2026年10月12日の京都11Rは、GIIスワンS。
京都芝1400m・外回り、18頭立てで行われます。競馬新聞上の展開想定はミドルペース。前日時点では「波乱含み」と評価されており、人気馬だけを素直に並べればよいレースではなさそうです。
今回のAI指数は次のようになりました。
| AI順位 | 馬番 | 馬名 | p_win | 前日人気 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | 1 | ダイヤモンドノット | 0.1527 | 3人気 |
| 2位 | 5 | ビッグシーザー | 0.1188 | 15人気 |
| 3位 | 17 | ミニトランザット | 0.0855 | 7人気 |
| 4位 | 14 | ワイドラトゥール | 0.0726 | 11人気 |
| 5位 | 13 | マイネルチケット | 0.0600 | 5人気 |
※人気・オッズは競馬新聞に掲載された前日19時47分時点のものです。最終オッズとは異なる可能性があります。
1位ダイヤモンドノットのp_winは15.27%。
2位ビッグシーザーが11.88%で続きます。
今回面白いのは、単純に指数1位が抜けていることではありません。
むしろ注目したいのは、市場人気とのズレです。
ダイヤモンドノットは3番人気なので、AIと市場評価は比較的近い位置にあります。
一方で、ビッグシーザーは前日時点で単勝61.9倍の15番人気。それをAIは2位まで引き上げました。
4位ワイドラトゥールも11番人気。
逆に、前日1番人気のエリカエクスプレス、2番人気オフトレイルはAI上位5頭に入っていません。
今回は「どの馬が強いのか」だけではなく、
AIが市場と何を違って見ているのか
という観点からスワンSを観察してみます。
AI指数はダイヤモンドノットを1位評価
AI指数1位は1番ダイヤモンドノット。
p_winは0.1527、モデル上の勝率は15.27%となりました。
前走セントウルSでは4番人気で8着。芝1200mを1分07秒7、上がり33秒7で走っています。数字だけを見れば物足りない結果でしたが、その前にはNHKマイルCで5着。そして今年3月のファルコンSでは芝1400mを1分19秒8で勝っています。
ここは今回かなり重要です。
近走だけを見ると、
「セントウルS8着から重賞で巻き返せるのか」
という印象になりやすい。
しかし、今回の条件は1200mではなく1400mです。
ダイヤモンドノットはすでに重賞のファルコンSで1400mを勝利。
しかもNHKマイルCでも5着に入っています。
つまり1200m色の強いスプリンターというより、
1400~1600mに実績を持つ3歳馬が、前走だけ1200mを使った
と考えることもできます。
前走8着という着順だけを見て評価を落とすより、1400mへの距離延長をプラスに捉えた方が自然かもしれません。
さらに今回は1枠1番。
競馬新聞でも当日の馬場について内枠有利の可能性に触れられており、この条件が追い風になる余地もあります。 20261012_京都11RスワンS_netkeiba競馬新聞…
一方で、p_win15.27%です。
AI1位とはいえ、
「圧倒的にこの馬」
という数字ではありません。
100回同じ条件を走ったと仮定したモデル上のイメージなら、およそ6~7回に1回程度の勝利。
1位だから信頼できるというより、
混戦の中で相対的に最上位
という解釈の方が近そうです。
AI2位ビッグシーザーが今回最大の観察対象
今回もっとも興味深いのは5番ビッグシーザーです。
AI指数2位。
p_win=0.1188。
それに対して前日時点の市場評価は15番人気、単勝61.9倍でした。
かなり大きな乖離です。
単純に指数だけを見るなら、今回の記事で最も「なぜ?」となる馬でしょう。
近走成績を確認すると、
- セントウルS 13着
- アイビスSD 4着
- 高松宮記念 11着
- オーシャンS 9着
- シルクロードS 12着
と、決して目立つ成績ではありません。
馬柱だけを見れば15番人気になること自体に、それほど違和感はありません。
むしろ、
「なぜAIはこれを2位にしたのか」
を考える方が面白い。
もちろん、今回提示しているp_winだけからモデル内部の評価理由を断定することはできません。
ただし一つ考えられるのは、近走の「着順」がそのまま能力低下を意味しているわけではない可能性です。
高松宮記念では1分07秒4。
オーシャンSも1分07秒4。
アイビスSDでは4着。
大きく負けているように見えても、スプリント重賞の高いレベルで走り続けています。
そして今回は1400m。
1200mで追走に苦労していた馬にとって、1400mへの延長がどう作用するのか。
ここが観察ポイントになります。
ただし、これは「15番人気だから買うべき」という話ではありません。
前日単勝61.9倍を単純な逆数にすると、市場が示す勝率感は約1.6%。
対してAIは11.88%です。
かなり大きな差があります。
だからこそ、
AIが正しいのか、市場が正しいのかを検証する格好のサンプル
と捉えたいところです。
ここまで乖離した馬は、結果にかかわらず後から振り返る価値があります。
AI3位ミニトランザットは近走の内容が安定
3位は17番ミニトランザット。
p_win=0.0855。
前日時点では7番人気、14.9倍でした。
こちらはビッグシーザーほど極端な市場とのズレではありません。
むしろ馬柱を見ると、AI上位になる理由を理解しやすい一頭です。
前走の中京記念では5番人気2着。
後方から上がり33秒1を使い、勝ったラヴァンダと0.1秒差でした。
その前のしらさぎSも6着ながら0.2秒差、ダービー卿CTも4着で0.1秒差。
さらに2月の石清水Sでは勝利しています。
直近4戦だけを見ると、
1着 → 4着 → 6着 → 2着。
しかも重賞で大きく負けていません。
近走の安定度という意味では、AI上位5頭の中でもかなり分かりやすい存在です。
気になるのは、近走がすべて1600m中心であること。
今回は1400mへの距離短縮です。
前走のように後方から運ぶ場合、1400mで同じように差し切れるのか。
今回の競馬新聞ではミドルペース想定となっています。
極端なスローよりは差し馬にも機会がありそうですが、一方で新聞では「追い込みが効きにくい馬場状態」とも指摘されています。
17番という外枠も含めて、
能力は認めつつ、位置取りが結果を左右しそうな馬
と見ています。
AI4位ワイドラトゥールは11番人気
AI指数4位は14番ワイドラトゥール。
p_win=0.0726。
前日時点では11番人気、26.3倍です。
前走ヴィクトリアマイルは15着。
これだけを見ると評価しにくいのですが、その前を見ると少し印象が変わります。
京王杯SCでは7着ながら1分19秒5、上がり33秒2。
愛知杯では14番手付近から上がり33秒2を使って4着、勝ち馬とは0.2秒差でした。
今回と同じ1400mという観点では、むしろ直近のGI1600mよりこちらを重視した方がよさそうです。
この馬もAIらしい評価に見えます。
馬柱を「前走15着」で切れば評価は低くなります。
しかし、
- 1400m重賞で4着
- 京王杯SCでも1分19秒5
- 上がり33秒台を継続
という別の切り口なら、11番人気ほど評価を落とす必要があるのかという疑問が出てきます。
一方、今回は5カ月ぶり。
馬柱上の鉄砲成績は[0.0.0.2]です。
AI4位というだけで強気になるより、
休み明けをどう乗り越えるかを見る馬
という位置づけが良さそうです。
AI5位マイネルチケットは市場とも評価が一致
5位は13番マイネルチケット。
p_win=0.0600。
前日時点では5番人気、10.7倍。
AI順位と市場人気がほぼ一致しています。
こうした馬は、人気薄を探す記事では目立ちにくいのですが、むしろ指数の基準点として重要です。
前走パラダイスSは東京芝1400mで1着。
6番手から上がり33秒2で差し切りました。
その前の京王杯SCも3着。芝1400mを1分19秒2、上がり33秒1で走っています。
今回の出走馬の中でも、
1400mで直近の結果をそのまま残している
という意味では分かりやすい存在です。
むしろAI5位という数字が少し低く感じるほどです。
ただし、こちらも4カ月ぶり。
休み明け実績は[0.0.0.1]。
実績、距離適性、市場評価は揃っているものの、AIは勝率6%までしか与えていません。
ここから見えるのは、今回のスワンSそのものがかなり混戦だということです。
AI上位5頭を人気と比べると特徴がはっきりする
今回のAI指数と市場評価を改めて並べます。
| 馬 | AI順位 | p_win | 前日人気 | 印象 |
|---|---|---|---|---|
| ダイヤモンドノット | 1位 | 15.27% | 3人気 | AI・市場とも高評価 |
| ビッグシーザー | 2位 | 11.88% | 15人気 | 最大の乖離 |
| ミニトランザット | 3位 | 8.55% | 7人気 | AIがやや高評価 |
| ワイドラトゥール | 4位 | 7.26% | 11人気 | AIが高評価 |
| マイネルチケット | 5位 | 6.00% | 5人気 | AI・市場が一致 |
特徴的なのは2位と4位です。
特にビッグシーザー。
15番人気をAI2位。
これは結果がどうなっても記録しておきたいケースです。
逆にダイヤモンドノットとマイネルチケットは、AIと人間の市場評価がほぼ一致。
つまり今回、
AIが全面的に市場と逆張りしているわけではありません。
比較的市場評価と一致する馬の中に、ビッグシーザーやワイドラトゥールという異質な存在が混じっています。
この構造は面白いです。
1番人気エリカエクスプレスをAIは上位5頭から外した
反対側も見ておきます。
前日時点の1番人気は18番エリカエクスプレス。
4.5倍です。
前走クイーンSは4着、今年のヴィクトリアマイルも4着。
能力的に人気する理由は十分あります。
それでもAI上位5頭には入りませんでした。
今回ポイントになるのは1400mへの距離短縮でしょう。
近走は1800m、1600mが中心。
しかも脚質は前寄りです。
もちろん、これだけで1400mに対応できないとは言えません。
むしろスピード能力で押し切る可能性もあります。
ただ、
市場は能力を評価し、AIは今回の条件に対する勝率をそこまで高く見なかった
という構図になっています。
ここはレース後に必ず答え合わせしたいところです。
2番人気オフトレイルもAI上位外
もう一頭興味深いのが9番オフトレイル。
前日時点で4.6倍の2番人気です。
実績だけ見れば、かなり魅力があります。
今年の安田記念で6着ながら勝ち馬から0.2秒差。
昨年のスワンSでも4着、1分19秒0で走り、勝ち馬とは0.1秒差でした。
しかも1400mへの実績があります。
人間目線では非常に評価しやすい馬です。
それでもAI上位5頭には入りません。
今回のAI予想を検証するうえでは、
ダイヤモンドノットやビッグシーザーがどう走るかだけでなく、
オフトレイルを上位から外した判断が正しかったか
も重要になります。
人気馬を外したときは、穴馬を上位にしたとき以上に確認したいところです。
4番人気ジョイフルニュースもAI上位外
15番ジョイフルニュースも前日時点4番人気。
こちらは6カ月休養明けですが、鉄砲成績は[2.1.0.0]。
休み明け自体はむしろ得意といえる成績です。
前走福島牝馬Sでは2着、昨年末には3勝クラスを勝っています。
一方で近走は1800m、1600m。
今回1400mへ短縮します。
この馬についても、
「能力が低いからAI上位外」
というより、
今回の1400mという条件で勝率をどこまで見込めるか
という問題だと考えた方がよさそうです。
今回は「1400mへの適性」が一つの鍵になりそう
AI上位馬を見ていて興味深いのは、1400m実績のある馬が複数浮上していることです。
ダイヤモンドノットはファルコンS勝ち。
マイネルチケットはパラダイスS勝ち、京王杯SC3着。
ワイドラトゥールも愛知杯4着、京王杯SC7着。
一方、人気上位には1600~1800mから距離を短縮してくる馬もいます。
もちろん競馬は単純な距離実績比較ではありません。
ただ、1400mは1200mとも1600mとも微妙に違います。
スプリント的な追走力だけでもなく、マイルの末脚だけでもない。
今回のAIが、
「最近1400mで結果を出している馬」を市場以上に評価しているように見える
のは、ひとつの観察材料です。
特に前走1200mで8着だったダイヤモンドノットを1位、近走1200m中心で着順を落としているビッグシーザーを2位にしたことを考えると、単純な前走着順より別の要素を強く拾っている可能性があります。
ただし、モデル内部を確認しない限り、それを距離適性が原因だと断定することはできません。
ここはあくまで仮説としてレース結果を待ちたいところです。
p_win上位5頭で約50%しかない
もう一つ重要なのが指数の分散です。
今回の上位5頭を合計すると、
15.27%
+11.88%
+8.55%
+7.26%
+6.00%
=49.96%
です。
つまりAI上位5頭を全部合わせても、モデル上の勝率は約50%。
残り半分は13頭に分散しています。
この数字からも、
「指数上位だけを見れば十分」
というレースではありません。
1位ダイヤモンドノットでさえ15%程度。
2位以下との順位はありますが、レース全体としてはかなり不確実性が高い。
このブログでは指数上位馬を観察していますが、今回のようなレースこそ、
順位の的中より、AIが市場とのズレをどれだけ正しく捉えられたか
を見る方が重要だと思います。
今回もっとも観察したい3頭
指数と馬柱を合わせると、特に結果を追いかけたいのは次の3頭です。
ダイヤモンドノット
AI1位。ファルコンS勝ちという1400m実績があり、セントウルS8着から距離延長で変わるか。
ビッグシーザー
AI2位に対して15番人気。今回最大のAIと市場の乖離。近走着順が悪い中で、モデル評価が正しいのか。
ワイドラトゥール
AI4位に対して11番人気。1400m重賞では大崩れしておらず、前走GI15着で評価を落としているなら巻き返し余地があるか。
そして別枠で見たいのがオフトレイル。
AI上位外ながら、昨年のスワンS4着、今年の安田記念0.2秒差。
人気馬をAIが外した判断の検証材料として非常に面白い一頭です。
まとめ
2026年スワンSのAI指数1位は1番ダイヤモンドノット。
p_win=0.1527となりました。
2位はビッグシーザー、3位ミニトランザット、4位ワイドラトゥール、5位マイネルチケットです。
今回もっとも目を引くのはビッグシーザー。
前日時点15番人気に対してAI2位という、大きな評価差が生まれました。
一方でAI1位ダイヤモンドノットは3番人気、AI5位マイネルチケットは5番人気。
市場とAIが近い評価をしている馬もいます。
さらに前日1番人気エリカエクスプレス、2番人気オフトレイルはAI上位5頭外。
今回は、
AIが人気馬をどう評価したか
と、
人気薄をなぜ上位に置いたのか
の両方を観察できるレースです。
特にダイヤモンドノットは、前走セントウルS8着から、重賞勝ち実績のある1400mへ戻ります。
ビッグシーザーは近走の着順だけなら評価しにくい中で、AIがどこまで巻き返しを捉えられているのか。
ワイドラトゥールも11番人気ながらAI4位。
単純に「AIが穴馬を見つけた」と結論づけるにはまだ早いですが、市場とのズレを観察するには面白い指数になりました。
そして上位5頭のp_win合計は49.96%。
指数そのものも今回を混戦と見ています。
AI1位だから勝つ。
人気薄を高評価したから妙味がある。
そう単純には考えず、
AIが出した確率と、実際の馬柱、市場人気のズレを記録し、レース後に答え合わせする。
今回のスワンSも、その観察を続けていきたいと思います。



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