる必要もありません。
むしろ今回の結果は、
能力順位を予測することと、実際の着順を当てることは別物
という競馬の難しさをよく表しています。
ミニトランザット11着でも勝ち馬とは0.3秒差
AI3位ミニトランザットは11着。
数字だけを見ると大きく評価を外したように感じます。
しかし時計は1分19秒5。
ビッグシーザーやマイネルチケットと同じです。
勝ち馬との差も0.3秒。
ここは今回特に面白い部分です。
同じ1分19秒5だった馬でも、
5着ジョイフルニュース
6着マイネルチケット
7着ビッグシーザー
8着エリカエクスプレス
9着ランフォーヴァウ
10着レザベーション
11着ミニトランザット
まで着順が分かれています。
レース後に「11着」という数字だけを見ると大敗に感じます。
しかし実際には勝ち馬との差は僅か。
こうしたレースでは、AIの順位評価を着順だけで検証すると少し歪みます。
今後モデル評価を振り返る際には、
「着順」
だけでなく、
「勝ち馬との着差」
もセットで残した方が良さそうです。
これは今回のスワンSから得られた、かなり重要な気付きだと思います。
ワイドラトゥールは12着、休み明けの影響も含め再検証
AI4位ワイドラトゥールは12着。
1分19秒7で、勝ち馬から0.5秒差でした。
予想では1400m重賞での実績を評価材料としていましたが、今回は結果につながりませんでした。
5カ月ぶりの実戦だったこともあり、AI評価がやや強すぎた可能性があります。
特に休み明け成績は鉄砲[0.0.0.2]。
もちろんサンプルは小さいものの、馬柱情報だけを見ると強く買いやすい条件ではありませんでした。
こうした
能力値は高くても、今回走れる状態にあるか
という部分はAI予想で難しいテーマです。
過去走データから能力を評価できても、休み明けや状態面の影響をどこまでモデルに反映できるか。
今後の改善余地として考えておきたいポイントです。
3番人気エリカエクスプレスは8着
逆に、AI上位5頭から外していた18番エリカエクスプレスは8着でした。
最終3番人気、6.2倍。
予想時点では、1800mや1600mを中心に走ってきた馬が1400mへ短縮する点を観察ポイントとしていました。
結果的には8着。
前めにつけましたが、直線で伸び切れませんでした。
この馬については、
市場ほど高く評価しなかったAI側の判断は一定程度機能した
と見ることができます。
ただしこちらも勝ち馬との差は0.3秒。
着順ほど大きく負けたわけではありません。
人気馬を消せた、というほど単純な結果でもありません。
今回のレースから「着順だけではAIを評価できない」と感じた
スワンSを振り返って特に感じるのはこれです。
AI指数の予測精度を、
「何位の馬が何着だったか」
だけで評価すると、実態をかなり見誤ります。
今回のAI上位5頭は、
1着
7着
11着
12着
6着
でした。
これだけを見ると、
「1位だけ当たって、残りはかなり外れた」
となります。
しかし時計を見ると、
| 馬名 | AI順位 | 着順 | 勝ち馬との差 |
|---|---|---|---|
| ダイヤモンドノット | 1位 | 1着 | 0.0秒 |
| ビッグシーザー | 2位 | 7着 | 0.3秒 |
| ミニトランザット | 3位 | 11着 | 0.3秒 |
| ワイドラトゥール | 4位 | 12着 | 0.5秒 |
| マイネルチケット | 5位 | 6着 | 0.3秒 |
かなり印象が変わります。
競馬では0.3秒の中に何頭も入ることがあります。
モデルが馬の潜在能力をある程度捉えていたとしても、位置取り、進路、展開などによって最終着順は大きく変わります。
だからこそ今後のAI指数検証では、
- 着順
- 勝ち馬との着差
- 人気
- AI順位
- p_win
をセットで保存しておくと、モデルの特徴がさらに見えやすくなりそうです。
「AI2位が7着だった」
だけではなく、
「15番人気だったAI2位が0.3秒差7着だった」
まで記録する。
この違いは長期検証ではかなり大きいと思います。
AI指数1位の勝利をどう評価するか
今回、AI指数1位ダイヤモンドノットが勝ちました。
これは素直に良い結果です。
特に、
前走セントウルS8着
↓
1400mへ距離延長
↓
ファルコンS勝ちの距離に戻る
という条件変化を予想時点で注目できていました。
一方で、ここで
「AI指数1位だから勝てる」
と考えてしまうのは危険です。
p_winは15.27%。
数字上は、負ける可能性の方が圧倒的に高かった馬です。
今回勝ったという一例だけで指数の精度を判断することはできません。
逆に、11.88%だったビッグシーザーが負けたからといって、11.88%という推定が間違っていたとも断定できません。
確率予測は、大量の試行で初めて評価できます。
p_win=0.10前後の馬が100頭いたとき、本当に10頭程度勝つのか。
p_win=0.15の馬が長期的に15%程度勝つのか。
最終的にはこちらを確認する必要があります。
今回のスワンSは、その検証データの一つとして記録しておきます。
まとめ
2026年スワンSは、AI指数1位ダイヤモンドノットが1着。
前走セントウルS8着から1400mへの距離延長で巻き返し、ファルコンS勝ちという1400m適性を改めて示す結果となりました。
この部分については、予想時点で立てた仮説とうまく一致しました。
一方、2着スズハローム、3着オフトレイルはAI上位5頭外。
特に8番人気スズハロームが上がり32秒7で2着まで追い込んだ点は、今回のモデルが拾えなかった大きな材料です。
注目していたAI2位ビッグシーザーは15番人気から7着。
結果として馬券圏内には入りませんでしたが、勝ち馬からは0.3秒差でした。
AI3位ミニトランザットも11着ながら0.3秒差、5位マイネルチケットも6着で0.3秒差。
今回のレースは、
「指数順位と着順だけを比較すると見えなくなるものがある」
ことを改めて感じる結果でもありました。
AI1位が勝ったことは成果。
スズハロームを拾えなかったことは課題。
ビッグシーザーを15番人気ながら2位評価し、0.3秒差まで走ったことは今後の検証材料。
一つのレースを「当たった」「外れた」で終わらせず、どこまでモデルが競走能力を捉えていたのかを見る。
スワンSも、今後のAI指数を改善するための一つの観察記録として残しておきたいと思います。




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